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2024.12.01

“文武両道”スイマー 学生の頂とその先へ(水泳部競泳部門 吉田悠真)

水泳部(競泳部門)スポーツ

第651回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文/寺井 和奏(政経1) 写真/中川 美怜(文2)

一度は表舞台から姿を消したスイマーが、再び――。高校時代はタイムが伸びず、選手人生に限界を感じた吉田は、3年の夏に引退を決意。力を入れていた学業に専念するための前向きな決断だったが、水泳の神はそう簡単に彼を見放さなかった。

明大に進学すると、高校の先輩・松山陸選手(2024年商卒・現銀座千疋屋)から水泳部への誘いを受ける。当初は水泳に復帰する意思はなかったが「(水泳を)辞めて、勉強に打ち込んでいても、やはり暇になった」とプールに戻ることを決心した。第2の水泳人生の開幕だ。

トップレベルのスイマーが集う中での異例の一般入部。自宅から片道2時間かけて通っていたことも相まって、現実はそう甘くはなかった。「周回遅れは当たり前。練習中に監督に止められて、『おまえ、ちょっと休め』と言われることも多かった」と当時を振り返る。昨年度の夏には寮生活をスタートし、環境を一変させるも「2年経っても自己ベストが出なかったら辞めよう」と、将来を見据えて選択した教職課程の授業と両立しながら、“なんとなく”水泳を続けてきた。

そんな吉田の水泳に対する意識を変えたのは、昨年度の日本学生選手権(インカレ)だった。「来年はここで泳ぐ」。この思いを胸に、自己分析を意識した練習を開始すると、見事に花開き、今年度のインカレでは2種目でレギュラーを勝ち取る偉業を達成。さらに予選では高校時代のベストを4秒も上回る圧巻の泳ぎを魅せた。

次の目標は、国際大会代表選考会でのワールドユニバーシティゲームズの代表選抜。インカレで廣島偉来(政経4=淑徳巣鴨)に続く準優勝を果たした吉田は、廣島が卒業した時点で、学生1位となり、選抜基準を満たすこととなる。その座を守り切り、世界の舞台へ飛び込めるか。可能性は無限大だ。

(よしだ・ゆうま 農2 春日部共栄 175cm・70kg)

明治大学広報第792号(2024年12月1日発行)掲載