
政治経済学部・奥山雅之ゼミナールの2チームが11月22日、「第10回SDGs学生小論文アワード」by 住友理工(審査委員長:高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授)にて、大賞および優秀賞を受賞した。
小論文の募集テーマは「『オープンイノベーション』で社会課題を解決するには」。「オープンイノベーション」とは、1つの組織だけでなく、複数の企業や自治体、大学、NPO等が連携して、課題解決などの新たな価値を創出することを指す。社会課題の解決と事業の収益性を両立するために、どのような視点でオープンイノベーションに取り組めば良いか、今後の社会、環境、経済の変化を踏まえて、学生ならではの視点での提案が募集された。論文の文字数は9500~10500字で、識者による選考会を経て、大賞(2作品)、優秀賞(3作品)の合計5作品が選ばれた。
奥山雅之ゼミナールの受賞者と論文タイトル
受賞者 | 論文タイトル |
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<大賞受賞チーム> 儘田咲、庄野花衣、永瀬翔大 (共に奥山ゼミ3年) |
「プロデューサーシップで推進する地域のオープンイノベーション」 |
<優秀賞受賞チーム> 山口彩花、石井翔、阿部ひなた (共に奥山ゼミ3年) |
「『思いやり』からはじまるオープンイノベーションと地域創生」 |
大賞に選ばれた論文「プロデューサーシップで推進する地域のオープンイノベーション」は、プロデューサーシップ(※)を軸に活動しているNPO法人ZESDAの富山県での取り組みを先行事例とし、ゼミ活動の一つである福井県南越前町の特産品「つるし柿」販売促進の実証実験を通じて、プロデューサーが産業の開発・発展の鍵を担っていることを示した。
優秀賞に選ばれた「『思いやり』からはじまるオープンイノベーションと地域創生」は、ゼミ活動の一環として実施した、福島県大熊町におけるキウイの廃棄部分を活用したアップサイクルの事例を取り上げた。地域創生に向けたオープンイノベーションを実現していく上で、「思いやり」によって活動の円滑化やスピードアップが促進されるだけでなく、「思いやり」という共通資源が協力体制の基盤を確立するという、「二重の思いやりの構造」が重要であることを示した。
※ プロデューサーシップはNPO法人ZESDAの登録商標。「複数の分野にある程度目利きができる能力(マルチ・リテラシー)を持ち、組織や業界を横断して、イノベーターと共に新しい事業を創造するリーダーシップ」を意味する(特定非営利活動法人 ZESDA(日本経済システムデザイン研究会))
(政治経済学部事務室)
受賞各チーム代表者のコメント
儘田咲さん:現在、日本では産業の担い手不足が深刻化しており、地域経済の衰退が示唆されています。私たちは、オープンイノベーションが起こりにくい現状に問題意識を向け、幅広い人脈と知見を兼ね備えたプロデューサーが、異なる資源や人材を結び付け、新たな価値を創造する「プロデューサーシップ」の推進を提案しました。今回の経験を糧に、変化する時代と共に自分自身も成長できるよう、精進してまいります。
山口彩花さん:私たちはゼミ活動を通じて、地域創生においてオープンイノベーションが非常に効果的であり、その成功に「思いやり」が重要な役割を果たしていることに気付きました。そして、「思いやり」は活動を円滑に進めるだけでなく、協力体制を築くための共通の基盤にもなることを示しました。今回の受賞を励みに、今後も「思いやり」を大切にし、地域創生に貢献できるよう一層努力してまいります。
