2019.08.08

【明大生の課外活動を紹介!】「地理学とアメリカ地域研究の二足の草鞋を履いての研究活動」長野悠さん


明大生が、留学体験を紹介する「世界で学ぶ!」。今回は「フルブライト奨学金」を得てこれから留学に行く大学院教養デザイン研究科の長野さんにお話を伺います!
課外活動を紹介してくれた方長野悠さん(大学院教養デザイン研究科博士後期課程2年)

留学先 アメリカ
大学名 クラーク大学
留学期間 2019年8月〜2024年5月

大学院教養デザイン研究科への進学のきっかけと研究内容を教えてください

大学院教養デザイン研究科への進学のきっかけは、教えを請いたい先生がいたからです。指導教員の石山徳子先生は、私の出身大学の日本女子大学で「アメリカ地理」という授業を担当していました。先生の授業に引かれて、大学院教養デザイン研究科への進学を決めました。

研究内容は、「アメリカ諸都市におけるジェントリフィケーション(高級化)とそのプロセスに抗うフォーマル/インフォーマルな動きの地理学的な分析」です。アメリカに限った話ではありませんが、1970年代頃からさまざまな都市において、再開発の名の下で、貧困層や有色人種といった社会的弱者が立ち退きを迫られる状況があります。都市空間を巡る社会的排除と包括の力学と、その空間における一人ひとりの人間の多種多様な経験と営みについて、深く理解したいと思い研究を続けています。

留学に至った経緯を教えてください

留学は私にとって必然的な過程だと認識していました。現在地理学とアメリカ地域研究の二足の草鞋を履いて研究活動を行っていますが、アメリカ研究者のコミュニティでお世話になっている先生や先輩方の多くがアメリカ留学を経験しています。そのため、「いつかは私も」という思いが大学院入学当初からありました。

学外の奨学金(フルブライト奨学金)を利用しました。これは、日米両政府の拠出金により運営されている奨学金です。日米の人物交流による相互理解の促進を目的としており、渡米1年目の授業料や生活費から航空チケットに至るまで幅広い助成を行なってくれます。

利用した奨学金制度を教えてください

研究対象であったオレゴン州ポートランド市カリー地区に建設された公園にて

留学する上で、一番大変だったことは?

語学試験や申請書類の作成も大変でしたが、出願する大学を選ぶ作業は特に苦労しました。指導教員から話を聞いたりホームページで検索したりしながら徐々に選択肢を絞り、気になる先生にメールを入れ、返事がもらえればスカイプで話ができるようにお願いしました。相手に失礼のないようにメールを送ること、時差がある中でうまくアポイントメントを取り付けることなど、とても大変でした。

多忙な研究生活と留学準備の両立で、工夫したことはありますか?

現地での研究活動や奨学金の申請書類作成は、私が動かなければ何も進みません。原稿や書類の締め切り日、発表日はありますが、やるもやらないも自分次第です。そのため、それまでの細かな進度をいかに自分で管理するかが大切だと思っています。

大学への出願や奨学金の申請に追われていた時期は、研究活動や書類作成について、求められていなくても、「今こういう状況にあって、こういうペースで進めていきたいと思っている」という詳細を指導教員に伝える「ここまでやる宣言」を毎週していました。そんな面倒くさい私をいつも励ましてくれた先生には、本当に感謝しています。

都市の発展に興味を持つきっかけをくれたカンボジアにて

留学先で楽しみにしていることや、目標を教えてください。

留学先の大学で先輩や同期と研究に関する話をすることはとても楽しみです。また、研究では都市空間に焦点を当てているので、アメリカのさまざまな都市を周りたいと思っています。

入学するプログラムの最初の2〜3年はコースワークです。ひたすら本や論文を読み、そのことについてクラスメイトと議論し、ペーパーを書くことになります。まずは、自分の問題意識を大切にしながら、しっかりとコースワークに取り組みたいと思います。

また、現在、福島原発事故の避難や被災者の健康をめぐる問題などに取り組むNPOでアルバイトしているので、そこでの経験についてクラスメートなどと共有して、原発事故後の人々の住空間のあり方などについて、共に考えることができたらと思っています。

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