卒業高校名 | 神奈川県立横浜翠嵐高等学校卒業 |
在学中の留学先 | アメリカ テンプル大学 大学院 |
在学中の留学プログラム名 | テンプル大学デュアルディグリープログラム (DBMD:Dual Bachelor’s Master’s Degree) |
在学中の留学期間 | 2019年8月~2021年5月 |
留学時に大学から受けた 奨学金・助成金 |
明治大学学生海外トップユニバーシティ留学奨励助成金A ※現在、デュアルディグリープログラムの対象助成金は明治大学外国留学奨励助成金 |
現在の勤務先 | 株式会社セールスフォース・ジャパン 公共ソリューション部 1年目 |
経歴 | 2016年4月 明治大学政治経済学部入学 2018年2月~3月 オーストラリア短期留学(Western Sydney University) 2019年2月~3月 ペンシルベニア大学ELPアカデミック英語プログラム修了 2019年8月 テンプル大学大学院リベラルアーツ研究科入学 (DBMDプログラム利用) 2020年11月 株式会社セールスフォース・ジャパン内定獲得 2021年3月 明治大学政治経済学部卒業 (明治大学学生海外トップユニバーシティ留学奨励助成金A受領の関係で1年多く在籍) 2021年5月 テンプル大学大学院同研究科 修士課程卒業 2021年10月 株式会社セールスフォース・ジャパン入社 |
留学準備について
留学を決めたきっかけや理由と、その時期は?
中学・高校時代から校内のプログラムを利用して、カナダやアメリカに短期の派遣留学をしてきたこともあり、留学への関心は元から高かったです。具体的に海外の大学院進学を志したのは、大学2年次終盤に参加した、Western Sydney Universityへの短期留学がきっかけでした。
大学入学後は、毎日大学生らしく友人と遊んで楽しい日々を過ごしていましたが、今後のキャリアへの不安を含め、どこか悶々としていました。
実際に、オーストラリアの多様性溢れる文化に触れたことで、海外への関心に再度火がつき、「このまま日本で普通の大学生活を送っていてはもったいない。海外の大学院に留学して、日本では得られない先進的な経験・知見を得たい!」と思い、進学を決意しました。
留学先の国・大学・プログラムを選んだ理由は?
理由は大きく分けて、「学問」と「キャリアパス」の2点があります。
まず学問の観点では、テンプル大学大学院にはリベラルアーツ研究科があったことが理由です。このリベラルアーツは、日本ではまだメジャーでなく学べる場所は限られていますが、学際的な研究を通して、ロジカルシンキングやクリエイティビティ、コミュニケーション力など、いわゆる「人間力」を培うことができる非常に注目されている学問です。とりわけ、AIの台頭により人間の仕事が奪われてしまうと叫ばれる中、「人間ならではの強みを養うこと」は当時の自分にとって重要かつ興味のある分野でした。
そしてキャリアの観点では、テンプル大学が明治大学とデュアルディグリープログラム(DBMD:Dual Bachelor’s Master’s Degree)の提携校であったことが大きな理由です。このDBMDプログラムは、学部入学から5年半で明治大学の学士号とテンプル大学大学院の修士号を獲得することができるため、留学や大学院進学に伴いがちなキャリアの遅れを回避することができます。「海外の大学院へ進学したいが、就職活動など今後のキャリア構築に遅れを取りたくない」と考えていた私にとっては、最適解でした。

受験した語学試験があれば教えてください。
TOEFL iBT
- 2018年5月:63点
- 2020年8月:87点
留学生活について
留学の目的や目標を教えてください。また、それは達成できましたか?
大学院での研究となると英語はできて当たり前の世界であるため、語学力向上というよりは、いかに実りある学習・研究をして良い成績を収めるかを意識していました。
苦労もたくさんありましたが、結果は、オーバーオールGPA3.89/4を獲得することができ、GPAを基準としたテンプル大学大学院の奨学金もしっかりと取得することができました。当たり前ですが、英語という観点だけで言えば、ネイティブの人たちに太刀打ちできるはずがありません。しかし、英語はあくまでコミュニケーションツールであって、重要なのはその中身です。「入念な準備」と「質の高いアウトプット」によって、彼らより良い成績を取ることも可能でした。
留学先で起こしたアクション、挑戦したこと、意識したことは?
「ジェンダー論×メディア論」をテーマに、複数分野にまたがる学際的研究を行う
大学院ではリベラルアーツの実践として「ジェンダー論×メディア論」をテーマに、複数分野に跨った学際的研究をしていました。そのため、社会学系の授業の他にメディアコミュニケーション系の科目も積極的に履修し、双方の分野の知識獲得に努めていました。
インプットする知識量の多さに加え、学内での横断的なコミュニティ形成など、挑戦的な取り組みでしたが、非常に貴重な経験ができました。最終的には、「日本のフェミニズム運動に対するネット炎上の分類と統計的検証」と題した論文を執筆して、無事に修士号を獲得することができました。
分野横断的な研究や就職活動との両立を、効率的に進めるために
上記エピソードにも関連しますが、分野横断的な研究や就職活動との両立など、大学院生活はタスクが非常に多かったです。その中で、「いかに健康的なメンタルを維持しながら、作業を効率的に進めることができるか」を特に意識して生活していました。具体的には、「if-thenプランニング」を実践して、「○○をしたら△△をする」といったように習慣化によって作業のハードルを下げたり、「To-doリスト」を作成して、タスクの見える化や全体のスケジュール管理をしやすくするために工夫しました。
また、隙間時間に瞑想を取り入れるなど、タスクに忙殺されて乱れた心を落ち着け、次に向けての再スタートができるように、切り替えのための積極的な休養も心掛けていました。

就職後について
現在の仕事を選んだきっかけは?
Salesforceは、「ビジネスは社会を変える最良のプラットフォーム」であるというメッセージと共に、5つのコアバリュー(信頼・カスタマーサクセス・イノベーション・平等・サステナビリティ)を掲げています。この文化や環境は、私が就職活動の軸としていた「多様性」や「社会貢献」といったキーワードと非常にカルチャーフィットしました。
就職活動はボストンキャリアフォーラム(毎年10~11月ごろにアメリカ合衆国のボストンコンベンションセンターで開催される世界最大級の日英バイリンガルのための就職イベント)を利用して、オンラインベースで行いました。時差の関係もあり、アメリカ時間の日中は大学院の授業や課題をこなし、日本時間の日中で就職活動をするといったハードスケジュールでしたが、なんとか妥協せずに乗り越えることができました。
現在の仕事について、取り組んでいることや目標を教えてください。
現在は、Salesforceの公共ソリューション部に所属しており、SE(ソリューションエンジニア)として中央省庁向けにSalesforce製品のプリセールス(ITエンジニアとしての知識や知見を生かして営業担当をサポートする)を担当しています。
直接的なお客さまは省庁の方々ですが、その先には国民の皆さまがいます。そういった意味で責任も大きいですが、同時に裁量も大きく、やりがいに溢れた仕事だと感じています。行政分野に関わる以上、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通して、日本をより住みやすく、豊かな国にすることが私の目標です。

仕事をしていてうれしかったこと、やりがいを感じることは?
自分のプレゼンテーションを通して、お客さまから「Salesforceの魅力についてよく理解することができた」と言っていただけた時は、非常にうれしかったです。「Why Salesforce?(なぜSalesforceか?)」というお客様からのシンプルな質問に対して、いかに魅力的かつ納得のいくソリューションやビジョンを提案していけるかが、大きなやりがいとなっています。
一番つらかったこと、苦労したことを教えてください。
文系出身ということもあり、最初はITやSalesforce製品の知識のキャッチアップに苦労しました。しかし、社内のリソースなどをうまく活用しながら、隙間時間を見つけてコツコツと勉強することで、入社1年目でSalesforceの認定資格を6つ取得するなど、着実に力を身に付けることができています。
また、学生時代から大きく変化が求められた点として、「視座を高める必要性」が挙げられます。「自分本位ではなく、上司や部門、さらには組織全体が何を求めているのか」ということを都度意識しながら、活動していく必要があります。その上で、視野を広げて俯瞰的に状況を判断したり、鋭い視点で物事を切り開いていく力が試されると考えています。これらは一朝一夕で身に付くものではないため、うまくいかずに悩むこともありますが、日々の経験を積み重ねて学びを深めています。
趣味や、モチベーション維持の方法を教えてください。
「Wellbeing」を意識した心身ともに健康的な生活を通して、モチベーションを維持しています。朝に野菜やフルーツのスムージーを飲んだり、夜は適度な筋トレや瞑想をしたりすることで、心のピントを合わせています。また、休日にしっかりと休むことも意識的に行っており、家族やパートナーとゆっくり過ごす時間も大切にしています。
メッセージ
明治大学での学びや留学を経験して、培われた力が役立っていると感じることを教えてください。
明治大学には、留学プログラムそのもの以外にも、海外留学プレ・ポスト英語プログラムと称して、実践的な語学学習プログラムが豊富です。実際に私も、横川綾子特任教授によるTOEFL Speaking Skillsというプログラムを履修したことで、TOEFL iBTの点数を約3カ月で20点以上伸ばすことができ、志望した海外の大学院へ進学することができました。
海外の大学院の修士号は、専門知識の獲得に加え、キャリア構築という観点でも非常に有益なものであるため、DBMDプログラムの存在や上述の留学準備プログラムの存在は明治大学の大きな強みであると思います。
今後のキャリアでの目標をどのように考えていますか?また、それに向けて努力していることを教えてください。
私は、キャリアは「かけ算」によって価値が高まると考えています。よくスペシャリストを形容するのに「I型人材」(1つの分野に特化して秀でている人材)という言葉が用いられますが、それに対して私は2つもしくはそれ以上の専門性を持ち合わせた「π型人材」になることを目指しています。
大学院での研究内容や、現職で得られる業界知識など、複数のスペシャリティーを自由にかけ合わせることで、自分だけの色を出して行きたいです。目下取り組んでいることは、さらなる技術(IT)知識の強化で、情報技術系の国家資格取得に向けて、業務の傍ら日々勉強しています。

明大生・受験生へのメッセージをお願いします。
明治大学は、「求めれば、それに応えてくれる」大学です。何かやりたいこと、夢がある人は、明治大学にその気持ちをぶつけてみてください。充実した学内プログラムをはじめ、教職員のサポートなど、明治大学は皆さんの夢を実現するための環境が整っており、それを全力で応援してくれます!何をするかは皆さん次第で、可能性は無限大ですので、変化を恐れず積極的に挑戦して行ってください。応援しています!
※記事中に掲載した写真は撮影時のみマスクを外すなどの配慮をしております
MEIJI NOWに出演いただける明大生の皆さんを募集しています。大学受験や留学の体験記、ゼミ・サークルの活動をMEIJI NOWで紹介してみませんか?