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2019.04.26

USBが56万円?大学生間で広がるマルチ商法 ~手口と対策とは~(学生部)

友人関係を利用し、巧妙な手口で被害を拡大させるマルチ同士でのトラブルに巻き込まれないために、近年の事例や特徴、対策方法をご紹介します。

「最近投資でもうかってるんだよね~」「君も早く始めないと損をするよ」

高額なUSBを買わされたとの相談が学生から多数寄せられています。そのほとんどが、いわゆるマルチ商法と呼ばれる連鎖取引であり、友人関係を利用してねずみ講式にその被害を拡大させています。

この手の話は、従来からよく聞きますが、その勧誘方法や手口は年々巧妙になっています。相談に来た学生から寄せられた「もうけ話」から始まる手口は次のようなものです。

相談事例

高校時代の友人Aに「投資で手軽にもうけられる話がある」「株でもうけているすごい投資家を紹介する」と喫茶店に来るよう誘われ、その場で、金融取引の話やいくらもうけているかなど、実際の取引記録を見せられながら説明を受けました。早く始めないと周りから出遅れるとあおられ、後日、金融取引のノウハウが入ったUSBメモリを56万円で購入するよう勧められました。

そんな大金は持ち合わせていないと断りましたが、「みんな学生ローンを利用している。英会話教室へ通うためと言えば審査が通りやすい。セミナーに通ってUSBを使いこなせば、56万円なんてすぐに返済できる」と半ば強引に押し切られ、購入してしまいました。

購入後、しばらくは投資を頑張りましたが、一向に成果が挙げられず、投資セミナーも次第に勧誘方法にまつわる内容が中心になっていきました。疑問を抱き、Aに確認すると、「もうけるためには投資ではなく勧誘後のキックバック(1人当たり5万円)を中心に稼ぐほかない」と言われ、自分がだまされたことに気付きました。

Aは勧誘活動にはまっており、友人を口説きUSBを購入させ、5万円を得ることにやりがいを感じてしまっているようでした。

特徴

似たような事例の相談は多く寄せられていますが、これらに共通する特徴は、「気が付いたら自分も加害者になっている」ということです。商品が高額なため、購入後は精神的に「後戻りができない」状態になっています。不安な気持ちの中で投資を始め、ほどなくクーリングオフ期間が過ぎてしまいます。手元のお金は減っていく一方、高金利により借金は膨らんでいきます。

「もしかしたらだまされたかもしれない」そんな気持ちが芽生えたとき、計ったように勧誘でもうけることができるシステムが登場するのです。一部では勧誘活動を「ビジネス」と称し、勧誘者数や売上など、数字を残した人物が賞賛を受けるような環境があるとも報告されています。

対策

勧誘を受けたときは、当該企業をインターネットで検索したり、家族に相談したりして冷静になる時間を作ることが必要です。やクラス、ゼミなどのグループ内で勧誘が行われている場合には、情報を共有し、マルチ商法は友人関係を壊しかねないという共通の認識を持っておくことが大切です。そういった雰囲気作りも勧誘への対策になります。

購入してしまった場合は、消費生活センターなどに早めの相談をすることが望ましいです。クーリングオフ期間が過ぎていても、状況によっては一部返金を求めることが可能なケースもあります。学内でマルチ関連の話を聞いた際は、所属学部事務室、学生支援事務室、学生相談室のいずれかに相談・連絡してください。

※ページの内容は、記事公開当時のものです