M-Naviプロジェクトでは、2023年度M-Naviプロジェクトを募集中です!今回は、【提案型】と【常設】の2つのプロジェクトを募集します。提案型プロジェクトに採択されたチームには活動費用を助成します。チームでも個人でも応募することが可能です。学生の皆さんの積極的なご応募をお待ちしています!
【2023年度M-Naviプロジェクトの募集要項】は、こちら。(募集期間:2022年10月24日~2022年11月11日まで)
M-Naviプロジェクト「Period Positivity」にインタビュー!
第8回は、M-Naviプロジェクト「Period Positivity(生理をポジティブに)」にインタビューしました!生理をもっとオープンなものにするために、そして大学全体での支援を目指して奮闘する学生の姿に迫ります!
Period Positivity について知ろう!
――まず、活動内容について教えてください。
3年次リーダー 小澤聖さん(以下:小澤) 駿河台キャンパスと和泉キャンパスで、生理用品の無料配布を行っています。駿河台キャンパスはリバティタワー1階の女子トイレ、和泉キャンパスは第一校舎の2階、メディア棟4階の女子トイレに生理用品を設置しています。生理用品はかなり多くの学生に使用されていて、週に2~3回の頻度で補充をしています。
――メンバーは何人いますか。
小澤 23人です。それぞれの学年のリーダーを中心に活動を行う予定です。この活動はもともと文学部の平山満紀ゼミナールを中心に行っていましたが、2022年度のM-Naviプロジェクトに採択されたため、これから本格的に活動を始めていきます。
――Period Positivityの活動の目的について教えてください。
Period Positivityリーダー 寺岡泉佳さん(以下:寺岡) 生理用品の無料設置がメインの活動で、学生の生理の困りごとを解決することが目的です。平山ゼミの4年生が2021年度に行った、「明大生の生理の困りごととニーズに関する調査」では、女子学生の生理に関する悩みが多く寄せられました。
その困りごとを解決する第一歩として、生理用品の設置を行っています。現在は駿河台キャンパス1カ所と、和泉キャンパス2カ所なのですが、今後、さまざまな場所に設置していきたいと考えています。
――生理用品を設置してほしいというニーズがあるというお話がありましたが、アンケートでは他にどのような回答がありましたか。
寺岡 「大学の構内に横になれる場所がない」という回答がありました。また、「PMS(月経前症候群)(※)が重いため、生理痛で試験を受けられなかった際の配慮や、代替試験の実施をしてほしい」という声も上がっていました。
※PMS:生理前に現れるこころや体の不調のこと
――横になれる場所がないという点は、私自身も実感しています。
寺岡 和泉キャンパスで横になれる場所としてはラーニングスクエアがありますが、開放的な空間なので、人に見られてしまうのが難点です。生理痛改善向きではないとは思います。
――学内の診療所はどこにありますか。
寺岡 和泉診療所は、第一校舎の2階にあります。調べてから初めて知りました。奥まったところにあるので、生理痛で体調が悪くても、どこにあるのかが分からず、痛みを我慢してしまう人も多いのではないかと思います。
小澤 駿河台キャンパスの診療所は、大学会館の2階にあります。リバティタワーから少し離れていることもあり、少し行きにくさがありますよね。
――今話題に上がりましたが、学内の診療所をうまく活用するというのも1つの方法ですね。
寺岡 そうですね。
――活動の目標はありますか。
小澤 秋学期に、生田キャンパスと中野キャンパスに活動を展開することが目標です。
寺岡 私個人としては、Period Positivityの活動をきっかけとして、大学が主体的に生理用品の設置に取り組むことを目標としています。最近、高校や商業施設にも無料で生理用品が設置されています。
私たちが活動していく中で、活動の有効性や価値を大学の方に丁寧にお伝えし、大学のトイレに生理用品が常設されている状態にすることが一番の目標です。
――今回、M-Naviプロジェクトという形で、学生側と大学側が協力してプロジェクトを進めていくことができるようになりました。今後の活動に期待ですね!
Period Positivityが目指す「循環型」の活動とは?
――活動に当たり、大変なことはありますか。
小澤 今、苦労しているのは、メンバー不足です。生田キャンパスや中野キャンパスでの活動を目指していますが、現在、生田・中野にはメンバーが全くいません。今後、広報活動に力を入れたいと考えています。また、他学年同士の交流が少ないという点も改善していきたいです。
――Instagram以外の広報活動はされていますか。
小澤 トイレに設置しているBOXの横に活動内容を掲載しています。
――やりがいを感じるのはどんな時ですか。
小澤 週に2~3回ほど行う生理用品の補充の際に、最大30枚ほど入るBOXが空になっている時です。短期間でたくさんの生理用品が使用されているのを目の当たりにすると、「学生のためになっている」と実感でき、やりがいを感じます。
1年次リーダー 早瀬ゆうかさん(以下:早瀬) 私がトイレで手を洗っている際に、他の学生がBOXを見て「この箱、ありがたいね!」と言うのを聞いたことがあります。
一同 おお~!!
寺岡 直接、利用者の声を聞く機会は少ないですが、BOXの中身は確かに減っているので、やりがいを感じています。
――活動に当たり、意識していることはありますか。
寺岡 この活動を私たちだけで完結させるのではなく、学生全体での取り組みにしていきたいと考えています。生理用品を入れているBOXの隣には、回収BOXを設置しています。使用した分の生理用品を後日戻していただき、補充分として利用します。任意でお願いしていますが、将来的には、みんなで助け合う形を目指しています。こちらからの一方通行での提供ではなく、循環する形が望ましいですね。
――負担を軽くできれば、長く続けられる活動になりますね。
寺岡 昨年の活動では、参加する学生で生理用品購入の費用を自己負担していたので、その負担軽減も回収BOX設置の理由の一つでした。循環型を目指して、皆さんの意識を少しずつ変えていくためにも、回収BOXの設置は続けていきたいです。
――現在、回収BOXではどのくらい回収できていますか。
小澤 正直なところ、今はまだ少ないです。1~2枚だったり0枚の時もありますが、まれに、BOXの半分くらい入れてくださる心優しい方もいます。
――生理用品の種類やBOXの設置場所はどのように選んでいますか。
寺岡 生理用品はできる限り多くの種類を提供できるようにしています。サイズは小さいものから大きいものまで、肌が弱い方でも使用できるものも用意するようにしています。BOXの設置場所は利用者数が多く、目立つトイレで、生理用品や回収BOXを置けるスペースがある場所を選んでいます。
――確かにさまざまな種類が用意されているとありがたいですね。活動に対する学生からの反響はありましたか。
寺岡 友人が利用してくれたり、回収BOXにも入れてくれるなど、積極的に行動してくれています。しかし、直接学生から寄せられる反応は少ないので、まだまだこれからだと感じています。
生理用品の減り具合から、多くの学生が利用してくれていると思うので、レスポンスをもらうためにも広報活動を頑張りたいです。利用したことのある方は、ぜひ、リンクからアンケートの回答をお願いします!
――ありがとうございます。友人から友人へと活動の輪を広げていくことも大切ですね!
活動にかける思いを聞いてみた!
――Period Positivityの活動に参加したきっかけを教えてください。
早瀬 私は、文学部で現代社会学を専攻していますが、それを選んだ理由の一つが「生理の貧困」でした。私自身、生理痛に悩まされた経験があり、私のゼミのパッハー アリス先生から「Period Positivityがメンバーを募集しているよ」と教えていただいて、運命を感じ、参加しました。
――「生理の貧困」とは、経済的な理由などから生理用品を入手することが困難な状態を指しますが、「生理の貧困」自体に興味を持ったきっかけはありますか。
早瀬 正直、生理用品って家にあることが当たり前だと思っていたんです。ところが、ニュースで「生理の貧困」という問題があり、トイレットペーパーでしのいでいる人がいると知って、「助けになれないかな」と思いました。
――Period Positivityの活動は、生理用品に困っている学生に的確にアプローチできる活動ですね。寺岡さんはいかがですか。
寺岡 私も、自分の生活の中で生理が占める割合が大きく、「生理の貧困」に興味を持ちました。そして、「解決したい」と考えた時、ただ論文を書くだけでなく、実際に起こせる行動として何ができるかということを考えました。そこで、ゼミの平山先生とも話し合い、「Period Positivity」を作りました。参加した側ではなく、団体を立ち上げた側に当たります。
――Period Positivityの名前の由来はありますか。
寺岡 まず、英語というのがポイントです。留学生の方もいらっしゃるので、グローバルに活動していく上でも英語を使用しています。また、「生理」と聞くとマイナスのイメージや暗いイメージがあると思いますが、私たちの活動を通して、「生理に対してポジティブなイメージを抱いてほしい」という気持ちが込められています。
――ありがとうございます。「生理」は日本人だけに限らず、全世界の女性に共通することなので、グローバルな視点があることがすてきだと思いました。Period Positivityに参加している学生の魅力を教えてください。
早瀬 1年次のメンバーはみんな仲が良いです。おしゃべりをしたり、お菓子交換をしたりしています。
――お菓子交換、良いですね。想像して、心が温まりました。
寺岡 今年立ち上げたばかりのプロジェクトですが、1年次から3年次が所属し、男子学生が活動しているのも魅力だと思います。
小澤 男子学生も含めて、みんな、女性の生理に対して真剣に向き合ってくれるメンバーです。
――活動を通して、学んだことを教えてください。
早瀬 生理用品を設置することで、喜んでくれる方々がいるんだなと感じました。トイレを利用している時に、「ありがたいね」という声を聞いて、うれしく思いました。
寺岡 秋学期から本格的な活動をしていくので、これからですが、すでにM-Naviプロジェクトで大学と協力しながら進めていく難しさややりがいを、日々感じています。
――ありがとうございます。「生理の貧困」という社会課題に対して、自分たちができることから始めようと活動しているメンバーの方々の熱意が伝わってきました!明大生へ一言お願いします!
早瀬 生理というと、どこか話すのがはばかられるようなイメージがあると思いますが、実際に生理で悩んでいる人たちは多くいるので、少しでもそういう人たちの助けになれたらと考えています。私たちが設置している生理用品をみんなに使ってもらうことで、この活動に少しでも興味を持ってもらい、性別や学部を問わず、みんなが仲間になってくれたらうれしいです。
寺岡 生理用品に困ったらぜひ利用してください!また、その中で私たちの活動を知ってもらえたらうれしいです。
小澤 男女問わず新規メンバー募集中です!メールがあるので、質問や相談があれば、連絡をくださるとうれしいです。
※メールアドレス:periodpositivity.2022@gmail.com
――ありがとうございました!
Period Positivity の男子学生にも聞いてみた!
――活動を通して、生理に対する考え方の変化はありましたか。
海老原幸輝さん(以下:海老原) 無意識に、触れてはいけない話題だと思っていましたが、活動を通して知らないことや認識が間違っていたことに気付き、自分の世界が広がりました。
――認識が間違っていたことについて、具体的に教えてください。
海老原 ピルについてよく知らなくて、避妊の役割だと思っていたんです。でも、本を読んで、生理周期を整えたり、生理痛の症状を和らげたりする役割があることを知りました。
――ありがとうございます。工藤さん、若松さんはいかがですか。
工藤翔偉さん(以下:工藤) 生理のことを知ることによって、自分自身の中で理解でき、抵抗なく考えられるようになりました。一人でも多くの男性に生理について知ってほしいです。
若松健斗さん(以下:若松) 生理について、講演会などに参加してきましたが、まだまだ知らないことがあると感じています。生理について学ぶ前は、自分が生理について知らないことすら認識できていなかったので、知らないという事実に気付けたことが大きな変化ですね。
――Period Positivity の活動に、今後どのように参加していきますか。
工藤 一人でも多くの男性に知ってもらうために、自分のInstagramで発信する方法を検討しています。男性側が発信する方が受け入れやすくなると思いますし、男性が発信することで活動の多様性も実現できると思います。
――身近なところから広めていくことは重要ですよね。活動する中で意識していることはありますか。
若松 私は、生理とか関係なく、 人に優しく接することを意識しています。
海老原 僕は、表現の仕方には少し気を遣っている部分があります。当事者ではないので、まだ踏み込みにくさはありますね。
工藤 私もPeriod Positivityの活動に参加はしているのですが、本質的な部分に踏み込みきれていないというもどかしさを感じることがあります。その壁を取り払うことが今後の課題です。
――ありがとうございます。活発な議論ができる雰囲気づくりには、『性』の垣根を超えて、双方からアプローチしていくことが重要ですね。今後、双方向の交流が深まっていくような活動になることを期待しています。ありがとうございました!
M-Navi記者から~編集後記~
山本:現在ある問題を解決するだけでなく、将来の明大生にまで意識を向けて活動されていることが素晴らしいと感じました。理論で終わらせず、実際に行動するという姿勢を見習いたいです!貴重なお話をありがとうございました。
河内:取材を通して、「学生の生理に関する問題を解決したい」という強い意志が感じられました。大学に今までベースとなる活動が何もない中で活動しているだけに、困難も多いと思いますが、間違いなく学生のためになる活動だと思うので頑張ってほしいです。
寺坂:活動する上での思いをお聞きすることができ、普段それほど表立って話題にされない「生理」について、深く考えるきっかけになりました。より多くの人が生理に対する理解を深めるきっかけをつくる、Period Positivityの活動をこれからも応援しています!
福森:「生理の貧困」という課題を、男女関係なく、さまざまな垣根を超えて解決しようとするPeriod Positivityの姿勢に、大変感銘を受けました。このような活動は、学生が取り組むことにこそ意義があると感じました。これからの活動を応援しています。
守屋:これまでの学生団体と異なり、秋学期から本格的に活動していくPeriod Positivityのスタート地点に立ち会える貴重な取材でした。リーダーの寺坂さんをはじめ、メンバーの方々の熱い思いが伝わり、原稿の執筆に気合いが入りました。「生理の貧困」が社会問題となる中で、自分たちができることを模索し行動に移す姿はとてもすてきです。引き続き、活動を応援しています!

下段左から:山本夏帆さん、河内勇弥さん(共に政治経済学部2年)M-Navi記者も引き続き頑張ります!
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