
駿河台キャンパスの体育会柔道部の練習場で10月10日、セルビアの柔道ジュニアリーグ「カデット」チャンピオンPetar Novacovic(ペーター・ノバコビッチ)選手が練習に参加した。Novacovic選手は、16歳にして198cm・110kgという体格を生かしセルビアの高校生チャンピオンとして活躍しており、将来はオリンピック出場を目指している。
今回の交流は、Novacovic選手のパーソナルコーチであるBoris Bevc氏が、Novacovic選手の育成のために講道館など日本の各道場への練習参加を打診した中で、本学柔道部としても部員が海外選手のスタイルや価値観を知る良い機会になると判断し実現したもの。
Novacovic選手はこの日、講道館での練習に参加した足でそのまま明治大学に来校し、柔道部の練習に参加した。打ち込みでNovacovic選手と組んだ中藤誠選手(法4)は「海外の選手は豪快に投げてくる。16歳にしてこの体格で、筋力トレーニングも半年前から始めたばかりだということで、将来はすごい選手になると思う」とスタイルの違いに驚きつつ敬意を表した。

また、練習を見ていたコーチから「選手たちが勝っても負けても喜怒哀楽を表現しないのは、禁止されているからか。日本の伝統なのか」と質問があると、部員から「日本では礼法として過度な感情表現は控える。試合では喜びや悔しさを表現することはあるが、礼法にかなったやり方を指導される」といった返答があるなど、文化面での交流も見られた。
Novacovic選手のコメント
多くのテクニックを学びました。驚いたのは、トレーニングに対する姿勢がセルビアと明らかに違うことです。練習が全て体系化されていて、とても厳しい規律があります。日本の柔道がいかに高いレベルにあるかを知る良い機会になりました。
Bevcコーチのコメント
Petarのパーソナルトレーナーを2年近く務めています。今回の来日は、彼にとって間違いなく大きな経験になりました。ハイレベルな柔道家たちと一緒に練習し、彼らのトレーニング方法やテクニックを学ぶことができました。この経験が彼の柔道に対する理解を深め、視野を広げてくれることを願っています。
私たちを温かく迎えてくれた中濱監督、友人として受け入れてくれた素晴らしい部員たちに感謝します。彼らはまるで一つの家族のようで、トレーニングであっても常に100%以上の力を発揮しています。彼らの中から多くのチャンピオンが生まれていくと確信しています。

中濱真吾監督のコメント
海外の選手は「勝つか負けるか」をまず考えます。日本とは異なる価値観やスタイルを知ることで部員たちの視野も広がります。彼らにとっても良い機会になりました。Petarの今後の活躍を期待しています。
