井田正道所長(政治経済学部教授)社会科学研究所は11月8日、駿河台キャンパス・リバティホールで第36回社会科学研究所公開講演会「続・アメリカはどこへ向かうのか――第二次トランプ政権から考える」を開催した。本イベントには、若年層から高齢層までの幅広い世代となる約250人の来場者が集まった。
昨年大盛況となった第35回シンポジウム「アメリカはどこへ向かうのか ―2024年アメリカ大統領選挙を受けて」の続編として開催された本講演会は、昨年大統領に就任したドナルド・トランプ氏の第二次政権を分析する趣旨で開催。冒頭、井田正道所長(政治経済学部教授)のあいさつに続き、昨年同様、3人の研究者による報告が行われた。
第一報告者の海野素央政治経済学部教授は、今後の日中関係について触れた後、主に内政面から第二次トランプ政権を読み解いた。同教授は、「MAGA(Make America Great Again:米国を再び偉大にするを標榜したトランプ政権支持者層)」と「非MAGA」の分断が水面下で進行していることや同政権がメディア戦略によって「恐怖による政治」を行おうとしているとの指摘を、自身の米国での体験談を交えて解説した。
第二報告者の杉田弘毅政治経済学部特任教授(共同通信客員論説委員)は、「トランプ外交を採点する」と題して、ファミリー外交、ビジネス優先、一貫性の欠如といった特徴を挙げ、同政権の外交姿勢を解説した。
第三報告者は、商学研究科の藤森浩樹兼任講師が登壇。「米国経済と第二次トランプ政権の経済政策〜トランプ関税を中心に〜」と題して、アメリカ経済の現状とトランプ氏の経済政策、米国経済の今後の行方について講演。同教授からさまざまな経済指数が示されるとともに、「共和党地盤の州における経済的な発展が加速するだろう」といった見通しが指摘された。
報告後は、大統領選挙直後に行われた前回同様に活発な質疑応答が行われ、参加者の関心の高さがうかがえた。(社会科学研究所)


