法律相談部にインタビュー!
第3回は、明治大学法学会「法律相談部」にインタビューしました!法律と聞いて、お堅いイメージを浮かべる学生は多いかもしれません。法律相談部は教室で学んだ知識を、法律相談で生かす「臨床法学」を体現しています!法律の世界に、飛び込んでみましょう!
明大生に伝える、法律相談部の魅力
――まず、活動内容を教えてください。
末宗悠生さん(法律相談部幹事長)(以下:末宗)土曜日の午後1時から、無料法律相談を実施しています。民法分野の相談を受けており、もちろん明大生も対象です。
――相談をしたい時はどうすればいいですか?
末宗 コロナ禍になってから、事前予約で相談を受け付けています。ホームページがありますので、ホームページの予約フォームから申し込んでください。
――予約の仕方は、以下の予約フォームを参照してくださいね。法律相談部の皆さんは、コロナ禍で、どのように活動していましたか?
末宗 2020年度の春から、約1年半、相談活動を実施することができませんでした。2021年度の秋から、相談活動を再開しましたが、先輩にとっても、私たちにとっても、初めての法律相談で、手探りの状態で進めました。コロナ禍で、今まで引き継いできた法律相談部の創部90年の歴史が、一度リセットされてしまった形ですね。
――相談活動を再開した2021年度秋学期以降の実績数を教えてください。
末宗 2021年度の秋学期には、9件のご相談を受けました。2022年度の春学期は、5月21日現在、5件の相談をお受けしました。
――法律相談部は、さまざまなジャンルのお悩みに、どのように対応していますか?
末宗 5月23日現在、4年次が35名、3年次が35名、2年次が38名、1年次が98名の合計206名が在籍しています。部員を借地借家法、労働法、消費者法、会社法の4つのグループに分け、お悩みにお答えしています。
相続や交通事故に関するお悩みに対しては、全てのグループが対応できるように、勉強会や合宿で知識を付けています。
勉強会は、2~3カ月に一度、開催しています。少人数で班を作り、3年次が作成した問題を解きます。最後に問題を作成した3年次が注意すべきポイントや、解法をレクチャーします。実際の相談活動では、相談に乗りながら事実を見つけ、相談者が何を求めているのかを自分で見抜かなければなりません。
――実践的な活動を行っているのですね。
末宗 そうです。実際に大学の授業で法律が社会でどのように使われているのか、これを「臨床法学」といいますが、私たちは「臨床法学」を実践する団体といえます。
――法律相談部の強みを教えてください。
末宗 相談活動においては、学生の回答が正しいか、論理矛盾がないか、弁護士の先生に確認をお願いしています。また、毎週水曜日には回答に関するレポートを作成し、振り返りをします。法曹志望の学生にとって、将来目指す弁護士の方が身近にいらっしゃるので、とてもいい経験になると思います。
――臨床法学を実践している、夏季移動法律相談について教えてください。
末宗 自治体にお願いをして、地域にしかない法律問題について学びを深めています。これまで、岐阜県や青森県に行きました。しかし、コロナ禍の影響で今後の見通しが立っていないです。
法律相談部が教える!ためになる法律知識!
――明大生へ、ためになる法律知識を教えてください!
末宗 皆さん、人はいつから権利を得るのか知っていますか?実は、法律によって、「人として権利を得る」瞬間が異なります。民法は母体から完全に離れた瞬間が「人」の始まりです。一方、刑法では、個体から一部でも離れた瞬間が「人」の始まりです。
――民法は目に見えない権利を守っていく一方で、刑法は攻撃などから守ろうとしているのですね。人の始まりが違うというのは面白いですね。
寺嶋瞳さん(法律相談部支部長)(以下:寺嶋) また、遺産相続は、法律の条文に基づいて手順が明確に決まっています。Wordで書かれた遺言状は無効なので、注意してください。相続の問題は、将来、私たち全員に降りかかる問題なので、知っておいて損はないと思います。
もっと知ろう!法律相談部
――入部したきっかけを教えてください。
末宗 パンフレットを見て興味を持ち、入部しました。
寺嶋 弁護士の活動を学生の間に経験できるのが楽しそうだと思い入部しました。また、将来弁護士にならなかったとしても、社会の仕組みを間接的に知る機会が魅力的だと思いました。
――部員の魅力を教えてください。
末宗 さまざまな進路の学生がいます。法曹、公務員、民間企業の志望者が同じ割合くらいいます。全員、法律ができる、法律が好き、というわけではなく、それぞれの進路の人が自分とは違う考え方を知ることができるのが魅力だと思います。
――コロナ禍で法律相談部の内部への影響はありましたか。
末宗 横・縦のつながりが希薄になり、話す機会がないので友人ができず、「なぜ自分はここにいるのだろう。」と感じた部員もいたと思います。ただ相談に答えるだけでなく、さまざまな人と関わっていくことに相談部の良さがあるのですが、コロナ禍で部員の仲を深める活動は制限されてしまいました。
――制限された中で、どのように活動していましたか?
末宗 1年間かけて民法の範囲を2~3年次が1年生に教える民ゼミを週2回Zoomで開催しています。1年間通して民法の範囲を全て学習するので、1年次だけでなく、2~3年次にとっても知識のブラッシュアップになっています。
――履修相談会は今後開催しますか。
寺嶋 今年はカリキュラムが変更となった影響で、履修相談会は開催していないのですが、「なんでも相談部」を開催し、新入生が抱える大学生活の不安を解消しました。
――多角的に、支援をされているのですね。新入生も心強いと思います。
――相談部の活動を通して身に付いたことを教えてください。
寺嶋 一般の方の法律相談は今日(2022年5月21日)が初めてでとても緊張しています。今後、漠然とした責任感から、中身の伴う責任感へと転化していきたいです。
末宗 活動を通して、法律は身近にある問題を解決する「手段」であると学びました。誰でも法律が必要な場面に遭遇する可能性があります。法律はただ文面として存在しているのではなく、人々の生活の中で必要とされ、生きているのです。
加えて、私は部の幹事長を務める中で、部員全員が過ごしやすいと思える部を作っていこうと励んでいます。全員の目標に対する意識統一は非常に難しく、それは、見えるものが違うことに原因があるのだと思います。
僕が見える景色と、部員が見ている景色は異なります。誰かが窮屈な思いをするのではなく、お互いに尊重し合って行こうと考えています。僕だけでなく、運営の全員が意見を出し合って、より良い法律相談部を目指します。
――法律相談部のこれからの展望をお伺いしたいです。
末宗 弁護士の方とのつながりはありますが、民間企業や公務員のOB・OGの方とのつながりが希薄なので、そこを解決していきたいです。先ほどお話した通り、全員が法曹志望ではないので、公務員や民間企業を志望する部員のためにも今後改善していきたいです。
――縦のつながりができれば、より魅力的な部となりますね。
明大生にメッセージ
――最後に、明大生へ一言お願いします。
寺嶋 法律相談部について、ぜひ知ってもらいたいです。そして、困ったことがあれば、遠慮なくお越しください。
末宗 例えば、「アルバイトの深夜勤務で時給が上がっていない」とか、「1年契約だけれど途中で退職することは可能なのか」など。同じ大学生として、気軽に相談に乗れると思います。
M-Navi記者から~編集後記~
高野:取材内容をお聞きし、法律を学んでおくことの重要さを改めて感じました。自分の身を守れるのは自分自身であり、その時に、法律を知っておくことがとても大きな武器になると考えます。 また、「法律相談部」は相談に対しての対応がとても早いとのことで、ぜひ困ったら相談させていただきたいし、学生同士だからこそ話せることもありますから、本当に良い活動だなと感じました。「法律相談部」さん、ありがとうございました!
福森:「法律相談部」とお聞きして、少々お堅い印象を持っていましたが、取材を通して身近な法律に関する相談を受けてくださることをお聞きし、取材を受けてくださった末宗さん、寺嶋さんお二人のお人柄からも親近感を覚え、私が法学部だったらぜひ入部してみたいと思いました。 また、法律を軸として活動される法律相談部には法曹会のみならず、さまざまな志望の方がいるとお聞きし、非常に驚きました。法律を手段として相談者だけでなく、部員の方々とのつながりを持ち、学年関わらず協力し合う姿は大変魅力的に感じました。
守屋:取材をきっかけに、法律は身近にあると感じました。末宗さん、寺嶋さんが生き生きと話してくださった法律の世界は、非常に魅力的でした。法律は、困った時に私たちを助けてくれる重要なツールの一つです。記事をきっかけに、法律に興味を持ってくれたら幸いです!改めて、法律相談部の皆さん、取材にご協力していただきありがとうございました!
※記事中に掲載した写真は撮影時のみマスクを外すなどの配慮をしております
MEIJI NOWに出演いただける明大生の皆さんを募集しています。大学受験や留学の体験記、ゼミ・サークルの活動をMEIJI NOWで紹介してみませんか?