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明大生にフォーカス
2024.01.11

「『明治ビジネスチャレンジ』で起業。日本の伝統文化の魅力をWeb3で世界へ発信し、地方創生を目指す!」堺 悠斗さん

経営学部学生就活社会連携SDGs
明治大学では、ビジネスを通じて実現させたいアイデアを思い描いている明大生が、「前へ!」挑戦し、明日の社会に向けて動き出す機会を提供するため、「明治ビジネスチャレンジ(ビジネスコンテスト)」を2022年度から開催しています。
今回は、2022年度に開催された「第1回明治ビジネスチャレンジ」に1年次で挑戦し、その後、起業家教育の特別講義「起業のメカニズムを体験する」(大同生命保険株式会社寄付講座)を履修し、2023年の夏、2年次で起業した堺さんにお話を聞きました。
課外活動を紹介してくれた方堺 悠斗さん(経営学部2年)

明治ビジネスチャレンジに応募しようと思ったきっかけを教えてください。

「自分にしかできないことを、自分の手で生み出してみたい!」との思いがあり、中学3年生の時から起業することを志していました。

1年次の初め、私は「メタバース(インターネット上の仮想空間)」で起業しようと考えましたが、思うように進めることができませんでした。そのような時、明治ビジネスチャレンジの存在を知りました。「同じく起業を志す、どのような仲間と出会えるのだろうか」「自分のビジネスアイデアは、どこまで通用するのだろうか」と興味が湧き、「もうやってみるしかない!」と挑戦することを決めました。

第1回ビジネスチャレンジでは、私は広告業で起業案(ビジネスモデル)(※1)を構築し、提案しました。ビジネスモデル作りに没頭する日々は、とても楽しかったです。

※1 ビジネスモデル:商品やサービスなどの付加価値の提供と、それによって得られる収益の獲得の仕組み

明治ビジネスチャレンジ応募に当たり、最も大変だったことを教えてください。

アイデアはすぐに浮かびました。しかし、これらのアイデアをビジネスとして成立させるためのビジネスモデルを考えていく過程が、楽しいながらも、最も大変でした。ビジネスチャレンジを終え、まだまだ不完全な部分が多かったと感じたので、これが反省点です。

ビジネスモデルの構築において最も重要なことは、市場のニーズをさまざまなデータを分析し把握した上で、「マネタイズ(収益化)」と「コスト構造(※2)」をしっかりと組み込むことです。この構築の手順に慣れておらず、また、あまり経験がなく手探り状態だったので、とても苦労しました。

※2 コスト構造:ビジネスにおいて必要とされる固定費と変動費を合わせた全ての費用。製品の生産やサービスの販売プロセスの、始めから終わりまでに発生する全ての費用のこと

選考を通して印象に残っていること、学んだことを教えてください。

残念ながら第1次選考を通過することはできませんでしたが、この挑戦をしたからこそ、今につながったと感じています。ビジネスチャレンジの後、元々とても興味を持ち個人的に知見を深めていたWeb3(※3)とAI生成の分野に商機を感じ、「この世界のトレンドの最先端分野で起業しよう!」と決意しました。そしてすぐにビジネスモデルを構築し、チーム作りに動き出しました。

ビジネスチャレンジに挑戦している時は、今思えば、経営者として非常に未熟で甘かったと感じます。しかし、「自分自身が本気になれる場で、さらに磨きをかけて、誰にも負けない明治大学発の起業家として成長していこう!」と強く思うきっかけになったので、とても有意義な経験となりました。

※3 Web3(ウェブスリー):次世代のインターネットを表す言葉で、ブロックチェーン技術(※4)を活用した分散型ネットワーク。従来のインターネットよりも安全で透明性が高く、特定の企業や管理者に依存せず、データや情報を分散して個人で管理できる

※4 ブロックチェーン:ネットワーク上にある端末同士をダイレクトに接続し、暗号技術を用いて取引の記録を分散的に処理・記録するデータベースの一種

第1回明治ビジネスチャレンジで発表中の一枚(2022年度)

明治ビジネスチャレンジや明治大学の起業支援の良い点・強みを教えてください。

明治大学の起業・スタートアップ支援は、学内だけではなく、外部のスタートアップ支援(東京コンテンツインキュベーションセンターなど)とも連携しているため、専門的な起業支援が十分に受けられる機会・環境が整っています。

また、明治大学には、さまざまなご寄付による支援があります。例えば、第1回ビジネスチャレンジは、校友(明治大学OB・OG)の方のご寄付を基に開催され、私が2年次の春学期に履修した「基礎専門特別講義B『起業のメカニズムを体験する』」は、企業のご寄付によって開催された特別講義でした。

経営学部の先生方、経営学部事務室、スタートアップ支援のプロ、協力企業、そして校友の方々からのさまざまな形での応援が、起業を目指す学生の大きな後押しとなっています。

起業された会社の概要について教えてください。

「Web3×地方創生」を掲げ、エネルギー・農業・地場産業・地域環境・教育・金融財政といった分野で、地方社会の発展を促進することを目指しています。ブロックチェーンを活用して、限定的な価値しか持っていなかったもの(こと)に新たな価値を付加して、共感し合える仕組みを構築します。特に、リアルワールドアセット(※5)領域に力を入れています。日本の伝統文化とテクノロジーを融合した、新たな経済圏形成の実現に挑戦中です。

※5 リアルワールドアセット(RWA):現実資産。実際の世界に存在する資産や権利のこと

2023年10月22日に開催されたホームカミングデーにて、経営学部創設70周年行事シンポジウムに登壇しました。企業紹介をしているところです

どのような思いからその会社を起業されたのですか。

価値ある日本の伝統文化が、それほど注目されていないという現状に気付き、「自分だからこそできる最先端技術を用いて、日本の伝統的な素晴らしい固有資産・無形資産の魅力を、日本国内だけでなく世界へ向けて発信することで、新たな販路を構築し、日本の伝統の価値を高めよう!」と考えたからです。

素晴らしく何物にも代え難い昔ながらの日本の伝統文化に、新しい技術を組み込むことで、視覚的アプローチや売り方、付加価値なども、今までにはない新しい形態を生み出すことができると確信しています。

将来の夢や目標、今後チャレンジしたいことを教えてください。

AIやブロックチェーンは、今後、社会サービスのスタンダードに、そしてあらゆるものの基盤になってくると考えています。ブロックチェーンの可能性を、もっとみんなが使いやすい製品やサービスに落とし込むことで、より良い社会が実現すると信じています。また、社会に貢献できるビジネスを通じて、持続可能な未来を築く使命も感じています。社会に対して持続的な価値を提供し、世代を超えた変革をもたらすことが、夢であり目標です。

毎日ブロックチェーンやAIの勉強を欠かさず、時にはスタートアップ企業の代表同士での意見交換などを通し、ビジネスの模索を行い、社会に必要とされるサービスを日々追い求めています。目まぐるしく変化・進化し続けるこのIT社会の中で、次の社会を作っていくためには、変化以降の「また先の進化」を常に意識する必要があります。だからこそ、日々の勉強や新しい世界を創造するクリエイティブ力を極めるために、私自身も進化し続けることを心掛けています。

これからも、日本のため、そして目の前の人のための会社として、成長し進化し続ける会社を作っていきます。

起業を考えている明大生・受験生へのメッセージをお願いします!

自分のやりたいことや興味を持ったことにすぐチャレンジでき、共に目指す仲間や後援者がそばにいる、これが明治大学です。「起業したい」「学生のうちに何かやってみたい」という人は、ぜひ私に声を掛けてください。共に楽しく、目標・ビジョンを共有しましょう。そして実現させましょう!

ホームカミングデーでの一枚

堺さんの会社について

株式会社D-Chain
「独創性と革新性を追求し、時空を超えて豊かさを創造する」という経営理念のもと、最先端技術を使って日本の伝統文化の魅力を世界へ向けて発信することで、地方の活性化を目指し地方創生に取り組む企業です。

ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

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