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2025.01.15

文学を学ぶことの大切さと学問する喜びを知り、大好きな図書館書庫で研究に励む(ジョン・ジェファンさん)

文学部学生留学国際交流
日本への留学体験を紹介してくれた方ジョン・ジェファンさん(文学部3年)

プロフィール写真

  • 出身国:韓国
  • 留学期間:2022年4月~2026年3月

日本への留学を志したきっかけと、明治大学を選んだ理由を教えてください。

幼い頃から本が好きで、中学生の時には日本のアニメーションや小説に夢中になっていました。いわゆるライトノベルから読書を始めたのですが、さらに学びを深めたいと考えて本格的に日本語を勉強し始めたことが、留学を志したきっかけです。

その中でも明治大学を選択した理由は、私が研究したいと思ったメディアや出版分野を専門に研究されている先生方がいらっしゃったからです。

明治大学の好きなところについて

明治大学のキャンパスで好きな場所はどこですか?

場所:駿河台キャンパス 中央図書館 100周年記念図書館書庫
理由:私は古本が好きです。新品の本にはない、古い紙特有の匂いと、それが集まることによって生まれる独特な雰囲気は、まるで自分が何十年も前の歴史に足を踏み入れているかのような感覚を呼び起こしてくれます。また、明治大学の書庫は構造的にも大変面白くて、時には道に迷ってしまうこともあり、探検しているような気分になります。調べ物をしたい時には、必ず地下2階のカウンターで虫眼鏡を借りて入るようにしています。

100周年記念図書館書庫に立つCHEONG JAEHWANさん中央図書館の100周年記念図書館書庫にて。また迷ってしまいました……

好きな授業を教えてください。

授業名:日本文芸思潮史
担当教員名:内村和至先生
理由:内村先生は、私が最も尊敬している先生です。授業内で先生がお話ししてくださる人生の価値観や自己の捉え方、創作や芸術に対する見解を聞いて感銘を受けることがあり、同時に「文学を学ぶこと」の大切さに気付かされます。また、この授業を通して日本の詩に魅了されました。現代のメディアの中で、俳諧を探すことが癖になりつつあります。毎回の授業後に内村先生にいろいろなことを質問しますが、いつも丁寧に答えてくださり、多くの学びがあります。

日本文芸思潮史のノート日本文芸思潮史のノート。筆記のスピード上、ハングルで書いています。とにかく書きまくります!

授業名:文芸メディア演習(3・4年)
担当教員名:相良剛先生
理由:さまざまなメディア、特にマスメディアに対する見方を大きく変えられた授業です。今までは「ニュースでああ言っているし、そういうことなのだろう」と思っていたことに対して、「いや、それは違うのではないか?」と疑問を持ち、本格的な検証を行う練習のきっかけとなりました。いわゆるクリティカル・リーディングです。良い卒業論文を執筆することで、相良先生に恩返しをしたいと思っています。

資料や新聞の縮刷版を広げている様子文芸メディア演習の発表準備中です。記念書庫で新聞の縮刷版を探し、資料と照らし合わせています

日本で過ごした感想

日本に来て驚いたところは?

まずは、東京に山が少ないことに驚きました。登山が好きなので、母国にいた頃には心がモヤモヤすると、ストレス解消で実家から徒歩5分のところにある登り口から山の頂上まで登っていたので、たまに足が山を求めることもあります。東京はとにかく「山なし谷なし」だと感じます。高尾山は、攻略済みです。

他には、役所の手続きに時間がかかることにも驚きました。長くても30分あればほとんどの業務を処理してもらえる母国の役所とはかなり違うと感じました。

自分の国の学生生活と比べて、日本の学生生活で楽しいところ・大変だと感じるところはありますか?

楽しいところ

学問する楽しさを知りました。母国では専門系の高校に通っていたため、学問より技術を磨き、ペンよりカメラを持つ時間の方が長かったのですが、明治大学に来てからは、毎日が文章や文献、文芸とのにらめっこです。その楽しさを知り、「学問とは何か」という問いを人生で初めて立てました。朝から晩まで、時には食事もせずに図書館に座っていても、全く疲れを感じないほど、楽しく学んでいます。

大変なところ

自己管理が難しいと感じることがあります。私はロングスリーパーなので目覚めが非常に悪かったり、寝不足だと日中でも眠気を感じたりすることがあります。日常生活に支障をきたさないように、規則正しい生活を心掛けるようにしています。

CHEONG JAEHWANさんについて&メッセージ

将来の夢は何ですか?

現在の目標としては、さまざまなものがありますが、大きく分けて二つあります。一つは、バーチャルユーチューバー(VTuber)のマネジメントおよびイベント企画を行うMCN(マルチチャンネルネットワーク)業界への進出です。もう一つは、最近台頭してきた「VTuber学」というものの研究者への道です。現代のライブメディアは、過去のものと比べて「どこに」「なぜ」違いがあるのか。それを、実務あるいは研究の領域で解き明かしていきたいと思っています。

故郷の国の紹介や、自慢をしてください。

韓国は過去と現代が交わる美しい国です。だからこそ、K-POPや韓国料理だけでなく、韓国の文学や歴史にも興味を持っていただきたいです。周りの方に「韓国の観光地」を聞かれると、いつも景福宮(キョンボックン)や北村(ブクチョン)など、伝統的な風景がある場所をお勧めしています。実に美しい場所ですので、皆さんもぜひ、韓服(ハンボク)を身にまとい、景福宮で写真を撮ってみてください。

景福宮正殿の王座景福宮正殿の王座。実に多彩な色が使われています

明大生へのメッセージをお願いします。

「学問とは、自分とは何かを問う過程である」という、内村先生からのお言葉がありました。その過程ではさまざまな困難があり、孤独があり、苦しみがあるでしょう。めげそうな時には、明治大学を象徴する合言葉を思い出してみるのはどうでしょうか。そう、「前へ」!

ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

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