
明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)では、一般の皆さまに現象数理学という学問分野を広く知っていただくため、定期的に現象数理学コロキアムを開催しています。現象数理学は私たちの身の回りの現象を研究対象としていますので、その研究内容や成果をなるべく分かりやすく発信する講演を目指しております。
今回は、以下のテーマで講演会を行います。どうぞ奮ってご参加ください。
※本講演は英語で行われます
講演テーマ
「Tetrahedral Liquids: From a Tale of Two Liquids to a Tale of Topology(四面体液体:水の2種類の液体状態に関わる位相幾何学的構造)」
講演者
Dwaipayan Chakrabarti 准教授(英国・バーミンガム大学 化学専攻)
講演概要
水(H2O)は、四面体液体の例として古くから知られています。水分子は、局所での四面体構造を取ろうとする性質を持ちます。他の四面体液体と同様に、水はさまざまな異常な熱力学的特性を示しますが、そのような異常特性は、水が低密度状態(low-density liquid: LDL)から高密度状態(high-density liquid: HDL)へと液液相転移(liquid-liquid phase transition: LLPT)することによると考えられてきました。しかし、いまだにこの相転移の存在は実験的には確認されていません。このため、一種類の水分子だけからなる液体中にどのようにして2種類の異なる状態が形成されるのかは、長らく解明されないままでした。
今回の発表では、階層的な自己組織化特性をもつコロイドモデルとして水分子を扱うことにより、LLPTにより生じる2つの水状態にどのようにアプローチしたかをご紹介します。本研究は、未解明の化学的な現象と数学(位相幾何学)との新たなつながりを示唆する研究でもあり、新たな異分野融合研究の端緒ともなる研究と考えます。
※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです
開催キャンパス等 | 中野 (会場:高層棟6階 研究セミナー室3) |
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期間 | 2025/08/19 |
時間補足 | 16:00~17:30 |
対象 | 一般 |
事前申込 | あり |
参加費用 | 無料 |
主催・共催 | 主催 :
明治大学先端数理科学インスティテュート、明治大学現象数理学研究拠点 |
問い合わせ先 | mims[at]mics.meiji.ac.jp([at]を @に変更) |
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