【第1回】株式会社TBSテレビアナウンサー熊崎風斗さん・山本恵里伽さんにインタビューはこちら
就職活動の準備は、どのように行いましたか?
熊崎 山本さんは、いつからアナウンサーになりたいと思っていたのですか?
山本 中学校・高校と放送部に入っていたので、そこでアナウンス技術や声で表現する楽しさ、映像を作る楽しさを知り、大学では映画を作るサークルに入りました。そのうちに、声での表現ができる場所を探すようになり、大学2年生の時にアナウンススクールに通い始めました。通い始めてから半年ほど経過したころ、もともと声で表現することが好きですし、アナウンサーという仕事が面白そうだなと漠然と思い始め、2年生の後半からはテレビ局の学生キャスターをやらせてもらえるようになりました。学生キャスターの役割は、その局のアナウンサーと全く同じで、BS番組で3分や5分などの枠でニュースを読むという内容でした。時間の管理も自分でしなくてはいけないんです。
熊崎 学生でそれをやらせてもらえるなんて、すごいですね。
山本 とても難しかったですし、読み間違いなどをすれば怒られることもありました。仕事への責任を初めて実感して、「アナウンサーってこういう仕事なんだ。ゴールが無くて、一生成長し続けられる仕事だな」と思い、本当のアナウンサーになるために、アナウンサー試験を受けることを決意しました。
熊崎 お手本のような良い回答ですね。私はそこまで明確な理由がないので困ってしまいます(笑)。
山本 アナウンサーは、なりたい理由があって努力してなる人と、何となく興味を持ってふわっと受けたら受かったという人と二極化しますよね。
熊崎 確かにそうですね。アナウンススクールには通っていましたが、通い始めたのは姉から「アナウンサーとか良いんじゃない?」と普段の会話の中で言われたことがきっかけでした。特に理由があって言われたわけではありませんでしたが、「確かに良いかもしれないな、もしかしたらなれるんじゃないのかな」と漠然と思い、アナウンススクールを見学することにしました。
山本 アナウンススクールはどこに通っていたのですか?
熊崎 TBSアナウンススクールなんですよ。
山本 あら、TBSアナウンススクールに!
熊崎 TBSアナウンススクールを選んだ理由は、大学から一番通いやすいところにあったからというだけでしたが、結果的にこうして入社することができて、あの時の判断は間違いではなかったと思っています。
山本 お姉さんのその一声で、アナウンサーという職業について考えるようになったのですね。
熊崎 そうですね。もともと放送関係の仕事には、あこがれはあっても強い気持ちはありませんでした。放送部などに入っていたわけでもなく、小学生などのころに音読がうまかったわけでもありません。自分がアナウンサーに向いているのかはいまだに分かりませんが、縁があって入社させてもらったからには頑張らないといけないなと思います。
山本 アナウンサー試験は結構長期間で、大学3年生の夏くらいからセミナーというインターンシップのようなものがありますが、そういうものには参加しましたか?
熊崎 やるからにはちゃんと行きましたよ。3~4種類参加しました。
山本 それで各局へ行って、「面白いな、アナウンサー試験を受けてみようかな」と思ったのですね。
熊崎 そうですね。やっぱり実際にアナウンサーの世界に触れてみると「面白いな」と思うじゃないですか。最初はそこまで強い気持ちではありませんでしたが、アナウンススクールに通い始めて、周りのモチベーションが高いメンバーと接したことや、夏のセミナーでTBSアナウンススクール以外の人たちとも仲良くなったことで、さらに「面白いな」と思うようになり、アナウンサー試験に突入していきました。
山本 熊崎さんのときはTBSテレビ(以下:TBS)が一番選考が早かったのですか?
熊崎 早かったですね、大学3年生の10月ごろに運良く内定をいただくことができました。他局の選考は、確か年明けごろだったと思います。
山本 私のときは、大学3年生の1月ごろに一番最初のアナウンサー試験が他局で行われて、TBSはその翌月の2月でした。一番最初に受けた他局の試験は最終で落ちてしまって、そのときの悔しい気持ちがあったからきっとTBSに受かったのだと思います。
熊崎 最終までいくなんて、すごいですね。アナウンサー試験って男性と女性で全く倍率が違うんですよ。女性の方が圧倒的にすごいですから、私は女性に対してのリスペクトが半端じゃないです。
山本 ありがとうございます、そんな(笑)。
熊崎 試験会場を見渡しても、男女比が2:8なんですよ。
山本 確かにそうですよね。
熊崎 女性であの難関を突破してくるっていうのは相当すごいと思います。しかも、他局の選考で最終まで進んで、TBSにも受かったなんてエリート中のエリートですね。
山本 そんなことはないです。大変でした。
熊崎 選考が特殊すぎて大変でしたね。試験の時期が早いので、大学の友人たちにも相談できませんでした。
山本 みんなが「どこを受けようかな、業界はどうしようかな」と言ってるときに、もう内々定が出るくらいですからね。
熊崎 自分で準備していかないといけないですし、「アナウンサー試験を受けるんだ」と相談するのが何となく気恥ずかしい気持ちもありました。
山本 そうなんですよね。「ミーハーだって思われるかな」みたいな気持ちもあって(笑)。
熊崎 積極的に言えるタイプと言えないタイプがいますが、私は言えないタイプでした。
山本 私も言えなかったです。「ちょっとマスコミ関係を……」といった感じで濁していました。
熊崎 そうなんですよ、なかなか難しいんです(笑)。
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