低次元トポロジーの結び目理論について、計算機を活用して研究を深める|先端数理科学研究科・鈴木正明研究室
総合数理学部大学院教員学生ゼミ・研究室数理・データサイエンス・AI
明大生が、所属するゼミ・研究室を紹介する「ようこそ研究室へ」。今回は先端数理科学研究科の小澤さんが、鈴木正明研究室を紹介してくれます!

研究室概要紹介
鈴木研究室の研究分野は、低次元トポロジー(※1)で、特に結び目理論(※2)に関する研究を行っています。2025年度現在は、ハンドル体結び目(※3)に関する研究に取り組んでいます。ハンドル体結び目の不変量をコンピュータで大量に計算し、その計算結果に現れる性質を調べることで、より一般的なハンドル体結び目の特徴を明らかにすることを目指しています。
※1 低次元トポロジー:4次元以下の次元(主に3次元や4次元)の多様体を研究する位相幾何学(トポロジー)の一分野
※2 結び目理論:トポロジーの一分野で、ひもを空間内で結び、両端をつなぎ合わせてできる輪(結び目)の性質を研究し、絡み合った状態の異なる結び目が、「同じであるか」「異なるか」を判断する理論。分子生物学(DNA分析)、物理学、工学などの化学分野にも応用されている
※3 ハンドル体結び目:トポロジーの一分野で、3次元球面に埋め込まれたハンドル体(取っ手が付いた球体)のこと
鈴木研究室ではこんなことを学んでいます!
ハンドル体結び目の補空間の基本群から、有限群への準同型の個数に関連する研究をしています。準同型の個数はハンドル体結び目の不変量なので、個数が異なる二つのハンドル体結び目は、異なるハンドル体結び目であることが分かります。準同型を求めるためには、{p(p2 − 1)}3回(pは素数)の計算が必要になるため、コンピュータで計算をしています。1~2週間に一度、研究室で先生から計算アルゴリズムや数学的な証明について助言をいただき、研究を進めています。
研究中の様子アピールポイント
数学の研究において、計算機の活用は広がりつつあります。鈴木研究室では、数学的問題をプログラムに落とし込み、性質を見つけて理論的に証明するという一連の流れを通じて、コンピュータを用いた数学の研究を行うことができます。また、研究に十分な性能を持つ計算環境も整備されています。
研究室の雰囲気
静かで集中しやすい環境の下、自分のペースで研究を進めることができます。必要に応じて先生に相談できるので、自主性を尊重しつつ、しっかりと支えていただける環境です。研究室には大きなホワイトボードがあり、プロジェクターも利用可能なため、研究集会の講演練習もしやすいです。
研究室の様子先生の紹介
鈴木正明先生
鈴木先生は、写像類群(※4)や結び目の研究をされています。少人数の研究室ですが、研究集会では先生が他大学の研究者を紹介してくださるため、人とのつながりも自然と広がりました。研究だけでなく、人脈作りにも気を配ってくださる心強い先生です。
※4 写像類群:曲面の対称性を調べるために用いられ、「図形を連続的に変形しても変わらない本質的な対称性」を捉える群。(写像類群の例:紙風船を「曲面」とした時、形を変形しても残る、模様の「本質的な配置パターン」の集まり)
私はこんな理由で研究室を選びました!
私は、博士後期課程から鈴木研究室に進学しました。修士までは、他大学でハンドル体結び目の研究をしていましたが、コンピュータは使わずに手計算で研究を進めていました。
以前、私が研究集会で講演した際に、「コンピュータを使えば、さらに研究を進めることができる」と鈴木先生から助言をいただいたことがきっかけで、「計算機を用いた研究に挑戦したい」と考えて、鈴木研究室を選びました。
鈴木研究室あれこれ
人数
2025年度:博士後期課程1人、2026年度:博士前期課程1人
OB・OGの主な進路
IT系企業
紹介者(写真右)と鈴木先生
私の研究テーマ
「ハンドル体結び目の補空間の基本群のSL(2;Z/pZ)表現の個数について」
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