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2025.01.31

環境省による西之島調査に明治大学 自律型ロボット研究クラスターが協力―生態系の研究に工学の分野から貢献

理工学部
自律型ロボット研究クラスターが開発したローバ(探査機)

研究・知財戦略機構 自律型ロボット研究クラスターは、環境省による「西之島総合学術調査」に協力している。この調査は、海洋島における原生状態の生態系の成り立ちを解明することを目的として、環境省が毎年実施しているもの。

西之島は小笠原諸島に位置する孤立性の高い海洋島で、活発な火山活動で生態系がリセットされたことにより、新たな生態系が観測できる特異な環境として、世界中の生態系の研究者から注目を浴びている。

自律型ロボット研究クラスターは、この調査に2023年度から協力している。西之島では現在も活発な火山活動が続いており、人が近づくことや上陸することができないため、自律型ロボット研究クラスターが開発したローバ(探査機)や、その遠隔操作の技術を提供している。

2023年度の調査では、調査船から約1km離れた島にドローンでローバを運搬。ラジオコントロールを利用して、ローバのオンボード映像とドローンからの空撮映像を確認しながら遠隔操縦し、ローバに取り付けたサンプリングアームを駆使することで島の火山灰などの貴重な試料を回収することに成功した。

2回目の参加となる2024年度の調査では、生物系の専門家と協働して、以下のような調査を行った。

加藤恵輔 准教授(理工学部機械工学科・研究クラスター研究員)
新規機能を搭載したローバを作製し、操縦・採取・夜間探査

小澤隆太 教授(理工学部機械情報工学科・研究クラスター副代表)
昆虫等を捕獲・回収するための円盤型虫籠・射出機を作製し、多数の虫籠を射出・設置

黒田洋司教授(理工学部機械工学科・研究クラスター代表)
無線小型ボートを操縦し、西之島沿岸海域の火山からの噴出物による海水の濁りを調査

虫籠を回収するローバ

なお、本調査の様子は、NHK Eテレ「サイエンスZERO “生態系が始まる大地”密着!西之島・生物調査」で2025年1月26日に放映された。
・再放送 2025年2月1日(土)11:00~11:30
NHKプラス(配信期限:2025年2月2日(日)23:59 まで)