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2025.12.23

講演会「正解のない時代を生きる皆さんへ――商用車業界の開発現場から考える『働く』ことの意味」を実施|生田就職キャリア支援センター

生田
学生に向けて講演する三菱ふそうトラック・バス株式会社 副社長兼開発本部長の安藤寛信氏

生田就職キャリア支援センターは、一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)との共催により、「大学キャンパス出張授業2025」の一環として、三菱ふそうトラック・バス株式会社 副社長兼開発本部長の安藤寛信氏を招いた講演会を、生田キャンパスで開催した。本講演会は、2027年度卒業予定で現在就職活動を控えている学生をはじめ、理工系学生を対象として行われた。

講演に先立ち、中央校舎前では三菱ふそうが開発したコンセプト車両の小型救助用トラック「ATHENA」や、自動追尾型EVごみ収集車のコンセプトモデル「eCanter Sensor Collect」を展示。担当者からは、車両コンセプトや現場での活用シーンについて説明が行われ、学生が実際に車両へ乗車する体験の機会も設けられるなど、最先端のモビリティ技術を身近に感じられる場となった。

三菱ふそうの担当者からコンセプト車両の説明を受ける学生の様子
コンセプト車両の小型救助用トラック「ATHENA」(写真左)、自動追尾型EVごみ収集車のコンセプトモデル「eCanter Sensor Collect」(写真右)が展示された

講演では、「正解のない時代を生きる皆さんへ――商用車業界の開発現場から考える『働く』ことの意味」をテーマに、安藤氏がこれまでのキャリアを振り返りながら、働くことの目的や社会における仕事の役割について語った。「私たちはなぜ働くのか」という問いに対し、無人島での生活を想像する「無人島モデル」を用いて説明し、「働くことは社会の中で誰かの役に立ち、周囲のために役割を果たすことだ」と述べ、学生に仕事の本質を考える視点を示した。

また、安藤氏は3年間のドイツ赴任での経験にも触れ、自身の常識が必ずしも世界の常識ではないことに気づいたことや、自身の意志を伝えるための英語によるコミュニケーションの重要性についても語った。その中で、「異なる文化や価値観の中での仕事を通して、ピンチや変化を前向きに楽しむ姿勢が身に付いたことが、自身の成長につながった。失敗を恐れず挑戦してほしい」と挑戦することの大切さを学生に伝えた。

さらに、少子高齢化が進む社会において、労働人口を増やす取り組みと同時に、自動化によって仕事そのものを減らす仕組みの重要性にも言及。物流業界が直面するドライバー不足への対応として、高速道路での自動運転トラック開発や、水素エネルギーを活用した脱炭素社会の実現、液体水素を用いた大型トラック開発の可能性など、三菱ふそうの先進的な取り組みが紹介された。

安藤寛信氏へ質問をする学生

最後に安藤氏は、「就職活動では大きな決断に悩むことも多いが、決断そのものが成功や失敗を決めるわけではない。決断した後にどう行動するかが大切だ」と学生にエールを送り、講演会は締めくくられた。