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駿風
2026.05.01

「駿風」2026年5月

最近の学生を見ていると、生成AIに頼りすぎているのではないかと思うことがある。例えば、就職活動のエントリーシート(ES)でも、生成AIに依存している学生が少なくない。ESは、書き手の気持ちが入っていなければ、採用担当者が目を留め、じっくり読もうという気にはなりにくい。生成AIにドラフトを書いてもらったとしても、最後は自分の言葉で全て書き直すくらいの姿勢で、気持ちを込めて書く必要がある。

研究においても、従来どのような研究が行われてきたかを調べる負担は、以前より小さくなった。しかし、従来法やその課題が分かったとしても、新たな課題をどう解決するかは、自分で仮説を立てて検証していくしかない。少なくとも現時点の生成AIは、基本的にはTransformerという技術によって、膨大な過去の文章の中で、ある言葉の次にどのような言葉が来る確率が高いかを基に文章を作っているに過ぎない。

ESに書く自分の気持ちは、過去の誰かの気持ちではない。研究における仮説も、誰もやっていないことにこそ意義がある。超知能が存在しない現状では、人間らしい創造性を発揮することの重要性を意識させていきたい。

明治大学広報第809号(2026年5月1日発行)掲載