第647回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文/堀口 心遥(政経2) 写真/末吉 祐貴(営3)
今年度の関東学生春季1部リーグ戦(春リーグ)を10校中9位で終えたハンドボール部。課題が残る結果になったものの、新体制となったチームに頭角を現した選手がいる。小泉涼太(農2=藤代紫水)だ。角度のある左サイドからシュートを決めるなどオフェンス面でチームに貢献。その飛躍の背景には、高校時代の練習と大学1年次に決断したポジション変更があった。
中学1年生から競技を始めた小泉は、ハンドボールの強豪・藤代紫水高校に進学。新型コロナウイルス感染症の影響で、接触のない練習から始まり「毎日ひたすら走っていた。きつくてついていくのに必死だった」。この“走り”に力を入れていたこともあり、4人での速攻の練習を1時間以上行うほどになった。こうして培われたスピードや体力が、速攻を得意とする小泉の武器になっている。
明大の門をたたいた小泉だが「大学ではもう通用しないと思った」とバックプレーヤーからサイドにポジションを変更。慣れないポジションに苦戦する中「逆サイドの武良悠希選手(2024年政経卒・現大崎電気)がいつも一緒にサイドシュートの練習をしてくれた」。当時の4年生に支えられながら成長の一途をたどっていく。
1年次の秋季リーグ戦(秋リーグ)から出場機会が増えると、2年次の春リーグには8試合に出場。「いいパフォーマンスができた」と話す日体大戦では、チームトップタイの7得点を挙げた。それでも春リーグを通して「大事な場面で(シュートを)決め切る力、精度がまだまだ足りていない」と振り返り、さらなるレベルアップを目指している。
8月末から始まる秋リーグに向けてはシュート練習に加え、ウエートトレーニングにも励む。「自分は背が小さいので体重を増やさないとディフェンスで勝てない。ディフェンスができたらもっとチームに貢献できると思う」。わずか2勝にとどまった春から“逆襲”の秋へ。巻き返しを図るチームに欠かせない存在へとなってみせる。
(こいずみ・りょうた 農2 藤代紫水 173cm・73kg)
明治大学広報第788号(2024年8月1日発行)掲載