明治大学の2025年度「秋季卒業式」が9月19日、駿河台キャンパス・アカデミーホールで挙行された。式典には上野正雄学長、柳谷孝理事長をはじめ、北野大校友会長、各学部長らが出席し、卒業生333人(学部248人、大学院・専門職大学院85人)の新たな門出を祝した。
式典の冒頭では、学部を代表して農学部の高見千尋さん、大学院を代表して専門職大学院ガバナンス研究科のパトリシア ブランコ レイエスさんへ、上野学長からそれぞれ学位記が授与された。
また、「日本・ウクライナ大学パスウェイズプログラム」を通じて入学したウクライナ人学生5人が卒業を迎えた。困難な状況の中で学業を修めた努力を称え、代表して国際日本学部のヴォズニアック タチアナさんへ、上野学長から学位記が授与された。



告辞の中で上野学長は、「皆さんは、今日、明治大学を卒業します。これは過去の努力の証であると同時に、未来への大きな約束でもあります。困難に直面したとき、どうか今日の喜びを思い出してください。迷いそうになったとき、ここで出会った仲間や学びの時間を思い出してください。そして、自らの信じる道を勇気をもって歩んでください」と卒業生らに力強く語りかけた。
ウクライナ人学生に向けては、「皆さんの母国は今なお大変厳しい状況にあります。家族や友人の安否を案じながら、日本という異国の地で生活を整え、言葉や文化の壁を乗り越え、勉学に打ち込み、そして本日この晴れの舞台に立たれている。その道程は、想像を超える困難を伴ったはずです。私は、その努力と精神力に対して、心の底から快哉を叫びたいと思います」と述べた。

続いて、祝辞に立った柳谷理事長が、「卒業後の新たな環境で仕事や研究に励むことはもちろんのこと、世界で起きている様々な問題や課題に当事者意識を持ち、今後社会はどうあるべきか、その実現のために自分自身は何をすべきなのか能動的に考えを巡らせてください。そして、国や人種の違いを超えて協調し、人類と地球環境との調和した未来を創造することに、皆さん一人ひとりが貢献してほしいと切に願っています」と卒業生らを激励した。

卒業生を代表して高見さんが答辞に立ち、生田キャンパスや黒川農場での大学生活を振り返るとともに、「華やかな成功も、悔いの残る失敗も、全ての経験が私たちの人生を形作る糧になるはずです。私たち卒業生がここ明治大学で培った知識・能力・個性を磨き続け、それぞれの形で社会に貢献していけると信じています」と力強く述べ、家族や恩師、学友らに謝意を表した。

最後に、明治大学校歌の斉唱が行われ閉式となり、卒業生は晴れやかな表情で学び舎を巣立っていった。

卒業式後には、上野学長より卒業したウクライナ人学生5人へ記念品が授与された。上野学長は5人に向けて「卒業おめでとうございます。卒業まで色々と大変なことが多かったと思います。これまでの努力に敬意を表します。本日、明治大学は皆さんの母校となりました。これからも何かあれば明治大学を思い出して欲しい。そして、これからも皆さんとつながっていきたい」とメッセージを送った。
