こちらの記事は、「明治の“いま”がこの1冊に!」 季刊 広報誌『明治』第73号「世界へ飛び出せ!明大生-協定校留学日記-」からの転載になります。
「世界へ飛び出せ!明大生―協定校留学日記―」
今回はイタリア・ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学に留学した国際日本学部3年生の仲村怜さんにお話を伺いました。
留学先 | イタリア |
大学名 | 国立ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学 |
留学プログラム名 | 協定校留学 |
留学期間 | 2015年9月~2016年7月 |
ゼミ | 田中牧郎ゼミナール |
私は、2015年9月から 2016年7月まで、イタリア北 部のヴェネツィアにあるカ・フォ スカリ大学に留学しました。
水の都と名高いヴェネツィアは毎年約2000万人もの観光客が世界中から訪れ、国際映画祭や、美術の 祭典ビエンナーレなど、様々な世界的なイベントが行われる観光地です。

私が留学したカ・フォスカリ大学は、そんなヴェネツィアに校舎を構える国立大学で、1860年頃に商業を学ぶ高等教育機関として創立されました。創立当初から、対アジア貿易のために東洋の言語を学ぶ学科がいち早く設置されるなど、外国語教育に力を入れてきた大学です。現在は特に日本語を含む東アジアの言語教育に力を入れており、それは私がこの大学に留学しようと決めた大きな理由の1つでした。留学の動機の1つに、海外での日本語教育がどのように行われているのか、また、その国の母語がどのように彼らの話す日本語に影響を与えるのかなど、「国外での日本語」を実際に自分の目で見て、体験してみたいというものがありました。
日本語で行われる授業のため、単位はもらえないという決まりはありましたが、実際に日本語教師の方々に連絡し、アシスタントの形で多くの授業に参加させていただきました。また、 友人の紹介で日本語学科の大学院の授業にもいくつか参加させてもらうことができました。本やネットで見るだけでなく実際に目の当たりにして非常に多くのことを発見し、学ぶことができました。私は現在、国際日本学部の田中牧郎先生のゼミで日本語学を学んでおり、実際に体験として得たそれらの多くのことが自分の学習に活きているのを感じます。

また、今回の留学まで1歩も日本を出たことがなかったため、初めての海外での生活はやはり大変なことも数多くありました。1歩大学の外に出ると、街で会う人たちの中に英語を話す人は少なく、イタリア語でのコミュニケーションが求められました。イタリア語に関しては、最初は私の準備不足もあり、上手くいかないことばかりでした。英語が通じないため、余計な携帯代を取られたり、お店で怒られたりと、悔しいことを多く経験しました。
留学を通して気づかされたことは多く、実際に自分が留学生として異国で過ごすことで、日本に来ている留学生達と同じ立場を経験することができました。やはり、生まれ育った場所と違うところで生活するのは不安を伴うものでしたが、そんな中で幸い私は現地の友人たちに恵まれ、生活の面や精 神的な面でかなり助けてもらいました。初対面であっても、困っている様子を見ると躊躇なく声をかけてくれた友人たちには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。不安な時に声をかけて助けてくれる、 または気兼ねなく話せる友人がい るというのは本当にうれしく、彼らにもらった気持ちを大切にしよ うと思いました。

そこで、私もせっかく同じ立場を経験したのだから、帰国後は自分にできる範囲で自分がイタリアでしてもらったようなことが出来るようになりたいと考えるようになりました。以前までの私なら、そう考える前に勝手に、自分では大した助けにならないだろうなどと考えてしまっ ていましたが、それはただの自分への言い訳で、留学先での彼らのように、自分から少し声をかけたり、話し相手になったりするだけでも少しは助けになれると、前向きに考えられるようになりました。
留学先で体験したこと、感じたことはまだまだ書き足りませんが、とにかくたくさんの大切な出会いがありました。出会いに恵まれた留学にしてくれた友人たち、教授の先生方、事務室の方々、そしてこのような留学の機会を与えてくださった明治大学に感謝し、これからも精進していきたいと考えています。
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