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2024.06.20

資料映像『女性法曹界の道を拓いた人々―明治大学専門部女子部の足跡』上映会とトークイベントを開催 (情報コミュニケーション学部ジェンダーセンター)

虎に翼
女子部開設に尽力した穂積重遠について語る吉田氏(写真左)と細野名誉教授

情報コミュニケーション学部ジェンダーセンターは5月30日、駿河台キャンパス・グローバルフロントで、資料映像『女性法曹界の道を拓いた人々―明治大学専門部女子部の足跡』の上映会とトークイベントを開催した。上映後に行われたトークイベントは、本イベントを企画した元情報コミュニケーション学部長の細野はるみ名誉教授と、同映像の制作に携わった元情報コミュニケーション学部教授の吉田恵子氏が登壇した。

この資料映像は、女性の社会参加が非常に制限されていた昭和初期に、明治大学が将来の女性の活躍を見据えて開設した「専門部女子部」の開設の経緯や社会的意義を探ったもの。女子部は良妻賢母型の女子教育が主流の時代にあって異色の存在で、現在放送中のNHK連続テレビ小説『虎に翼』の主人公の出身校「明律大学」のモデルとして知られている。

吉田氏は女子部の開設やそこでの教育に携わった男性の尽力、そこに集まった学生たちの出身階層、三淵嘉子などそのチャンスを生かして法曹界で活躍した女性たちの実像、またそれを生み出した当時の時代の 趨勢 (すうせい) などについて述べた。細野氏は、戦争末期から戦後にかけての新憲法下での教育体制の変化により男女共学が可能になったこと、紆余曲折を経て女子部は短期大学となったこと、さらに女性の進学率上昇、キャリア志向などにより閉学に至った経緯など、女子教育の変遷について述べた。

上映会には卒業生をはじめ現役学生や教職員ら60人以上が参加し、終了後には客席にいた卒業生の横溝正子弁護士から『虎に翼』の制作に至る経緯が明かされると、会場からは大きな拍手が送られた。

ジェンダーセンターは、女子部の女子教育史上に果たした役割の意義を継承し、さらに時代に先駆けた研究を追求していく機関として設置された。現在、「ジェンダー」「ダイバーシティ」「承認」の3つの軸を掲げて、柔軟な学際的視点からジェンダー研究・教育・社会連携活動を行い、共生社会の実現を目指している。(情報コミュニケーション学部事務室)