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2024.10.15

恋愛しないとダメですか?アロマンティックやアセクシュアルという在り方を学ぶセミナーに学生・教職員60人が参加(レインボーサポートセンター)

左から古野氏、三宅氏、中村氏、西坂氏。セミナーは対面とオンラインの同時配信で行われた左から古野氏、三宅氏、中村氏、西坂氏。セミナーは対面とオンラインの同時配信で行われた

レインボーサポートセンターは10月1日、駿河台キャンパスで、多様な性の在り方の理解促進を目的としたセミナー「いちばんやさしいアロマンティックやアセクシュアルのこと」を開催した。

これは、他者に恋愛感情を抱かない「アロマンティック」、性愛感情を抱かない「アセクシュアル」という在り方について、研究者と当事者を招いて行われた講演。リバティタワーの教室での対面とオンラインでの同時配信で、学生や教職員など計60人が聴講した。

講師は昨年度に引き続き、アロマンティックやアセクシュアルをはじめとする多様なセクシュアリティに関する研究や情報提供・啓発活動などを行う団体As Loop(アズループ)のメンバーで研究者の三宅大二郎氏と、同じくメンバーで当事者でもある中村健氏が務めた。両氏はNHKのドラマ「恋せぬふたり」の考証も担当している。

セミナーでは、まず中村氏から、自身のセクシュアリティを自認するきっかけや葛藤、日常で感じる違和感など当事者としての体験談が語られた。次に三宅氏から、恋愛と性愛を分ける考え方、セクシュアリティに明確なカテゴリーはなくスペクトラム(グラデーション)であることなどの基礎知識について解説があった。

また、アロマンティックやアセクシュアルの「恋愛/性愛感情を抱かない」という点は、社会的な認識がされつつあるゲイ・レズビアンなどの性的マイノリティとも異なり、そのような想定自体がされていない場合が多く理解されづらいこと、当事者自身も自認するのに迷いが生じやすいことなどについて丁寧な説明があった。

後半は、三宅氏、中村氏に加え、レインボーサポートセンターのコーディネーターである西坂ゆみ氏、古野ひとみ氏も登壇して座談会が行われた。As Loopが出版している書籍をもとに、日常で語られる「何気ないけれどもモヤモヤする言葉」について、当事者が感じやすい抑圧という観点にとどまらず、社会全体の問題としての議論が交わされた。

また中村氏からは、カミングアウトの際に、「気のせいではないか」「生物学的におかしい」「過去に原因があるのか」といった個人に原因と解決を追求するような言動をされた時に当事者がどのように感じるかなど実際の体験談が語られ、それについて具体的な議論が交わされた。

参加者のアンケートでは「当事者のお話を伺えるのは貴重」「いろいろなキーワードを知ることで、自身のセクシュアリティについての考え方を整理できた」といった意見が寄せられ、気づきや学びを得る貴重な機会となった。