第673回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文/大島 菜央(文学部3年) 写真/吉嵜 帆奏(文学部2年)

疾走感あふれるスケーティングでリンクを魅了する氷上の“ランボルギーニ”こと三浦佳生。高校2年時に史上最年少で四大陸選手権を制するなど、シニアデビュー当初から結果を残してきた実力派だ。ケガの影響もあり昨シーズン前半は不調に苦しんだが、GP(グランプリ)シリーズカナダ大会で銅メダルを獲得。メンタルトレーニングをきっかけに徐々に調子を取り戻し、ミラノ・コルティナ五輪代表の選考で大きなウエイトを占める全日本選手権(全日本)での表彰台入りが期待された。
4度目の出場となった全日本で、三浦を襲ったのはかつてない緊張だった。「(周りを見ないように)イヤホンをどれだけノイズキャンセリングにしていても、歓声が少し聞こえてくる。(前の人の結果が)何となく分かってしまう」。五輪への切符が懸かった極限の舞台で、それでも三浦は“らしさ”を見失わなかった。シーズン開始からこだわってきた4回転4本という高難度の構成を変えずFS(フリースケーティング)に挑み、3位に入賞。初の五輪代表に選出された。その五輪では総合13位。SP(ショートプログラム)で22位発進となるも「できることだけしっかりやって、1個でも順位を上げよう」と、FSで巻き返した。
昨シーズンの全日本金メダリスト・鍵山優真(オリエンタルバイオ)が休養で不在の今シーズン。次のフランス・アルプス五輪へのカウントダウンが始まるシーズンでもある。目指すは4年後、再び夢の舞台へ。三浦は新たなスタートを切る。
(みうら・かお 政治経済学部2年 目黒日本大学高校 168cm・58kg)
明治大学広報第814号(2026年10月1日発行)掲載


