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明大生にフォーカス
2019.04.26

【活躍する明大生を紹介!】日本食文化親善大使就任をきっかけに、料理で多方面に活躍中!工藤梨央さん

学生エンタメ
明大生の活躍を紹介するコーナー「明大生にフォーカス」。今回は、料理に関するさまざまな課外活動で活躍している文学部の工藤さんに、お話を聞きました。
課外活動を紹介してくれた方工藤梨央さん(文学部3年)

料理に関するどのような活動をしていますか?

私は大学2年生の時に、日本食文化親善大使に選ばれたことをきっかけに、ラジオ番組出演などを中心に活動を開始しました。


日本食文化親善大使として、毎週ラジオ出演

現在はパーソナルトレーナーや、ケータリング会社でのフードクリエイター、グルメサイトを運営する会社でのグルメライターとして、複数の企業でインターンシップをしています。

また、個人でも、食の情報発信の専門家である「フードアナリスト」の資格を生かして、企業様からいただいたレシピの開発や新商品の試食、料理バトルの審査員などをしたり、SNSで自分の料理を情報と一緒に積極的に発信したりしています。「塩と健康レシピコンテスト」では、優秀賞をいただきました。


「フードロス解消」をテーマにした料理バトルで審査員を務めました(本人中央)

現在は、合格率3%とも言われる、1級フードアナリストになるための勉強にも熱中しています。

食や料理に興味を持ったきっかけは?

もともと食べることや料理が大好きだったのですが、本格的な知識を付けることは、正直あまり考えたことはありませんでした。しかし、日本食文化親善大使(食のなでしこ)に就任したことをきっかけに食について学ぶと、目からうろこの連続で、もっと深く知りたいと思うようになっていきました。

それは、フードアナリストの資格取得のための勉強を通して、食は世の中のあらゆることと深くかかわっていることに気が付いたからです。例えば、食の勉強というと食べ物や食器、栄養学などのイメージが強いかもしれませんが、本当に食を理解するためには、日本や世界の歴史や音楽、茶道や華道などの日本の伝統、映画、色彩、品性、マナーやブランディング、さまざまな国の文化や法律など、広い分野において深く知っている必要がありました。その中で、食を知ることは、人生そのものを豊かにすることだ気付いたんです。

また、現在食に関する活動を幅広く行っているのは、共通する想いが原動力になっているからです。それは、「豊かな食生活を軸として、生きる喜びそのものを多くの日本人が感じられるようにしたい」ということです。


食文化親善大使のオーディション合格時

そう思うようになった大きなきっかけは?

昨年の春休み、所属している文学部フランス文学科OBの方のご支援による佐藤達夫教育研究振興基金のおかげで、フランスへ短期留学をする機会をいただき、フランス人の食生活をテーマに研究をしてきたことです。

北から南まで3つの家庭にホームステイをしましたが、どの家庭もどちらかというと日本の食卓よりもシンプルでした。しかし、食べる時はテレビを見ながらなどではなく、食前酒から順に、会話を楽しみながら家族でゆったりと食卓を囲んでいました。それだけではなく、ホームステイ先の方が、チーズやワインの種類に加え、一つひとつの食材について誇らしげに説明をしてくれたのです。


ホームステイ先の食事。ワインと一緒に会話を楽しみながらゆっくり食べるので、満足感があります

また、それぞれの家庭に行きつけのマルシェ(日本で言う市場のようなものですが、フランスではスーパーのように身近な存在)があり、一つの野菜でも数十種類もが、色とりどりで並べてありました。そして、生産者の方が、その野菜の特徴や味の違い、お勧めの調理法について詳しく説明してくれたのです。そのようにして購入したお気に入りの食材には自然と愛着が生まれ、料理をすることも、食事の時間も楽しくなります。フランス人にとって、食は豊かな生活の源泉になっているように感じました。


フランスのマルシェの様子。みかんだけでも何種類もあり、食材選びも楽しくなります

一方、日本に戻ってきてみると、フランスと比べて「食べる」=「口に運ぶ作業を繰り返し、胃の中を一杯にする」というような人も多いように感じたのです。「味覚」ではおいしいと感じていても、その過程や空間など、食に付加されている味覚以外で感じられる情報に十分に目を向け、その上でおいしいと感じている人はどれだけいるだろう?と考えました。

自分が毎日食べている食材の知識もあまりなければ、パーソナルトレーナーとしてダイエット指導をさせていただいているお客さまなどは特に、食べることに対して罪悪感すら感じてしまい、ストレスと常に戦っていました。それはすごくもったいないことだと思ったのです。

日本の食材も、生産者の方は同じように愛着を持って生産していますし、そのこだわりの強さはむしろ世界の中でも誇るべきものだと思っています。食べ物一つひとつには栄養や愛が込められています。それにもかかわらず、食べる人がそういった情報を十分に意識していないのは残念なことだと思いました。

食に興味を持ち始めた時、初めはもともと興味のあった食品会社での商品開発に携わりたいと考えていましたが、日本で私がまず変えていきたいのは、食べ手側の「意識」だと思ったんです。
「おいしい食べ物の本当のおいしさ」を伝えたい、そしてそれを感じることは、毎日の生活や人生そのものを豊かにしてくれるということを私自身が毎日感じながら、多くの日本人に伝えていきたいと思うようになりました。

具体的にどのような行動を起こしていますか?

例えば、私がインターンシップをしているケータリング会社では、主にパーティ会場で提供する料理を作るのですが、イノシシの肉などの変わった料理や、まるでアートのような見ているだけでワクワクしてしまう料理など、食を通じて周りの人とのコミュニケーションが自然に生まれることを意識した料理を提供しています。自分が作った料理で「コミュニケーションが生まれる」ということ、そこにやりがいを感じています!

また、パーソナルトレーナーとして、健康な身体づくりをしたいという方やボディメイクをしたいお客さまにアドバイスをする時も、豊かで楽しい食生活を実践することを根本に、一般的なジムとは少し違った角度からダイエットの指導をしています。

例えば、食べ物の内容を指示するだけではなく、なぜその食材が良いのか、それを食べることでどんなうれしい効果が期待できるのかという情報も伝えます。痩せるために食べてはいけない、と伝えるのではなく、頭ではなく「身体」が喜ぶものをゆっくりと味わって食べるようアドバイスをし、それが結果的にダイエットにもつながります。

私はフードアナリストの勉強やフランス留学を通して「食べることは生きること」と考えるようになりました。お客さまに指導をしていく中で、体型管理ができない原因の根本は多忙な生活やストレスにあることが多いことにも気が付きました。そのような方にただ単に我慢をする食制限を指示するだけでは、一時的には理想の体型になることができたとしても、リバウンドしてしまうのが目に見えています。

そのため、お客さまの「容姿」を変えるというだけではなく、お客さまの抱えている問題の根本はどこにあるのかを探りながら、食生活に対する考え方そのものを変えることで、ジム卒業後の毎日の生活自体を明るくするお手伝いができたらいいなと思っています。


ストレスなく食べられるダイエットレシピを提案

将来の展望を教えてください。

現在は主に食に関する活動をしていますが、私の将来の夢は、小学生の時からずっと目指しているアナウンサーになることです。私自身が食の豊かさや楽しみ、そしてそれを通して生きる喜びそのものを伝えたい相手は、もともと食に興味があり、楽しんでいる人というよりも、まだ本当の楽しみを知らない人たちです。

食をもっと勉強し、食業界にとどまるのも楽しいかもしれませんが、アナウンサーになって、対象を絞らずにさまざまな人に情報を届けることで、現在のパーソナルトレーナーなどの仕事と同じように誰かの人生を良い方向に変えたいと思っています。

食を軸として学んできた、ありのままの世界の美しさを多くの人に伝えたい、そして毎日の生活や人生を豊かにすることに貢献したいと思っています。


自分で作る料理は見た目にもこだわり、食べることが楽しくなるよう意識しています

明大生へのメッセージをお願いします!

明治大学は自分の行動次第でたくさんのチャンスをもらえる、可能性にあふれた大学だと思います。

私はまだまだ未熟ですが、活躍するOBやOGの方々を含め、素晴らしい環境に常に支えられ、自分のアンテナに従って何度も挑戦し、さまざまな貴重な経験を得ることができました。そして、そこから世界が広がり、意志のある所に道は拓けるのだと実感してきました。

時間がある学生時代は、さまざまな経験を経て感受性を育てながら、自分が夢中になれることやしっかりとした軸を見つけていくことが大切だと思います。頭で考えるよりも経験して分かることは非常に多いので、もし行動をしない理由が明確なデメリットではなく、勇気がないことや怖さなのであれば、全力で背中を押したいです!

そうすることで、その軸を中心に自分の可能性をどこまでも伸ばし、能力を磨き、開花させていくことができると思いますし、それが存分にできる貴重でありがたい環境が明治大学にはあると思います。


グランピング料理の試食パーティにて
※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです
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