第656回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文/橋本 太陽(法学部3年) 写真/髙橋 未羽(政治経済学部3年)
2023年四大陸選手権で史上最年少優勝を果たし、フィギュア界の最前線に躍り出た三浦佳生。全身を使って繰り出す、豪快なジャンプとスピード感を武器とし、付いた異名は“ランボルギーニ”。次世代を担うホープとして、注目度は今なお上昇中だ。
だが、明大に進学し迎えた2024-25年シーズンは、終盤にかけて苦い記憶が残った。優勝を狙った12月の全日本選手権(全日本)では8位に終わり、世界選手権への切符をつかめず。太もものケガの影響もありジャンプの着氷に精彩を欠き、演技後には手で顔を覆った。「自滅のシーズン」。そう一言、自身に厳しい評価で総括した。
そんな中、26年2月のミラノ五輪開幕まで残り1年を切った。日本男子シングルに与えられた出場枠は3枠。今年秋ごろから始まるGPシリーズ、年末の全日本などの成績が選考対象となる。「どの試合でも結果が求められてくる」と、気持ちも新たに前を向いている。
2025-26年シーズンは4種の4回転ジャンプの導入を理想とし、「これぞ自分でしょ、というプログラム」を実施すると意気込む。「自分は『応援していてドキドキするランキングの上位に入ってくる系のスケーター』だと思っているので、そういう思いをさせないぐらいの安定感のあるスケートをしたい」と、力強く宣言した。氷上を支配するその大きな滑りで、五輪の夢をつかんでみせる。
(みうら・かお 政治経済学部2年 目黒日大高校 168cm・58kg)
明治大学広報第797号(2025年5月1日発行)掲載