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教育
2024.06.21

授業「日本とドイツ」の履修学生がドイツの戯曲『海戦』を上演(国際日本学部)

公演後の集合写真

国際日本学部2024年度春学期の授業「日本とドイツ」(担当:萩原健教授)の履修学生が、6月7日、ドイツの劇作家ゲーリングの戯曲『海戦』を、中野キャンパス低層棟5階ホールで上演した。

授業では、履修学生が戯曲から上演台本を制作して稽古をするとともに、映像・照明・音響・衣装・小道具・広報・受付等、各担当での準備を進めた。

『海戦』は、1924年に開場した築地小劇場の開場演目の一つ。この劇場で当時、同時代の西洋諸国の戯曲が数多く翻訳上演され、後年の日本演劇にとって非常に大きな刺激となった。築地小劇場の開場100周年を記念して、今回の『海戦』公演が行われた(翻訳は授業を担当する萩原健教授の新訳)。

『海戦』は、第一次世界大戦中のドイツで発表・初演された。物語の軸は、戦地に向かうドイツ戦艦の砲塔内で作業する7人の水兵の運命。今回の上演は、現在、ウクライナやパレスチナ・ガザ地区ほか、進行中の戦争の最前線にいる人々について考える契機にもなった。

上演は、台本を朗読するリーディング形式で実施されたが、出演者たちは攻撃する場面で主砲に群がったり、砲撃を受ける場面では一斉に倒れたりするなど、大いに動きを交えながら演じた。

ホールは、築地小劇場で若き演劇人たちが日本演劇の変革に燃えていた100年前の熱気を、追体験させるような勢いに満ちた。また、プロローグでは中澤信一・防衛大学校 防衛学教育学群 准教授 2等海佐(海上自衛隊掃海母艦「うらが」元艦長)が制服姿で、エピローグでは東郷宏重氏(東郷平八郎のひ孫、元海上自衛隊1等海佐)がそれぞれサプライズ出演し、過去の戯曲および上演と、現代の世界とを橋渡しするスピーチを行った。

履修学生のコメント

この授業を履修できて、本当に良かったです。萩原先生をはじめ、学部を超えた素晴らしい仲間と出会えたこと、履修生全員で一つの舞台を短期間で完成させたこと、本当に素晴らしい経験になりました。演劇は未経験でしたが、仲間たちに支えられ役者を担当できたことは、一生の思い出です。心に残る授業を開講してくださり、本当にありがとうございました。
(国際日本学部2年 角田明希)

履修生一人ひとりが力を合わせることによって無事に完成度の高い演劇をお客さまに届けられました!非常に貴重な体験をたくさんさせていただきました。大学の一講義にとどまらないさまざまな経験を積むことができたこの2カ月を、一生忘れません!本当にありがとうございました。
(文学部3年 小林明晟)

とても楽しかったです!短い期間で、スタッフも役者もみんなが頑張って、無事に良いものを作り上げることができてうれしかったです!貴重な体験ができた今回の授業を開講してくださってありがとうございました!
(国際日本学部3年 金子レイチェル奈々)

火曜日の4、5限がなくなってしまうのが寂しいくらいです。学年や学部を超えたすてきな皆さんととても良いものを作り上げることができて、卒業前に良い思い出を作れたので本当に良かったです。萩原先生、初の試みではありましたがこのような楽しい授業を開講してくださりありがとうございました!
(国際日本学部4年 宮田麗々)

制服で登壇した中澤信一 防衛大学校防衛学教育学群 准教授 2等海佐

エピローグで登壇した東郷宏重氏

(中野教務事務室)