
明治大学は2月15日、駿河台キャンパスで、明治大学発ベンチャーの株式会社ポル・メド・テックと公開シンポジウム「異種腎臓移植の臨床応用への期待とそれに伴う社会的課題」を共催し、医療関係者や腎不全患者、その家族、報道関係者など120人が参加した。
日本の腎移植はドナー不足により平均待機期間が約15年となっており、透析治療を続ける患者のQOL向上に向けた選択肢として、異種腎移植に関する動向が注目されている。異種腎移植は、拒絶反応が出ないよう遺伝子を改変したブタの腎臓を移植する手法。米国のイージェネシス社(eGenesis)などが臨床応用を進め、2例で24週にわたる透析離脱に成功している。
本学では、農学部の長嶋比呂志教授が設立し、初代所長を務めた明治大学バイオリソース研究国際インスティテュートがドナーブタの製造・育成に関する研究開発を進めてきた。長嶋教授がCEOを務めるポル・メド・テックは、イージェネシスが臨床応用に用いたドナーブタのクローン個体の国内生産に成功しており、日本でも臨床応用が実現する可能性がある。本シンポジウムは、異種腎移植を取り巻く最新の情報を一般公開するために開催された。
第1部では、長嶋教授のほか、マサチューセッツ総合病院で異種腎移植手術を執刀した河合達郎氏(ハーバード大学医学部外科教授)、田邉一成氏(徳洲会湘南鎌倉総合病院腎移植・ロボット手術センター長)、堀田記世彦氏(北海道大学大学院医学研究院准教授)、神里彩子氏(国立成育医療研究センター医事法制研究部長)が講演。遺伝子改変ドナーブタの特徴、米国の先行事例、臓器不足の現状、透析患者のQOL向上への期待、臨床応用を巡る社会的課題などが語られた。第2部の総合討論では、参加者も交えた質疑応答を実施。異種腎移植の臨床応用に向けた現状と論点について、医療関係者や患者、一般市民が認識を共有する機会となった。
講演する長嶋教授

