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2025.01.01

ひたむきな努力が実を結ぶ 大器晩成の守護神|スケート部アイスホッケー部門 渡邊周

スケート部(アイスホッケー)スポーツ

第652回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文・写真/倉田 泰(国際日本学部3年)

今年度から、先発GKとして明大のゴールを守る渡邊。春の秩父宮杯関東大学選手権では好セーブを連発し、2年ぶりの優勝に貢献した。しかし、渡邊は昨年度まで出場機会はほとんどなく、ここまでの道のりは決して平たんなものではなかった。

渡邊がアイスホッケーを始めたのは幼稚園年中の頃。東京のクラブチームで、小学2年時からGKとしてのキャリアを歩み始めた。しかし「関東には井口(藍仁・商学部3年=埼玉栄高校)など上手な選手が多くて、ダブルスコアで負けることも。楽しくないことの方が多かった」。それでも、高校は北海道の強豪・武修館高への進学を決意。「キーパーとしてうまくなりたいと思っていたから、結果は後からついてくると頑張れた」。GKとしての鍛錬を積むべく、単身で北海道へ渡った。

高校では練習の質が格段に上がり、初めは慣れない環境に苦労した。それでも「両親の支えがあったから途中で辞める選択肢は絶対になかった。応援してくれているからこそ、最後までやり切ろうと考えて過ごした」と必死に練習に打ち込んだ。しかし、高校最後のインターハイでは、1年生が先発GKとして試合に出場。チームは優勝したものの、渡邊は出場機会に恵まれず悔しさを味わった。

明大に進学した渡邊であったが、1学年上の中村柊志綺(2024年政治経済学部卒)が常に先発GKとしてゴールを守り続けていた。出場機会は多くなかったが「何度かチャンスをもらう中で、結果を残すことは徹底して意識していたし、そのための準備もやっていた」と諦めることなく努力を続けた。そして、ついに4年生で先発GKとしてチームの勝利に欠かせない存在へと成長。これまでの努力が実を結び、ラストイヤーで花開いた。今年度の明大ゴールはそう簡単には破られまい。

(わたなべ・あまね 文学部4年 武修館高校 173cm・71kg)

明治大学広報第793号(2025年1月1日発行)掲載