【特集・第1回】作詞家・作家 児玉雨子さんにインタビュー
- 1993年神奈川県出身。
- 2011年静岡朝日テレビ「コピンクス!」主題歌「カリーナノッテ」で作詞家デビューを果たし、大学在学中もプロの作詞家として大きくキャリアを広げる。
- 2015年より雑誌「月間Newtype」などで小説連載を開始。提供アーティストはモーニング娘。、アンジュルム、つばきファクトリー、近田春夫、斉藤壮馬など多数。
- 明治大学シェイクスピアプロジェクトに所属し、制作を担当している。
- 文学部の演劇学専攻で、ミュージカルについての卒業論文を書く予定。
- 児玉さんには、作詞をするために普段から行っていることを、特に聞きたい!
高校生でデビュー。作詞家になったきっかけは?
池田さん(以下:池田) 児玉さんは作詞家として活躍されていますね。
児玉さん(以下:児玉) 主にポップス作品の作詞をしています。そのほかに脚本や、雑誌で小説の連載などをやらせていただいています。
池田 作詞家というのは珍しい職業ですが、作詞家になろうと思ったきっかけを教えてください。
児玉 高校生の時に書いた小説を出版社の文学賞に応募したところ、2次選考まで進むことができて。結局賞には届かなかったのですが、その話を聞きつけた父の知人で、地方テレビ局のプロデューサーの方から番組のテーマソングの作詞の依頼をいただいたことがきっかけです。「女子高生作詞家」という肩書きがあったからかもしれませんが、それからお話をいただく機会が続いて、という感じですね。
池田 もともとは、作詞家ではなくて、小説家を目指していたのですか?
児玉 その文学賞の応募に物語を書いたのはたしかなのですが、将来、小説家や作詞家になりたいという気持ちはありませんでしたね。
池田 どうして文学賞に応募しようと思ったのですか?
児玉 高校生のころ、不登校というほどではないのですが、学校を休まないとつらいという時期があって、その時に何か発散できることがあればと思って小説を書きました。その文学賞への応募は、書き終わったころにちょうど締め切りが近かったことと、賞金が他の文学賞よりも高かったからです。格好良い理由ではありませんね(笑)。
作詞家という仕事とは
池田 賞への応募を経て、作詞の依頼を受けられたということですが、詞はすらすらと書けたのでしょうか?
児玉 今考えるととてもイレギュラーな依頼だったのですが、レコーディングまでの期日が迫っていて、詞と曲を同時に進める形で制作がはじまりました。当時は物事の流れについていくのに必死だったので、作曲家の方にたくさん迷惑をかけてしまいました。
池田 作詞の作業というのは、音楽やメロディが先にあって、そこに言葉を乗せていくのですか?
児玉 私が関わっている範囲では、曲が先にできていて、そこに詞を合わせるという形で引き受けることが9割くらいです。
池田 作詞のお仕事が、1作で終わらずに続いたのは、どういったきっかけがあったのですか?
児玉 その番組が続いて次の楽曲も、となったこともありますし、1作目をきっかけに、ほかからもオファーをいただくことになりました。その後、偶然のような出会いがあって、メジャーの大きな事務所の方と縁ができて、お仕事をさせていただけるようになりました。
池田 それはいつごろですか?
児玉 明治大学に入学してすぐくらいのことでした。大手の事務所の方と縁ができたものの提出した詞はボツが続いて、CDになる楽曲として採用されたのは、大学2年生のころでした。その間、ほかのお仕事も徐々にさせていただくようになっていました。ボツも倍以上ありましたけれども(笑)。
池田 ボツになってしまったときは、どのように切り替えていますか?
児玉 たとえその作品がボツになったとしても、だからこそ新しい作品が書けるということもあります。底が見えない沼に石を投げているような日々ですが、巡り巡って気付かなかったところでぱっとつながったりするので、やるしかないと思ってやっています。
池田 ひとつの作品にかける時間はどのくらいですか?
児玉 作品によってだいぶ異なりますが、早いときは2時間くらいですね。まず、いただいた曲に慣れるのに時間がかかります。メロディを聞き込む時間が少し長くて、書く作業自体でいうとそれほど時間はかからないですね。曲をいただく際に譜面もいただけると、メロディが視覚的にわかるのですぐ取りかかれるのですが、それがない場合はある程度書き起こしたりする場合もあります。シンプルなメロディラインなら、耳で覚えてそのまま書きます。
>>【第2回】では、児玉さんの自信作への考え方や、明治大学入学の経緯などをお聞きしています!
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