
世界トップクラスの大学に留学できる明治大学のプログラム「トップユニバーシティ留学」を経験した松村璃都さん。留学をきっかけに「これからはなんでも挑戦してみよう」と考えるようになり、現在はフェアトレード・ラベル・ジャパンでのインターンシップに参加するなどさまざまな活動に取り組んでいます。アクティブにチャレンジし続ける松村さんに、留学での経験や文学部での学びについてお聞きしました。
松村さんのMeijingは、「挑戦」を意味する “Challeng” ing
バークレー校の学生たちの、「ゆとりを持った生き方」に刺激を受けた
トップユニバーシティ留学に応募した理由を教えてください。
高校生の頃から海外での生活に憧れていたからです。そもそも海外に興味を持ったのは、3歳からチアリーディングをしていたことが影響していると思います。チアリーディングの本場はアメリカで、普段から洋楽もよく聴いていたので、自然と海外へ意識が向くようになりました。
留学をしたいと本格的に考えるようになったのは高校3年生の時です。受験勉強をしていたカフェで隣に座っていた女性が、英語を話しながらパソコンで仕事をしていたのですが、その姿がすごくかっこよくて……。自分も英語を使ってバリバリ働いてみたいと思ったんです。もともと英語の勉強は好きでしたが、大学に入ったら英語を話せるようになりたい、そのためにも留学をしたいと考えるようになりました。
また、異なる文化や価値観を持つ人と一緒に生活し、自分がどれだけ柔軟に環境の変化に対応できるのか挑戦したいという気持ちもありました。そのため、多様な国の人たちが集まる学校であることや、自分の成績、就職活動の時期なども踏まえて検討した結果、3年次の夏に3カ月間カリフォルニア大学バークレー校に留学することを決めました。
留学先での学びや苦労したことを教えてください。
実際に海外に行ってみて、自分の語学力や自国に関する知識が足りないことを痛感しました。
現地では寮に入り、アジアやヨーロッパ、中南米など本当にさまざまな出身国の人たちと共同生活をしていました。スケジュールに余裕がある日は、朝・昼・晩ご飯を食べる時にそれぞれ2~3時間くらいみんなでおしゃべりすることもあったのですが、日本の政治の仕組みやLGBTQカルチャーについて聞かれた時にうまく答えることができなかったんです。自分の国のことなのに理解できていないことが多く、英語で説明することもできなくて、もどかしい思いをする場面が多々ありました。
相手に言いたいことが思うように伝わらないこともありましたが、それでも私は諦めずにコミュニケーションを取り続けました。自分とは異なる、さまざまな出身国の人たちの価値観を知ることがとても楽しかったからです。英語が上手に話せなくてもコミュニケーションは取れるんだと実感し、次第に英語を話すことへの恐れもなくなっていきました。この経験は、自分の中で大きな自信になりました。

帰国してから、自分の考えや行動に変化はありましたか?
留学を機に、なんでもチャレンジしてみようと考えるようになり、今はもう、やりたいことしかありません(笑)。バークレー校の学生たちは、日本の学生よりももっとゆったりと構えて、それぞれが自分のやりたいことに取り組んでいるように感じました。だから、私も大学生でいられる時間をもっと大切にし、自分のやりたいことはとりあえずやってみようと思うようになりました。
具体的には、明治大学の在学生向けポータルサイト「Oh-o! Meiji」などで面白そうなイベントやプログラムの情報を見つけたら参加したり、自分が所属する団体でリーダーを務めたりして、人間関係を広く築くことも大事にしています。私はもともと内向的な人間だと思っていましたが、留学を経験したことで自分はこんなにも活発な人間だったんだと気が付いたんです。

「相手の視点に立つこと」の大切さを学んだ、フェアトレードのインターンシップ
留学から帰国後、フェアトレード・ラベル・ジャパンのインターンシップにも参加されています。参加した理由を教えてください。
私は昔から世界史が好きで、文学部の史学地理学科を選んだのも世界史を勉強したいと思ったからでした。高校生くらいの頃から国際情勢や国際的な社会課題にも興味を持ち始め、国際協力のボランティアにも参加してみたいと思っていました。1年次に文学部の「国際関係論」を履修し、世界の格差問題などを学ぶ中でボランティアをやりたい気持ちはより強くなったのですが、具体的なアクションは起こせておらず……。
そんな中、2年次に国際日本学部の「世界のなかのアフリカ・アフリカと近現代世界」という授業でフェアトレード(※1)のことを知り、「やりたかったことはこれだ!」と思いました。興味を持って調べているうちに、国内でフェアトレードの認証事業やフェアトレードの普及活動を行うNPO法人「フェアトレード・ラベル・ジャパン」でのインターンシップがあることを知り、応募することを決めました。
※1 フェアトレード:途上国で生産される原料や製品を輸入者が適正な価格で継続的に購入することで、生産者の生活や権利を守る貿易の仕組みのこと
インターンシップではどのようなことをされているのでしょうか?
日本ではフェアトレードがまだまだ普及していないのが現状です。そのため、インターンシップでは、フェアトレードを認知してもらうためのさまざまな活動に取り組んでいます。例えば、ゲームを通してフェアトレードについて知ってもらう高校生向けの授業のサポートをしたり、SNSでの広報活動を行ったりしています。
また、活動の一環として、明治大学の学生に向けた取り組みも行っています。明治大学では、商学部の小林尚朗先生のゼミや「Meiji Fair Trade Club」というサークルが「明治大学をフェアトレード大学(※2)にする」ことを目標に活動しています。この目標は、私が学生インターンとして働く中で掲げている目標と共通しているため、私も彼らの活動に加わって一緒に取り組んでいます。例としては、企業とコラボレーションし、フェアトレード商品を販売するイベントの運営サポートなどがあります。今後も、学内での認知向上や大学全体で活動が活発になることを目指して、アクションを起こしていきたいです。
※2 フェアトレード大学:一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムからフェアトレードの推進活動に取り組んでいる大学に与えられる認証
インターンシップでの学びを教えてください。
特に印象的だったのが、メキシコのコーヒー生産者組合の女性リーダーにインタビューをさせてもらった時のことです。その際に聞いた「フェアトレードは慈善事業ではない。フェアトレードの商品は価格が高いと言われることがあるが、私たちは価格に見合う高品質なコーヒー豆を、環境や働き手に配慮しながら作っている」という言葉が心に深く刺さりました。
これまで無意識のうちに、国際協力のボランティアや開発事業は「何かをしてあげるもの」という考えになっていたとハッとさせられたんです。一方的な視点ではなく、相手の視点に立って対等なパートナーとして取り組むことが重要だと気づかされました。
ビジネスの視点を学んだことで、将来の道が広がった
文学部での学びについても教えてください。
2年次に参加した、PBL(Project Based Learning:課題解決型学習)のプログラムが印象に残っています。文学部・政治経済学部・情報コミュニケーション学部の3学部を対象にしたプログラムで、企業が提示したビジネス上の課題をチームで考えるというものです。
私は京王電鉄株式会社のチームに参加し、京王電鉄が協賛するバスケットボール女子日本リーグの大会でスタジアムに人を呼び込むための施策を考えました。しかし最初は「私にはビジネスの知識がないから」と消極的な姿勢で、4人チームの中でも決められたタスクをこなすだけになっていました。また、プレゼンに向けた準備もしなくてはならないのに、なかなかメンバーのスケジュールが合わず、中だるみしそうになった時期もあって……。
でも「せっかく参加したのに中途半端な形で終わりたくない。このままではダメだ」と思い直しました。そこからは、自分からチームのメンバーに積極的に声を掛けるようにして、みんなで話し合いを重ねに重ねた結果、最後のプレゼンでは総合優勝することができました。
特に学びになったのは、ビジネスでの施策を考える時には、ただアイデアを出すだけではなく、そこに説得力を持たせなければならないということです。その視点に気づいてからは、ペルソナ(※3)を設定するなど、誘致につなげるアイデアにいかに説得力を持たせられるかを、みんなで試行錯誤していきました。
これまで、自分はマーケティングのような仕事には向いてないだろうとなんとなく思っていましたが、やってみるとすごく楽しかったです。将来の道が広がったように感じ、参加して良かったと思えました。また、チームを引っ張ってまとめることもできたので、自分には意外とリーダーシップがあるのではと気づくこともできました。
※3 ペルソナ:商品・サービスのターゲットとなる顧客のモデル

最後に、高校生の皆さんにメッセージをお願いします!
高校生の皆さんにお伝えしたいのは、やりたいと思ったことにはなんでも挑戦してほしいということです。明治大学は、何かをやりたいと思っている人に対して、サポートしてくれる環境がとても整っていると思います。また、私自身、1年次からもっといろんなことをやっておけば良かったと身に染みて感じているので、大学生でいられる4年間をぜひ大切にしてほしいです。時間を無駄にすることなく、たくさんの経験をしてください!
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