駿風
2026.02.01
「駿風」2026年2月
最近の生成AIの性能向上には、目を見張るものがある。ペットの猫の写真を入力し「この猫が筋トレしている動画を作って」と頼むと、程なくして両腕でバーベルを持ち上げる、ひょうきんな動画が生成された。毛並みの細部までリアルなものだった。これではフェイク動画が容易に作れてしまい、動画が本来持っていた真実性は早晩失われてしまう。ニュース映像を見てもにわかには信じられない世の中が、すぐそこに迫っている。
大学のゼミや授業も、様変わりの予感がする。外国文献のデジタルデータを丸ごとAIに入力すれば、要約レジュメだけでなく、印象的なイラスト入りの説明スライドが十数枚、あっという間に生成される。学生が1週間かかりきりでようやく到達できる水準の成果を、AIはわずか10分足らずで成し遂げる。学生は地道な勉学からますます遠ざかっていくだろう。
一方、教員になった卒業生は、AIに問いかける質問(プロンプト)を生徒に考えさせ、その問いが的確かどうかをAI自身に採点させるシステムを作成した。なかなかの出来栄えであり、AIと共に学ぶ時代の到来を実感させられた。
明治大学広報第806号(2026年2月1日発行)掲載
