(上)構造力学研究室の学生グループと審査員 (下)建築構造研究室の学生グループ理工学部建築学科の構造力学研究室(小林正人教授)と建築構造研究室(富澤徹弥准教授)の学生グループが、一般社団法人日本建築構造技術者協会(JSCA)が11月29日に日本大学理工学部駿河台校舎で開催した「JSCAアイス棒タワーコンテスト 2025」 に出場し、「モテモテ賞」「エレガント賞」を受賞した。
このコンテストは、市販のアイス棒を用いて高さ1メートルのタワーを制作し、耐震性とデザイン性を競うもの。モテモテ賞は参加チームや来場者による人気投票で最も支持を集めた作品に、エレガント賞は強度と美しさを兼ね備えた作品に贈られる。企業に所属する構造設計の専門家も参加する中、本学学生の作品が評価された。
モテモテ賞を受賞したのは構造力学研究室の岡村知夏さん・土屋慶次郎さん・宮島光希さん(いずれも理工学部4年生)・足立将章さん(理工学研究科博士前期課程2年生)が制作した「流々――るる」。アイス棒を優しく編み込んで木材本来のしなやかさと温かみを引き出し、振動エネルギーがらせん構造に吸収される構造とした。
モテモテ賞「流々――るる」エレガント賞を受賞したのは建築構造研究室の武田丈さん・原碧波さん(いずれも理工学研究科博士前期課程2年生)・野末琉生さん(理工学研究科博士前期課程1年生)・山口昂希さん(理工学部4年生)・伊東佳純さん(理工学研究科博士前期課程2年生)が制作した「H-Wooden Tower」。アイス棒でH形鋼を再現することで、ねじれの大幅な抑制と高い耐震性能を実現し、塔状比の高い純ラーメン構造のタワーを作り上げた。
エレガント賞「H-Wooden Tower」両研究室では、建築物の免震・制振に関する研究開発や新たな構造設計法の創出に取り組んでいる。学生たちは高度な振動実験や構造解析を重ね、耐震性とデザイン性を両立させる設計力を養ってきた。こうした研究活動の成果が、今回の受賞につながった。
今後も両研究室は、美しさと快適性に加え、安全・安心を兼ね備えた建築物の実現を目指し、研究活動をさらに発展させていく。
受賞者のコメント
岡村さん(構造力学研究室)「流々――るる」
試行錯誤を重ねる中で、編み込みによるらせん形状にたどり着いた。その魅力が評価され、うれしく思う。投票してくれた皆さまに感謝したい。
武田さん(建築構造研究室)「H-Wooden Tower」
純ラーメンというシンプルな構造にあえて挑戦したことで、構造の魅力や奥深さを改めて実感する機会となった。


