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2024.10.16

国連ユースボランティア(UNYV)としてタイへ!自分の興味が、挑戦の第一歩に(下山田新菜さん)

国際日本学部学生留学国際交流SDGs

9月13日に、国連ユースボランティア(以下、UNYV)で今年度国連開発計画(以下、UNDP)バンコク事務所に派遣予定の下山田新菜さん(国際日本学部4年)にUNYV参加への意気込みや英語学習法、目標についてお話を伺いました。

国連ユースボランティア(UNYV)とは

国連事務所においてさまざまなバックグラウンドを持つ人々との協働を通じて、グローバル人材として必要な国際社会に関する知識や異文化理解、チームワークなどを培うことを目的とした約5カ月間のプログラムです。派遣地は年度によって異なりますが、原則として国連ボランティア計画の拠点がある国において実施されます。途上国の開発援助や国際協力に興味のある学生向けのプログラムです。

UNYV派遣生 下山田さんのプロフィール

プロフィール写真

国際日本学部4年生の下山田新菜です。2022年(大学2年次)の8月から2023年(3年次)の5月まで、 アメリカのジョージア大学に1年間、交換留学をしていました。現在4年生で、2024年9月から2025年2月までの5カ月間、国連ユースボランティア(UNYV)のプログラムでタイ・バンコクの国連開発計画(UNDP:United Nations Development Programme)に派遣されます。

アメリカでの交換留学後に生じた新たな挑戦

なぜ国連ユースボランティア(UNYV)に参加しようと思ったのですか。

アメリカでの留学経験から、インプットを中心とした学びを得ることができました。そこで、「次はアウトプットしたい」「もう一度海外で挑戦したい」と思い始めたことが、国連ユースボランティアのプログラムに参加しようと思ったきっかけです。最初はプログラムに対して、「難しそうだな」という印象を持っていましたが、自分が国連で働く姿を想像するにつれて、「ワクワクする」という気持ちの方がだんだんと強くなり、応募を決めました。

今回どこに派遣されるのでしょうか。

タイのバンコクにあるUNDP(国連開発計画)に派遣されます。バンコクのリージョナルハブという、アジアから太平洋にかけての地域全体を統括しているハブオフィスで仕事をする予定です。

UNDPではどのような活動をされるのでしょうか。

ユース・エンパワーメントという若者を支援するプロジェクトに携わります。現在、環境問題への関心が世界中で高まっていますが、一般的に「政策に市民の声が反映されづらい」ことが課題とされています。このプロジェクトでは「今後の未来を担っていく若者の声こそ、本来はもっと拾われるべきなのではないか」という考えの下、若者が安心して声を上げることができる場の創出を目指します。

どのような役割を担うことが期待されているのでしょうか。

私も一人の若者だからこそ、プロジェクトの対象である若者達に「共感」できる点が多くあると思います。大人に対して何か強い意見を主張することに怖いなと感じたり、萎縮したりしてしまうことは、若者ならではの悩みだと感じます。彼ら、彼女らの声に寄り添いながら、これからどのようにその声を大きくしていけるかを考えたいと思っています。また、日本では若者の間で環境問題が話題になりづらいと思うので、環境問題を身近に感じてもらえるような情報発信をしていきたいと考えています。

交換留学中に気付いた自分に合った英語の学習方法

国連ユースボランティア(UNYV)の面接時に何か心がけたことはありますか。

「自分らしくいること」を意識しました。着飾ることなく、ありのままの自分を出すことで、相手に理解してもらえるのではないかと思っています。また、「自分の考えを言語化すること」も意識しました。散らばった考えを言語化できるように、箇条書きにして考えを書き出し、面接に備えました。

ジョージア大学に留学する前はどのような英語学習をしてきましたか。

留学前は、私が所属している国際日本学部の授業が英語学習の支えになりました。国際日本学部では、英語の必修の授業が1年次に週6回あったため、英語漬けの日々を過ごしていました。大学の授業で英語を学ぶ環境が整っていたので、自然と英語を学ぶことができ良かったです。留学前の2022年7月には、TOEICのスコアが100点上がり、効果を大幅に実感することができました。

ジョージア大学に留学していた時、現地ではどのように英語学習をしていましたか。

留学中は、渡航前の学習経験を生かして英語力を発揮できると意気込んでいました。しかし、実際に行ってみると、自分が思っていたより英語を喋れず、ショックを受けました。そこで、留学前に国際日本学部で受講した言語学の授業で、「話せないスピードは聞き取れないし、聞き取れないスピードは話せない」と学んだことを思い出しました。相手の話すことが聞き取れなければ、会話を始めることすらできません。当たり前のことかもしれませんが、留学をして改めて、実感することができました。

自分の課題を見つけてからは行動するのみと、英語を流ちょうに話す人を真似たスピーキングの練習や実践を行いました。それからは、今までは聞こえていなかった知らない人のバスでの会話などが聞こえるようになるなど、リスニング力を自然と高めることができました。

また、留学中の課外活動として、「日本語会話クラブ」という団体を運営しました。多様なバックグラウンドを持つ人たちと日本の文化などを話して交流する団体です。クラブを運営するにあたって、共通言語である英語を話す必要があったので、大学の授業で学ぶ英語とは違う英語の使い方、生かし方を学ぶことができました。

交換留学生として、現地の留学フェアのブースをお手伝いした際の写真交換留学生として、現地の留学フェアのブースをお手伝いしました

留学後の現在はどのように英語の学習を続けていますか。

留学後は、留学中に知り合った友人とSNSを介して、メッセージでやり取りをしたり、電話をしたりして、実践的な英語学習を続けています。「最近よく使う英語表現は何?」など、海外で出会った友人がいるからこその学びを得ています。

交換留学に参加して、またすぐにUNYVに参加(応募)するにあたり、大変だったことはありますか。

ちょうど就職活動を意識する時期でもあったため、就職活動と並行して国連ユースボランティアの活動にも目を向ける必要があり、大変でした。一方で、「自分がなぜUNYVに参加したいのか」「今後どのようなキャリアを歩んでいきたいのか」を改めて考えるきっかけになったので、大変さの中にやりがいを見出すことができました。

留学先での一枚留学先での一枚

判断基準は自分の興味があることにワクワクするかどうか

交換留学で得た経験をどのようにUNYVで生かしていきたいですか。

交換留学の際に得た学びの一つに、「先入観にとらわれないこと」があります。ジョージア大学に留学していた時、言語や文化も違う、これまで出会ったことのない人たちとの出会いに、どこか萎縮してしまう自分がいました。しかし、会話を重ねるうちに、自分と同じような悩み事を抱えていたり、自分と同じような趣味を持っていたりしたので、自分のイメージが単なる思い込みであるということに気付きました。

どんな場所にいても、どんな環境にいても、人間同士の付き合いであることには変わりはないので、「相手のことを知りたい」という思いで積極的に人と関わることができるように、アメリカでの留学経験を生かしながら、UNYVの活動でも行動したいと思います。

また、「想定外のことを受け止めること」も学びました。アメリカ留学の際は、いろいろな事態を想定して準備をしましたが、現地に行ってみると、自分の予想をはるかに超えるハプニングの連続でした。例えば、予約していたタクシーが来ず、飛行機に乗れなかったことなどです。こうした事態に直面した時に、「どうにかなる。大丈夫」と思えるかが大事だと思います。「飛行機に乗れなかったこと=どうにもならないこと」ではないので、焦らず冷静に対応すれば大丈夫です。

ハプニングが起きても対応できる臨機応変さを養うことができたので、UNDPの派遣の際にも生かしていきたいです。

ボランティア中の経験をどのように伝えたいと考えていますか。

今年(2024年)の12月頃に、明治大学で自分のバンコクでの活動に関して中間報告させていただくことを考えています。まだ活動期間中になるので、これまでの活動を振り返りつつ、今後の目標についてもお話したいと考えています。活動のリアルを少しでも多くの人に知っていただけたらいいなと思っています。

最後に、メッセージをお願いします!

国連に対して「難しそう」というイメージを持たれる方は多いかもしれません。「よく分からないから応募をやめておこう」という方もいるかもしれません。私もその一人でした。ですが、「自分の興味を広げたい」と応募を決意してからは、同じ時期に他の大学から派遣される仲間との出会いや新しいことに挑戦するワクワクを得ることができました。自分が興味のあることに挑戦することが大切だと思います。

また、その挑戦が「留学」でなくても良いと思います。留学は一つの挑戦の手段に過ぎません。いろいろなことにアンテナを張りながら、「自分が興味のあることは何なのか」「自分がしたいことは何なのか」を探すことで、自分らしい選択ができると思います。応援しています!

ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

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