
中野キャンパスの明大生の間で「ドラマー君」として知られる、国際日本学部の髙木浩志さん。音楽活動に励む一方で学業にも注力し、オーストリア・ウィーン大学への留学も経験しました。明治大学、ウィーン大学での学生生活と、その中で学んだことを伺いました。
髙木さんのMeijingは、「ありのままの自分でいる」を意味する “Be” ing
殻を破って、素顔で生きる
なぜアトリウム(中野キャンパス正面入り口を入った吹き抜けの空間)でドラムをたたいているのですか
私はもともとシャイな性格でした。でも、人前に出て「ドラマー君」としてドラムの練習をしていると、社交的になれるんです。
留学先のウィーンでも、ドラムの路上ライブをやっていました。留学当初は交友関係がなかなか広がらず悩んでいたのですが、たまたま現地でバンドをやっている方が私の路上ライブを見て声をかけてくださったことから、そのバンドに加入してライブに出演することになりました。それをきっかけに、どんどん交友関係が広がっていったんです。
私にとってドラムは「よろい」です。そのよろいをまとうことで、シャイな自分という殻を破って、素顔で生きられるようになると感じています。それがキャンパスでドラムをたたく理由です。好きなことを追求している素顔の自分でいると、交友関係もうまくいくように感じます。

ドラムの練習を始めた当初は「何やってるんだろう」と珍しがられていたのですが、今ではいろいろな方に声をかけてもらえるようになりました。「私も叩いてみていいですか」と聞かれることもあります(笑)。
人と少し違ったことを追求していると、最初は奇異の目で見られる。でも、好きで続けていれば、いつの間にか受け入れられる。そんな体験でした。私自身のこうした体験を、中野キャンパスの明大生にも伝えたいという思いがあります。私の姿を見た明大生に「私も自分の殻を破ってみよう」と思ってもらえたらうれしいです。

自信がなくても挑戦する
ウィーン大学に留学した理由は
国際日本学部で各国の社会システムを学ぶ中で、EU圏の国に興味が湧きました。オーストリアは欧州の中部に位置するため、いろいろな国の人がやってきます。多様な視座に触れ、刺激を受けることができるのではないかと考え、オーストリアを留学先として希望しました。実際に留学先のウィーン大学では、ウクライナ、スウェーデン、スロバキア、ドイツなどさまざまな国から来た留学生との交流がありました。
ウィーン大学へは、大学間協定留学を利用して留学しました。せっかく留学するならなるべくレベルが高い場所で実力を試したいと考え、1365年創立の伝統校で、国内外の各地から学ぶ意欲の高い人たちが集まるウィーン大学に留学することを決めました。

留学生活ではどのような苦労がありましたか
ウィーン大学には、社会人経験のある人など、何かしらの強みや明確な目的を持った人たちが多く学びに来ています。そんな中、当初は「自分には何も武器がない」と不安を覚えました。また、アジア圏から来ている学生は私一人でした。授業はEU圏の文化・社会での一般的な理解を前提として進んでいきますが、そうした前提がそもそもなかった私は、人一倍予習をして授業に臨む必要がありました。さらに、ウィーン大学の授業では発言が重視されるので、ただ内容についていくだけではなく、積極的に発言をしなければなりませんでした。
自信は全くありませんでしたが、それを逆手にとって授業の初めに挙手して発言することを試みました。内心、ほとんど賭けのような気持ちでしたが、最初に発言するとそれをベースに議論が始まるので、その後の議論の流れも理解しやすくなりました。「自信がなくても自信を持つこと」の大切さを学んだ体験でした。

全ての経験があったからこその、今の自分
卒業後はどのような道に進みますか
デジタル技術を活用したビジネス戦略を提案するコンサルティングファームに就職します。日本企業が世界で戦えるよう支援する仕事をしたいと考えています。
もちろんドラムも続けます。帰国後に結成したバンド「Leith More」で世界ツアーをすることが今の夢です。
この記事の読者にメッセージをお願いします
伝えたいことは、自分を受け入れてくれた大学、明大生、ゼミの仲間たちや先生方への「感謝」です。
1人で始めたキャンパス内でのドラム練習ですが、次第に人とのつながりができるようになりました。また大学の制度を利用して行った留学先でも、ドラムをきっかけに仲間を作りました。帰国後は、ゼミの先生から「人柄が柔らかくなった」と言われました。自分では実感がありませんが(笑)。でも、そのおかげか、帰国してからドラムの練習中に声をかけてくれる人が増えました。
すべての経験がつながっていて、今の自分があると感じています。そのような機会を与えてくれたすべての人たちに、感謝しています。

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