
経営学部・中西晶ゼミナールは北海道仁木町との産学連携プロジェクトで、同町の名産品であるブドウを醸造したスパークリングワイン「蝦夷泡IC2024」を完成させた。
この取り組みは、経営心理学の視点を活用した地域活性化の実践的研究として、2023年度から進められてきたもの。人口減少や少子高齢化といった課題に直面する仁木町の地域資源を生かし、農業と地域活性化の両立を目指す地方創生のモデルケースとして関心を集めている。
中西ゼミは、仁木町の小規模ワイナリー「ドメーヌ・イチ」でカスタムクラッシュ(委託醸造)を実施。仁木町名産の「ナイヤガラ」特有の華やかな香りと細やかな泡立ちのスパークリングワインを開発した。自然酵母による発酵で、フレッシュで親しみやすい風味を実現し、祝いの席から日常の食卓まで幅広い場面で楽しめる一本に仕上がった。
ボトルには、ゼミ生がデザインしたラベルを採用。中央に記されたドメーヌ・イチのブランド「蝦夷泡」の文字には「中西」の文字が隠されており、ドメーヌ・イチとの共同開発を象徴している。
「蝦夷泡IC2024」は、本学ホームカミングデーの抽選会をはじめ、同ゼミが参画する各地のイベントなどで提供された。髙木俊雄・横浜市立大学教授(2002年経営学研究科修了)が経営するかけわ株式会社での委託販売では、30本以上の在庫が完売するなど、好評を博した。
中西ゼミでは、地域住民との対話や協働を通じて得た知見を基に、消費者心理やブランド認知の観点からの検証も進めている。今後も、学術的知見を生かした社会的実践を重ねていく。


