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明大生にフォーカス
2021.08.03

【明大生の課外活動を紹介!】「新宿巨大ネコ」の画面に新たな錯視CGが登場。制作したのは明治大学の1年生!

総合数理教員学生
明大生の活躍を紹介するコーナー「明大生にフォーカス」。
「3D巨大ネコ」の放映で話題になった、JR新宿駅東口ビルの街頭ビジョンに、総合数理学部先端メディアサイエンス学科1年生の小野源太さんが制作した、錯視(視覚における錯覚)を利用したCGが、8月2日(月)~8日(日)の7日間放送されています。明治大学創立140周年を記念したロゴマークやメッセージが、迫力ある縦方向の回転を見せます。今回は、作品を制作した小野さんに、お話を聞きました。
課外活動を紹介してくれた方小野源太さん(総合数理学部1年)

どのような経緯で錯視を利用したCG作品を制作することになりましたか?

総合数理学部先端メディアサイエンス学科では、先生や大学院生を含む全員が参加する「Slack」で、日常的に気軽にコミュニケーションが行われています。 そこでは授業に関する連絡だけでなく、創作しているコンテンツ(映像・音楽・ゲームなど)を見せあったり、コラボレーションをしたりしています。 

そうした中で、宮下芳明教授が発した「新宿の3Dネコが面白い」という何気ない一言に私が反応したのがきっかけでした。「どうしたら作れるか?」「どんなコンテンツが面白いか?」と有志が集まって盛り上がり、数時間でプロトタイプ(試作品)が出来てしまいました。そこからわずか4日間で、作品が完成しました。 

先端メディアサイエンス学科の「Slack」はその他でどのように使われていますか?

オンライン授業を皆で見ながらコメントを書き合い、80分間で2,300件もの書き込みがあったこともあります。とにかく、先生も学生も「気軽に、自由に」コミュニケーションを取っています。  

今回のCG作品も、先生の何気ない一言から完成に至るまであっという間でした。「Slack」は、先端メディアサイエンス学科(FMS)の文化である「思いついたらすぐにモノとして作ってしまう」というスピード感に合っていると思います。 

どのような方法でこの作品を作っているのでしょうか?なぜ飛び出て見えるのでしょうか?

UVの投影展開(ある視点からの3Dモデルの見え方を使って、3Dモデルのどこに2D画像を対応させ貼り付けるのかを算出する技法)を応用し、曲面ディスプレイ用にゆがませた映像を作り出しています。錯視を利用し、ロゴマークがさらに飛び出して見える映像に仕上げました。

開発したプレビューシステムの初期段階
UVの投影マッピングの応用によってゆがませた2次元映像
枠からロゴマークをはみ出させ、SPLIT DEPTH効果で立体感を強調

制作過程を教えてください

実現するための方法をいろいろと数時間考えた末に思いつき、30分程度で実験して試したところ、成功することを確認しました。 出来上がった時にはとてもうれしくて、すぐに学科の「Slack」に画像を貼りました。院生の先輩から、絶賛のコメントがすぐにいただけたのも光栄でした。

最終的な映像は、大学のコンピューターを使ってレンダリング(動画を計算してファイルとして書き出すこと)を行いました。ゆがませることを考慮して、12Kクオリティーの映像として制作したので、高性能なコンピューターでも9時間もかかってしまいました。 

この作品に込めた思いはありますか?

明治大学の「前へ!」という言葉ですが、明治大学のロゴマークをより「手前へ」飛び出させるという意味で「さらに前へ!」というメッセージを出しました。(「前へ」とは、明治大学ラグビー部の故・北島忠治監督の言葉。詳細は、こちら

放映の様子1

こだわったところはどこですか?

錯視効果が強まるように、白枠から飛び出す動きを強調しました。文字やロゴマークを上から倒れ込むように回転させることで、視聴者を驚かせることを意識しました。

放映の様子2

総合数理学部先端メディアサイエンス学科(FMS)を志望したきっかけは?

普段から、博物館などの興味深い展示を見ると、その仕組みがどうなってるのかを考える事がよくありました。アニメーションをきっかけにVR(バーチャルリアリティー)に興味を持ち、そういったモノを作り出したいという考えから、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス(FMS)学科を志望しました。

所属している先端メディアサイエンス学科(FMS)はどのような学科ですか?

今回の曲面ディスプレイや錯視のように、新しいメディア技術を駆使した体験を生み出している学科だと思います。思いついたらすぐにモノとして作ってしまう、という「スピード感」も特徴だと思っているので、今回の自分の作品制作も所属学科らしい文化なのかもしれません。

今後どのような活動をしていきたいですか?

VRでのストーリーテリング(語り手が、相手に伝えたい思いやコンセプトなどを、それを想起させるような印象的な体験談あるいはエピソードなどの「物語」を引用し、例示することで聞き手に聞かせ、印象付ける手法のこと)に興味を持っているので、SF小説の没入感を高めたようなモノの創作を行い、将来的には研究につなげていきたいと思っています。

今回は私の単独作品でしたが、現在、「Slack」上で先端メディアサイエンス学科の学生・院生たちが、チームになって「曲面ディスプレイ用の映像制作」を行っており、それにも関わっています。学年を越えたつながりがさらに増えてうれしいですし、今後の活動がとても楽しみです。

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※記事中に掲載した写真は撮影時のみマスクを外すなどの配慮をしております
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