
2023年度の学生派遣プログラムである「長崎県連携事業:島原鉄道観光促進プログラム」に参加した、元田さんにお話を聞きました。
「島原鉄道観光促進プログラム」の活動内容について教えてください。
今回のプログラムでは、島原鉄道の諫早駅に西九州新幹線が接続したことをきっかけに、「島原半島に新たな観光客を誘致するための周遊プランの検討」を軸に活動しました。事前活動の後、現地調査を実施するため8月末に5日間島原半島を訪れました。現地調査では、島原鉄道株式会社さまにご協力をいただき、島原鉄道沿線の駅を回り、人々の温かさや広大な自然を感じながら、島原半島の魅力の発掘や問題点の洗い出しを行いました。
そして現地調査で学んだことや中間報告を踏まえた上で、最終報告に向けて観光客誘致のためのプランを考えました。最終報告では、長崎県、島原市、島原鉄道などの関係者の方々や地域町おこし団体の方々に向け、私たちが構築したプランを報告させていただきました。
「島原鉄道観光促進プログラム」に応募した理由を教えてください。
私が本プログラムに応募した理由は、私自身が地方出身者であり、地域創生や観光促進事業に関心を持っていたからです。地方が抱える問題として、過疎化、農業や伝統産業の後継者不足、少子高齢化などが挙げられます。人口が減少していくことで、生活関連サービスの縮小や、行政サービスの廃止・有料化が進み、二次的な問題が生まれます。この問題を少しでも解決しなければ、ますます地方が住みにくい場所になると考えました。
また、公共交通機関という日常生活に欠かせないものと関わるプログラムは、具体性があり興味が湧きました。私自身地方が大好きだからこそ、地方の抱える問題を現地の企業と協力して政策を立案できればと思い応募しました。
活動を通して印象に残っていること、学んだことを教えてください。
今回の活動を通して印象に残っていることは、島原の皆さんの温かさです。
普段東京に住む私たちは、見ず知らずの人に笑顔であいさつをしたり、立ち話をしたりすることはあまりありません。日常的に昔ながらの人々の温かさに触れることが少なくなっているのではないでしょうか。島原半島を訪れ、街の中を歩いていると、地域の方々が声を掛けてくださったり、大きな荷物を預かってくださったりと、縁もゆかりもない私たちに優しく接してくださいました。笑顔や幸せな気持ちが連鎖していったことを鮮明に覚えています。
また、地域が抱える問題について深く学ぶことができました。地域を盛り上げるために祭りなどのイベントを行いたいけれども、若者がいないため体力的にもなかなか行えないことや、SNSを利用することの難しさについて実際にお話を聞くことができ、地域の現状にあった観光プランを考えることの重要性を学びました。

活動して良かったと思うことは何ですか?
活動して良かった点は、さまざまなつながりを得ることができたことです。私は今回のプログラムに参加するまで、長崎県や島原半島に特に強い印象を持っていませんでした。しかし、今回のプログラムを通して、島原半島、そして長崎県とのつながりを得て、自分自身にとって大切な場所を増やすことができました。
また、他学部の学生とのつながりを作ることもできました。普段あまり接点がない他学部の学生と同じ班になり、事前研修から現地研修、成果発表会まで何度も話し合いを重ねました。私たちの班は、成果発表会の1カ月前に当初掲げていたテーマからの大幅な変更を行ったため、短く限られた時間の中で何度も意見を交わしながら、より良い報告を作る必要がありました。話し合いを重ね、お互いに励まし合いながら乗り越えられたことは、大きな自信になりました。

活動をしていて大変だったことは何ですか?
今回のプログラムの目的が「島原鉄道を利用した観光客の誘致」であったため、幅広くさまざまなプランを考えることができました。だからこそ、「本当に必要とされていることは何なのか」ということを深く考え、ターゲット層の選定や効果的な手段の模索などを行う必要があり、大変でした。
また、私たちの班は島原半島を訪れ、自然の広大さや人々の優しさに触れ、「観光客を呼び込むことも大切だが、地域の皆さんの暮らしを守る必要もある」と考えました。そのため、「観光客の誘致」と「地域の方々の負担にならない観光」という、真逆の二つの側面からテーマについて考えることになり、とても苦労しました。
このプログラムは、どのような人に参加を勧めたいですか?
地方や地域団体に貢献したい人や、何かに主体性を持って打ち込みたい人に勧めたいです。
このプログラムでは、自ら考えて動く必要があります。また、自分の発言や調査に対しての責任を持ち、実現可能性を考えながら、自治体の方々や機会を与えてくださった企業の方々のためにより良い報告を行う必要があります。そのため、モチベーションを保ちながら5カ月間プログラムに携わらなければなりません。根気良く主体性と責任感を持って地方自治体と向き合うことは大変なことも多いですが、最終報告を終えた時の達成感はとても大きく、自信につながります!

将来の目標を教えてください。
将来の目標は、心に余裕のある人になることです。自分自身に余裕がない時は、周囲の人の温かさや優しさに気が付くことができず、ないがしろにしてしまうことがあります。島原半島を訪れ、たくさんの人の優しさに触れ、「人の温かさを素直に受け止めて、周りの人に分け与えられるような人になりたい」と感じ、改めて余裕が持てる人になりたいと考えるようになりました。
例えば、心の余裕を持つには、まずは時間の余裕からと考え、成果発表会や報告の際には、時間に余裕を持てるようにタスクに優先順位を付けること、常にさまざまな状況を予想し、対応できるように事前準備をすることを心掛けました。
明大生・受験生へのメッセージをお願いします!
明治大学では、学生が主体となって取り組める多数のプログラムがあります。多種多様な機会や手厚いフォローアップがありますので、挑戦しやすい環境が整っています。
皆さんもぜひ、チャレンジ精神を忘れずに課外活動に取り組んでみてください!

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