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大学動向
2026.01.01

柳谷理事長・上野学長 新春対談「明治大学の未来を語る」――創立150年、その先へ

柳谷理事長(左)、上野学長

新年のごあいさつ

柳谷孝 理事長(以下:柳谷) 新年あけましておめでとうございます。本年の干支は「丙午(ひのえうま)」です。「丙」が象徴する太陽の明るさや強いエネルギー、「午」が持つ勢いと勇敢さから、「強い意志と行動力で道を切り拓く年」といわれています。本学もアジアのトップユニバーシティを目指し、2026年をさらなる飛躍の年にしたいと考えています。

さて、私たちの生活は、生成AIなどの革新的な技術の進展により利便性が増す一方で、世界では分断が加速し、不透明感と緊張感が高まっています。こうした時代に求められているのが、既存の価値観や枠組みにとらわれず、多様な視点を持って他者と協働する能力「Wedentity(ウィデンティティ)」です。最近言われ始めたこの造語は、明治大学が創立以来受け継いできた「同心協力」の精神と相通じるものがあると言えます。本学は、強い「個(Identity)」と「Wedentity」を兼ね備えた卒業生を社会へ送り出すべく、教学と法人が一体となって取り組んでまいります。

上野正雄 学長(以下:上野) あけましておめでとうございます。私は一昨年9月、創立者の一人、宮城浩蔵先生の出身地である山形県天童市を訪れました。天童市は将棋駒の名産地です。縁起駒の「左馬」と2026年の干支「午」にちなんで、本年が「(うま)()()く」年となることを願っております。

さて、昨年2月に文部科学省が公表した「我が国の『知の総和』向上の未来像~高等教育システムの再構築~(答申)」では、「一人一人の能力を高めること」が、日本の高等教育の重要課題として示されました。明治大学は創立以来、建学の精神「権利自由、独立自治」の下で、強く豊かな“個”を結び付け、新たな価値を創造する教育を行っています。人間力を生かし、社会課題を発見して向き合い、解決へと導く人材育成に、今後も力を尽くしてまいります。

2025年を振り返る――環境の整備と未来への布石

新校舎、施設整備計画、系列校拡大――大学の“基盤づくり”が進んだ一年

柳谷 施設整備面では、生田キャンパスに11年ぶりの新校舎「センターフォレスト」が竣工しました。この校舎は、教室・図書館・ラーニングコモンズの3機能を複合した、理工学部と農学部の共用教育棟です。多様な学びを促進し、「研究のMEIJI」として世界でのプレゼンスを高めていくための要所となることが期待されています。学生たちからも好評で、キャンパス滞在時間も大きく伸びています。建設に当たっては、1928件・総額2億5500万円ものご寄付を賜りました。法人を代表し、厚く御礼申し上げます。

2031年の創立150周年記念事業も動き出しました。2024年11月には山の上ホテルの土地・建物の取得、12月には駿河台キャンパス総合施設整備計画「SURUGADAI 6.0」を公表し、昨年3月には、箱根駅伝優勝を目指す「紫紺の襷プロジェクト~Mの輝きを再び~」を上野学長から公表しました。さらに昨年末には記念事業実行委員会を立ち上げ、その他のプロジェクトを含む全体のプランニングや予算配分を検討しています。記念事業や寄付の取り組みについて発信する創立150周年記念事業オフィシャルプレサイトも公開しておりますので、ご覧いただければ幸いです。

こうした記念事業をはじめとする大学のさまざまな事業を支えるのは、健全な財務基盤です。企業の純利益に相当する基本金組入前当年度収支差額は、2016年以降着実に増加しまして、一昨年度・昨年度と2年続けて「MEIJI VISION 150-前へ-」で掲げた50億円という目標を上回りました。今後もこの水準を安定的に達成できる財務基盤の構築に取り組んでまいります。

本年4月には、日本学園中学校・高等学校が「明治大学付属世田谷中学校・高等学校」と校名を変更して男女共学化し、新たに本学の系列校に加わります。今後18歳人口が急速に減少し、大学淘汰の時代を迎える中、優秀な学生を早期から確保し育てていく体制は大学にとって大きな力となりますので、伝統ある同校を系列校として迎え入れることができ、大変うれしく思っております。

国際情勢の影響、学びの自由、教学改革――“大学の存在理由”を問う一年

上野 2025年は、国際社会の変動が教育・研究の場にも大きく影響した一年でした。アメリカの入国制限や関税政策は、研究や学びの越境を抑制し、「アカデミック・フリーダム(学問の自由)」が揺らぐ状況を生じさせました。

一方で、本学では、戦禍を逃れて来日したウクライナ人学生5人が、祖国を離れざるを得なかった困難な状況の中で学びを修め、9月に無事に卒業を迎えました。彼女らを迎え、共に学びの場を築いたことは、平和の尊さを改めて実感するとともに、「国籍・宗教・文化的背景・性別を問わず、異なる知識や経験を持つ人々が同じ場で学び合い、互いの人権を尊重する」という明治大学の方針を体現できた出来事でもありました。

大阪・関西万博では、3大学の創立に関わるボアソナード博士を縁として、法政大学・関西大学と共にダイバーシティをテーマとしたシンポジウムを開催しました。これらを通じて、私たちは「知の交流」と「知の継承」の重要性を再確認するとともに、建学の精神である「権利自由、独立自治」に基づく、自他の“個”を尊重することの大切さを改めて認識し、その実現に向けて思いを新たにしました。

学長室としては、副学長と学長室専門員を中心に、学長方針に基づいて教学施策の具体化を進めてきました。起業・スタートアップ支援室の開設、副専攻プログラムやサバティカル研究制度の導入、URAセンターの設置など、教育・研究の両面で新たな環境整備が進んでいます。

また、今後の18歳人口の減少を見据え、明治大学の今後の在り方を検討しています。社会から求められる人材を輩出するためには、教育・研究の質の一層の向上はもとより、中学・高校・大学・大学院・社会との接続を意識した、一体的な体制を整備することが求められます。今後もこれらの議論をさらに深化させ、明治大学の未来を確かなものとしていきたいと考えています。

創立150周年記念事業

歴史を受け継ぎ、未来を拓く――「山の上ホテル」の継承

柳谷 山の上ホテルの土地・建物の取得は、テレビや各種ニュースサイトで取り上げられ、想像以上に大きな反響がありました。

山の上ホテルは、1937年に本学校友の佐藤慶太郎氏によって「佐藤新興生活館」として建てられ、1954年にホテルとして開業しました。神田・神保町に近い土地柄、出版社が多いことから、川端康成や三島由紀夫をはじめとする数多くの文豪に愛されたホテルとなりましたが、一昨年2月に惜しまれながら休館することとなりました。

佐藤氏は、1890年に本学の前身である明治法律学校を卒業し、その後、石炭商や炭鉱経営で大成功を収めました。そして、アメリカの鉄鋼王カーネギーの「自ら築き上げた財産は社会からの預かり物であるから、すべて社会に還元するのだ」という言葉に感銘を受け、社会奉仕に熱心に取り組みます。日本初の公立美術館である上野の東京都美術館の建設や、NHK連続テレビ小説「虎に翼」の主人公のモデルとなった三淵嘉子らが学んだ明治大学専門部女子部の校舎建設にも多額の寄付を行っています。このたび本学が山の上ホテルの土地と建物を取得したことには、佐藤氏を介したご縁があったのだと思います。

今後は、現在の外観を維持しつつ、必要な改修工事を施した上で、専門業者と連携しホテル機能を継続させるとともに、学生支援、地域連携、社会連携などにも利活用できるよう検討しています。既に昨年8月より改修工事に着手しており、2027年4月には工事を終える予定です。建物名称は「創立150周年記念山の上記念館」とし、本学の新たなシンボルとして、未来へ継承してまいります。

駿河台キャンパスをアジアのハブへ――総合施設整備計画「SURUGADAI 6.0」

柳谷 駿河台キャンパス総合施設整備計画「SURUGADAI 6.0」は、猿楽町地区の老朽化した校舎を中心に、キャンパス全体に及ぶ施設の建て替えと改修を14年の期間をかけて行うプロジェクトです。創立150周年に向けて明治大学のあるべき姿を定めた「MEIJI VISION 150-前へ-」の中核的なプロジェクトとして、全学的に検討を進めてきました。

本プロジェクトでは、建物施設という物理空間とIT等を活用した仮想空間を融合した次世代型キャンパスとして、アジアのハブとなるキャンパスを目指してまいります。また、中野キャンパスに現在展開している全機関を、10年後をめどに駿河台キャンパスへ統合します。国際日本・総合数理学部を有する中野キャンパスと、法・商・政治経済・文・経営・情報コミュニケーション学部を有する駿河台キャンパスの融合によるシナジー効果で、今までにない学際的かつ先進的な教育・研究の場が誕生します。

なお、事業名称の「6.0」についてですが、1881年に当時の麴町区有楽町で明治法律学校を開設したことを本学の「1.0」段階とし、その後の移転や記念館、リバティタワー竣工などを大きな節目と捉えると今回の計画は「5.0」となるのですが、物理空間と仮想空間の融合という大きな転換期である点に鑑み、「5.0」を超えて「6.0」とした次第です。

本プロジェクトを推進するため、昨年9月から「創立150周年記念事業募金 駿河台キャンパス整備プロジェクト」の寄付募集を開始しました。寄付者銘板などはもちろんのこと、さまざまな返礼品もご用意しておりますので、ご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

箱根駅伝優勝へ――「紫紺の襷プロジェクト~Mの輝きを再び~」

柳谷 創立150周年である2032年1月に、1949年以来の箱根駅伝優勝を目指す「紫紺の襷プロジェクト~Mの輝きを再び~」を上野学長から公表しました。法人としましては、この壮大な挑戦を支援するため、当プロジェクトについても創立150周年記念事業募金として寄付募集を開始しております。

本学のスクールカラーは「紫紺」です。1915年、校旗を制定するに当たり当時の木下友三郎校長が、本学のさらなる発展を願い、聖徳太子が定めた「冠位十二階制」で最上位の色として位置付けられていた「(こき)(むらさき)」を採用したのが始まりです。

沿道やテレビで選手たちを応援いただくことはもとより、寄付という名の紫紺の襷をつないでいただけますよう、お力添えを何卒よろしくお願い申し上げます。

上野 2032年新春、紫紺の襷をかけ、胸に“M”の文字を刻んだ明治の学生が、大手町のゴールテープをトップで切る――その瞬間を、学生・父母・校友・教職員をはじめ、本学に関わる多くの皆さまが待ち望んでいます。

昨年4月に大志田秀次駅伝監督を迎え、箱根駅伝優勝を目指す「紫紺の襷プロジェクト」をスタートさせました。昨年の予選会では惜しくも本戦出場を逃しましたが、予選会終了後の選手たちの目に宿った力強さは、襷がつながっていることを実感させるとともに、目標の実現に期待を持つことができるものでした。

明治のランナーを箱根へ、そして頂点へ導くため、今こそ明治大学が一丸となる時です。再びその舞台に紫紺の襷が輝く日を迎えるため、そして創立150周年を祝うにふさわしい新春を共に迎えるために、皆さまの温かいご支援を心よりお願い申し上げます。

大学ガバナンスの強化

求められる“透明性”と“実効性”

柳谷 近年、学校法人のガバナンスに厳しい目が向けられ、昨年4月に改正された私立学校法においては、内部統制システムを整備することが義務付けられました。

本学においては、経営活動を透明化し、健全な経営と成長を促進する活動の一つとして、内部統制システム整備の基本方針を定めています。この基本方針に基づき、経営に関する管理体制をはじめ、コンプライアンスの推進、リスクマネジメント体制の構築、監査環境の整備など、法人として、より適正に、実効性のある体制の構築と運用に努めているところです。

また、本学が従前より不文律として保持していた倫理観を明文化するものとして「倫理憲章」を制定するとともに、本法人を構成する全ての者が遵守することにより、社会からの信頼を維持するために必要となる具体的な行動を示すための「行動規範」も昨年10月に制定しました。

一方、これらの整備・運用が適切に行われているかの確認は、学内者による点検だけでは十分とは言えません。そのため、委託業者による外部評価(コンサルティング)を実施し、本学の内部統制システムを一層強化そして実質化してまいります。

新たな教学施策

副専攻プログラム――“もう一つの強み”を育てる

上野 現代社会における多くの課題は、単一の視点だけでその全貌を正確に捉えられるものではありません。複数の視点・専門分野の見識に基づき観察し、捉え、問い直す力が求められます。何が問題なのかを見いだし、問いを立てる――この力こそが、社会において必要とされる人材の素養だと考えています。

副専攻プログラムは、このような考えに基づき、所属する学部・専攻分野の枠を超えて、異なる視点や分野を学ぶための仕組みとして、本年4月から導入するものです。

このプログラムでは、学生は自らの専攻を深く学びながらも、そこにとどまることなく、異なる分野=他学部の授業を履修できます。また、所定の要件を満たすことで、副専攻を修了したことを証明する「修了証」を取得できます。専攻する領域を軸に据えながら、複眼的な視点を養い、異なる知の接点に立って思考する経験を積む。そうした取り組みこそが、変化の激しい今日の社会において「何が問題か」を見極め、社会に発信する力を鍛えることができると考えています。

本学の10学部16研究科という基盤は、まさにこのプログラムの強みです。領域を横断した履修機会を整えることで、異なる知の交差点に身を置くことが可能になります。そうした学びの環境を、学生一人一人に還元し、「明治で学ぶ意義」を体感してもらいたいと考えています。

さらに、この副専攻プログラムを通じて得られる「修了証」は、単なる履修記録にとどまらず、学生が視野を広げ、学びを深めたという成果を社会に対して示す証しとなります。就職活動や大学院進学といった場面でも、一つのアピール材料となるでしょう。

学生に伝えたいことは、ぜひこの副専攻プログラムを“守備範囲を広げる機会”と捉えてもらいたいということです。専攻という“自分の軸”をしっかり据えながらも、もう一つの“別の軸”を持つことで、交差点に立って考える力、問いを立てる力、そしてそれを社会へとつなげる力が身に付いていきます。学びをひとえに専攻内に閉じず、学びの幅を自ら広げることで、多様かつ複雑な社会への応答力を養ってもらいたいと考えています。

URAセンター ――研究環境を支える“伴走者”

上野 研究は、教育・研究機関としての明治大学を明治大学たらしめる根幹の一つであり、研究力の強化は教育力の充実と一体不可分のものと考えています。そのため、研究活動の活性化と研究成果の社会還元を推進するべく、研究支援体制と研究環境の整備を進めてきました。これまで、教員が研究に専念できる環境を整えるために、バイアウト制度やPI人件費支出制度などを導入してきましたが、本年4月からは、教員が国内外での研究に集中し、個々の研究力向上を図る機会を拡充するため、これまでの制度を統合・発展させ、新たにサバティカル研究制度を導入します。

さらに、先進的・独創的な研究を安定的かつ継続的に発展させることを目的として、本年4月から「明治大学リサーチ・アドミニストレーションセンター(URAセンター)」を開設します。

リサーチ・アドミニストレーター(URA)は、研究環境を支える伴走者として、競争的外部資金の獲得支援や研究戦略の立案、共同研究・産学官連携・国際共同研究の推進支援、研究環境の維持・向上の諸施策の推進支援、プロジェクトの評価対応などの支援、発信力強化支援など、多面的に研究活動を支える高度専門職で、研究を推進する大学にとって欠くことのできない存在となっています。明治大学では、URAの導入に当たり、多様な研究スタイルと支援対象の双方から必要性を検討し、URAによる支援が必要とされる領域から段階的に整備していく方針としました。今後は、URAと、これまで行政手続きや研究費の管理などの実務や支援を担ってきた職員が協働し、それぞれの専門性や知見を生かして研究支援体制を大学全体へと広げていきます。

こうした取り組みを通じて、10学部16研究科の叡智が有機的に結び付き、自然・社会・人文・応用科学の各分野と、社会における実践知がしなやかに、かつ緊密に連携する研究体制を築いていきたいと考えています。

今後も、既存の制度や仕組みを不断に見直し、研究時間の確保や若手研究者の支援の充実などを進めることで、教職員一人一人が生き生きと研究・教育に取り組める環境を整えてまいります。研究環境の充実は、大学全体のウェルビーイングの向上につながるとともに、教育と研究が相互に高め合う好循環を生み出すものです。その相乗効果によって、研究力と教育力の一層の向上を実現し、明治大学が培ってきた知の総和を社会へと還元していくことができると確信しています。

起業・スタートアップ支援――“挑戦が連鎖する大学”へ

上野 近年、スタートアップへの注目と期待が急速に高まっています。こうした社会的要請を踏まえ、明治大学では起業家精神(アントレプレナーシップ)教育の充実と、学生の挑戦を支える体制整備を進めてきました。

こうした中で、昨年4月に「明治大学起業・スタートアップ支援室」を開設しました。同支援室では、これまで経営学部が主体となり2022年から実施してきたビジネスコンテスト「明治ビジネスチャレンジ」の運営を引き継ぐとともに、アントレプレナーシップ教育を担う全学共通総合講座「明治大学起業家学」の運営、学生の起業相談・支援、学内外からの問い合わせ対応など、スタートアップ関連施策を束ねる中核組織としての役割を担っています。点在していた人的・教育的資源を集約したことで、学生の挑戦がより可視化され、支援の一体性も大きく向上しました。

明治ビジネスチャレンジについては、本年度も多様な学部・研究科から応募がありました。現在、書類選考、第1次選考を経た通過者が、3月の最終選考会に向けて準備を進めています。これまでも本コンテストをきっかけに複数の起業家が誕生しており、今回も新たな起業家の誕生を期待しています。

こうした取り組みを進めるに当たり、校友の存在に言及しないわけにはいきません。明治ビジネスチャレンジにおいては、連合駿台会からは協賛によるご支援を、校友会の公認団体である起業・スタートアップ紫紺会や中小企業診断士紫紺会の皆さまには、審査員としてのご協力を頂きました。また、起業家として活躍する校友の方々には「明治大学起業家学」の講師を務めていただきました。校友61万人の経験とネットワークを教育・支援に循環させることができるのは、明治大学ならではの大きな強みです。

また、今後に向けて「明治大学起業・スタートアップ支援資金」を設定し、校友や企業からのご支援を頂きながら、専門的支援・ネットワーク支援・資金支援を組み合わせた持続的なエコシステムの構築に向け基盤整備を進めていきます。そして、学生支援にとどまらず、研究領域や産学官連携への展開も視野に入れ、挑戦が連なる仕組みの拡充を図っていきたいと考えています。

大学としてスタートアップ支援を進める目的は、学生の起業を促すことだけではありません。建学の精神である「権利自由、独立自治」や「『個』を強くする大学」という教育理念を掲げる明治大学にとって、起業家精神の涵養(かんよう)は重要な使命です。卒業後、多くの学生は企業でのキャリアを歩みますが、その中でも自ら課題を見いだし、解決へ踏み出す力が求められます。自ら切り拓く「前へ」の精神を堅持し、社会のあらゆる場面で協働を進め、時代を変革していく人材を育成していきます。

結びに――創立150周年、その先の未来へ

柳谷 明治大学は創立150周年という「歴史的な節目」をメルクマール(中間指標)として、その先の未来に向けまして「世界に開かれた大学」そして「世界に発信する大学」として輝き続けてまいります。校友会の皆さま、ご父母の皆さま、教職員の皆さま、本年も共に力を合わせて「前へ」と進んでまいりましょう。

上野 創立150周年とその先を見据え、関係する皆さまと共に「前へ」その歩みを進め、明治大学のさらなる発展に寄与してまいります。新しい年が、明治大学にとって、そして関係する全ての皆さまにとって、希望に満ちた一年となりますことを心より祈念いたします。

理事長 柳谷 孝

1975年明治大学商学部卒業。同年野村證券(現:野村ホールディングス)株式会社入社。97年同社取締役、2000年同社常務取締役、02年同社代表取締役 専務取締役、06年同社代表執行役 副社長、08年同社副会長など歴任。16年5月より現職

学長 上野 正雄

1980年明治大学法学部卒業。2003年裁判官から明治大学法学部助教授に転職。04~08年東京弁護士会所属弁護士。04年法科大学院助教授、07年法学部准教授を経て10年同教授。副学長(広報担当)、学長室専門員長、法学部長等を歴任後、24年4月より現職。専門分野は「刑事法(犯罪学、少年法、犯罪者処遇法)」

明治大学広報第805号(2026年1月1日発行)掲載