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2018.05.18

映画『友罪』の監督・キャストと討論する特別授業を実施しました

5月14日(月)、文学部文芸メディア専攻「小説研究A・B」(伊藤氏貴准教授)の授業の一環で、薬丸岳さんの小説を原作とした映画『友罪』(5月25日公開)を題材とした特別授業が行われました。当日は、ゲストに瀬々敬久監督、キャストの生田斗真さんと瑛太さんがサプライズで参加し、大きな拍手の中、授業が開始されました。
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ゲストとして登場した、キャストの瑛太さん

「小説研究A」にて特別授業を実施しました

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「小説研究A」を担当する、伊藤准教授

授業では、映画『友罪』での問いである、罪を犯した友や家族との向き合い方、友情についてなどを、学生と監督・キャストとで意見を交わしました。

本作を映画化した理由を伊藤准教授が問うと、瀬々監督は「薬丸先生が小説家としてずっと〈少年犯罪〉という一つのテーマを追いかけている、その執念に心を動かされました」と語りました。原作のモチーフとなった、神戸連続児童殺人事件について「(当時)すごくショックでした。そのショックを今現在どうとらえ直していけば良いのかというところから出発しました。本作では取返しのつかない事件が起こった後の時間を、加害者だけでなくその周りも含めて、どうやって生きていけば良いのかということを、映画として描きたいと思って作りました」と映画化の理由について述べました。

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ゲストとして登場した、瀬々敬久監督

生田さんは、「僕自身も映画化が決定する前から原作を読ませていただいていて、どういった形であれ映像作品として残すべき題材だとずっと感じていました。映画化するというお話をいただいた時は、『ついにやるのか!』という気持ちと、この映画を立ち上げて、この世に送り出そうとする覚悟を持ったスタッフの方々の熱意も感じました」と、映画への想いをコメントしました。

瑛太さんは、「今回の事件が起きたとき僕もすごくショックを受けましたし、少年Aを扱った映画作品を作る上で、映画を通して、人に対して〈何を与えたいのか〉というのはすごく疑問がありました。実際の少年Aの手記を読み進めていくうちに、事件についてどこか全否定できない部分が僕の中に生まれて、どんな人間でも自分の想像を超えた衝動が生まれてしまう可能性があるのではないか、と感じました。演じる上では、役を愛して演じていきたいので、台本の中の鈴木というキャラクターに対して、自分の想いを乗せていきました」と、演じた役柄について触れました。

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また、「もしも友達が重大な犯罪を犯していたと知ったら、友達を続けるか」という問いに対しては、半数以上の学生が「友達関係を続ける」と回答。生田さんは、「一度二人の間で友情が芽生えたのであれば、関係を続けていきたいというのが本音だと思うけど、少しきれいごとなのかなという気もするし、すごく難しいですよね。少しでも自分の力で、彼のその後の将来が変わってくれるのではという期待は持ち続けていくのだろうなと思います」と述べました。一方で瑛太さんは、「向き合うことはするかもしれないけど、それまでの仲よりは警戒心が生まれてしまいますし、もしかしたら少しずつ距離を置いて友達をやめてしまうかもしれないです」と明かしました。

映画『友罪』は、少年犯罪という重いテーマの映画ですが、授業の終盤では、瑛太さんから「生田斗真と瑛太、どっちが好きですか?」と質問するシーンもあり、和やかな雰囲気の中、授業が締めくくられました。

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映画『友罪(5月25日公開)』について

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©薬丸 岳/集英社 ©2018映画「友罪」製作委員会

(映画のあらすじ)

17年前―許されない罪を犯した男と、癒えることのない傷を抱えた男。

今、ふたりの過去と現在が交錯し、あの日から止まっていた時計が動き出す―

何人もの人生を決定的に変えた“事件”は、ふたりの男の出会いから始まった―。

ある町工場で働き始めた、元週刊誌ジャーナリストの益田と、他人との交流を頑なに避ける鈴木。共通点は何もなかったふたりだが、同じ寮で暮らすうちに、少しずつ友情を育てていく。そんななか彼らが住む町の近くで児童殺人事件が起こり、SNSで17年前に日本中を震撼させた凶悪事件との類似性が指摘される。当時14歳だったはずの少年Aはすでに出所していて、今度も彼の犯行ではないかというのだ。ネットに拡散していた少年Aの写真を見た益田は愕然とする。そこにはまだ幼さの残る鈴木が写っていた。

驚きと疑問に突き動かされ、調査を始める益田。それは、17年前に自ら犯した“ある罪”と向き合うことでもあった。一度は人生を捨てたふたりの過去と現在が交錯し、止まっていた時計が激しく動き始める―。

それはまた、ふたりに関わる人々の人生も大きく動かすことになる―。

映画『友罪』公式サイトより引用

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©薬丸 岳/集英社 ©2018映画「友罪」製作委員会

映画『友罪』には、本学の卒業生である山本美月さんも出演されます。

ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

※ページの内容は、記事公開当時のものです