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明大生にフォーカス
2018.03.02

【活躍する明大生を応援!】伝統芸能「端唄」に懸ける思い│明治大学

明大生の活躍を紹介する、「明大生にフォーカス」。今回は大学入学と同時に端唄(はうた)を始め、先日師範名取「根岸禮駒」となった石原さんに、端唄の魅力や学業との両立についてお伺いしました。
端唄を紹介してくれた方石原盛夏さん(学部4年)

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大学入学後、明治大学落語研究会に入部し、落語と並行して三味線漫談を始めました。また、大学1年次の9月から端唄根岸流で端唄を、3年次から他大学の長唄で長唄(吉住会)、4年次から友人の清元延寿鏡氏のもとで清元(三味線音楽の一つ)を習い始めました。2017年12月、端唄根岸流・根岸禮家元の許しを得て、師範名取「根岸禮駒」という芸名を与えられました。

端唄とは?

江戸時代に発展した、邦楽の一種です。一般的に三味線2梃で伴奏し、1人が短い曲を歌います。

端唄をはじめたきっかけを教えてください。

もともと落語が大好きで、落語にハマったのは小学2年生のころです。中高生のころ、寄席通いがきっかけで、出囃子や色物の三味線漫談に出てくる、端唄や長唄をはじめとした邦楽の魅力を知りました。とりわけ端唄は一曲が短いので、当時の何にも知らなかった私でも何となく「面白いな」と思えました。高校生のころにはホームセンターで買える材料で自作三味線を作ったほどです。 大学に入ってから、三味線関連のサークルにも入りましたが、あまり長続きせず、大学1年生の夏に、高校生のころからTwitterで交流のあった根岸流の副家元とお会いして、そこからトントン拍子で入門に至りました。今となっては、ご縁だったのかなと思います。

「師範」と「名取」を取得した経緯を教えてください。

ある程度曲が演奏できるようになって、昨年の浴衣会(夏の発表会のこと。浴衣さらいとも言う)の際にはタテ三味線(演奏におけるリーダー三味線)を任せてもらえるようになりました。昨年の秋ごろに家元から「名前を取っておくと何かと得だし、演奏会に出る機会も増えるから、今後のことも考えて取ってみない?」とお声を掛けていただき、名前を頂きました。

focus45_1 2017年夏の浴衣会の様子

師範名取として「根岸禮駒」という芸名を与えられた感想を教えてください。

ただの名取はあくまで「一門に入っただけ」ですが、「師範」になったということは、端唄を対外的に普及していく責任や、流派の看板を背負う責任があるということになります。これまで以上に責任が重くなり不安なことも多々ありますが、同時にそれだけ「根岸流」の名前で参加できる場も増えるということなので、「自分の芸をさらに高めなければ」と身が引き締まる思いです。

学業との両立のコツを教えてください。

文学部の演劇学専攻に所属しているため、比較的「舞台音楽・芸術」に近い分野を学んでいます。学ぶことの多くが私の好きな落語や邦楽とつながっていたので、学業に関してはそれほど苦しむことはありませんでした。むしろ、好きなことに関してより多くの知識を得られるため、学業を苦とは思いませんでした。もちろん専門科目のみの話で、選択科目では苦戦したものもありました。

端唄上達のために努力していることはありますか?

家に置いてある三味線を必ず1日1回は弾くことや、帰り道で唄を唄って、唄い方を考えることなどはよくやっていました。一時期、三味線は「毎日弾かないとやってられない!」というぐらいになっていて、稽古依存状態でした。唄に関しては邦楽好きの友人や諸先輩方から厳しく言われ、自分なりにどのようにすれば上達するか考えながら、ただがむしゃらに歌い続けていました。それでも嫌にならなかったので、やはり「好き」という気持ちに突き動かされていたのかもしれません。

focus45_2 文化祭での落語風景

今後の目標を教えてください。

最近は三味線というと「津軽三味線」などのイメージが強まってしまい、端唄や長唄、浄瑠璃をはじめとした「江戸の三味線音楽」が若い方々から忘れ去られつつあります。端唄はもともと「流行歌」として誕生した側面を持ちながら「伝統芸能」にもなったという、邦楽の中でも特殊な経歴を持ったジャンルです。また、曲も短いため、気軽に口ずさめるという点も魅力の一つです。こういった魅力を若い人たちに伝えていけたらと考えています。

明大生へのメッセージをお願いします。

「三味線」と聞いて、堅苦しいイメージを持っていませんか?決してそんなことはありません。三味線は江戸の庶民の耳になじんだ、日本の人々にとって一番身近な楽器だったのです。日本の心が込められた楽器・三味線や、庶民の心が込められた「端唄」をぜひ一度聴いてみてください。 

今後の活動予定

日程 3月4日(日)12:30~
端唄 根岸会
場所 埼玉県入間市 産業文化センター
内容 「根岸禮駒」としてお披露目されます。
※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです
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