
理工学部物理学科の楠瀬博明教授が、2024年度明治大学児玉圭司「願晴る」研究振興賞を受賞し、7月28日、駿河台キャンパス・紫紺館で授賞式が行われた。この賞は、校友の児玉圭司氏(1957年経営学部卒)による寄付を原資として創設されたもので、過去5年間の国際研究論文における発表数や被引用数などに基づき、研究で顕著な成果を挙げた教員を表彰するもの。楠瀬教授の研究分野は物性理論、磁性・超伝導理論。日本物理学会欧文誌に掲載された論文2件が2024年の「被引用数トップ10」に選出されるなど、世界的に高い評価を受けている。
授賞式では、表彰状と目録の贈呈に続いて上野正雄学長が祝辞を述べた後、児玉氏が登壇。振興賞の名前に冠した「願晴る」という言葉が「願いを込めて晴れやかに努力する」という造語であることを紹介した上で、「楠瀬教授は研究分野の第一人者。最先端の研究に触れられる研究室は、学生らにとっても素晴らしい環境」と教育面での貢献にも言及した。
表彰を受け、楠瀬教授は「役に立つかどうかを先に考えるのではなく、自分が楽しんで取り組んだことが結果として役に立つとよい。今回の受賞は、そうした姿勢を“願晴っている”と評価いただいたものと受け止めている。これを励みに、今後も願晴っていきたい」と今後の研究生活への意気込みを語った。