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2025.07.04

アメリカ留学で得た「行動力」と「都市開発の知識」が未来の可能性を広げてくれた|大内純さん

農学部留学国際交流Meijing

「日本の都市を緑溢れる魅力的な場所にしたい」という思いで、自然が人に与える影響について研究している大内純さん。在学中に二度のアメリカ留学を経験し、海外の先進的な取り組みも学んできたそうです。留学で得たものとこれからの展望について伺いました。

明治大学での学生生活を紹介してくれた方大内純さん(農学部 農学科4年)

大内さんのMeijingは、都市の「緑化」を意味する “Green” ing

都市開発の視点から「人と緑の関係」に向き合っていく

明治大学の農学部農学科に進学した理由を教えてください。

幼い頃から、夏に父の実家に帰省した際に、祖父母が畑で育てた野菜を収穫して食べるという経験をしていて、貴重だと感じていたんです。この経験を多くの人に届けたいという思いがある一方、農業には食料自給率の低下や担い手不足などの問題があることも知り、自分なりに向き合っていきたいと考えて農学科への進学を決めました。

明治大学農学部は設備が整っていますし、農学科以外にも三つの学科があり幅広い知識を習得できると感じたため、志望しました。

大内さんが所属している英語農学研究室は、どのような研究室ですか。

ゼミでの議論や発表だけでなく普段の会話も英語を用いる研究室で、参考にする論文も全て英語です。農学部の四つの学科から学生が集まっていて、海外からの留学生もいるので、個々の研究テーマも「気候変動がコーヒー栽培に与える影響」や「中国の汚染問題」など、多岐にわたります。

英語の論文は専門用語も多く、理解に時間がかかりますが、辞書や専門書を活用しながら根気強く読み進めることで少しずつ読解できるようになり、自信にもつながります。

担当のMcTaggart,lain先生は研究テーマに関する助言に加え、プレゼンテーション資料のつくり方や発表時の話し方、仕草も丁寧に指導してくださいます。留学でアメリカに行った際も先生に教えていただいたことを心がけ、納得のいくプレゼンテーションを行うことができました。

所属している英語農学研究室での学びを話す大内さん

現在は、どのような研究テーマに取り組んでいますか。

「自然との関わりが人にどのような健康的効果をもたらすか」というテーマで進めています。留学中に訪ねたシアトルは、アメリカを代表する大企業のビルのすぐ近くに林や湖が整備されていて、自然との一体感がある街でした。この都市の姿を日本でも実現したいと思い、人と緑の関係に向き合い始めました。

私自身も農業体験などに参加し、田植えや米の収穫を経験しています。自然の中にいると日々のストレスから解放されてリフレッシュできるとともに、食料を安心して口にできるありがたさを実感します。体験者の方々にアンケートを実施したところ、同じように「ストレスが軽減された」「食品との関わり方が変わった」という声がたくさん届きました。

初めてのアメリカ留学が育ててくれた「行動力」

「サンフランシスコで学ぶソーシャルイノベーションプログラム」に参加されたのですよね。

1年次の春休みに参加し、2週間ほどサンフランシスコに滞在しました。このプログラムでは、最先端の技術が集結するシリコンバレーでの実践的な学びの中からデザイン思考(※)を得られるという点に魅力を感じ、参加を決意しました。

※ デザイン思考:前例のない課題に対して、ユーザーの視点に立って解決策を考える思考法

現地の先生や学生の英語での会話のスピードが非常に早く、内容も高度かつ発展的だったため、ついていくのに苦労しましたが、共に留学した仲間と助け合いながら徐々に慣れていきました。最終的には自信をもって積極的に活動に参加できるようになり、継続的な努力と周囲の協力によって成長できることを実感しました。

グループで課題に取り組む様子

サンフランシスコへの留学を経て、どのような知識や考え方を得ることができましたか。

「何事も経験」という考え方です。私はもともと準備が整ってから取り組む性格だったのですが、何事もまずやってみて失敗してから反省し、解決策を考えて再び取り組むという動き方ができるようになりました。思い付いてから実行に移すまでの時間が短くなりましたね。

実際に動いたことの一つに、3年次に参加したカリフォルニア大学デービス校への留学があります。サンフランシスコで出会った教授が「農学を学ぶならデービス校がいいよ」と勧めてくださったことがきっかけで二度目の留学を決め、帰国後すぐに準備を始めました。

実は大学入学時点では留学しようと考えていなかったので、二度も経験したのは自分でも驚きです。さまざまな人との出会いによって、行動力が身に付いたからこそだと感じています。

「先進的な取り組みを学びたい」という思いで臨んだ二度目の留学

3年次の留学では、どのようなことを学ばれたのですか。

夏学期のサマーセッションというプログラムに参加するため、5月から9月にかけて留学しました。農学について学ぶため、現地の学生と同じ講義を履修したので、留学生向けだったサンフランシスコのプログラムからさらに難易度が上がりました。

提出する課題も多かったため、空き時間には図書館で論文を読んだりレポートを書いたりすることが多く、そのまま朝を迎えたこともありました(苦笑)。現地の学生とのディスカッションも難しかったですが、振り返ると貴重な経験だったと思います。

英語でプレゼンテーションを行う様子

デービス校への留学では、どのような知識が得られましたか。

アメリカの都市開発は、日本と比べて10~15年ほど進んでいるように感じます。日本で暮らしていると想像できないような考え方や技術が標準になっているので、とても刺激的な環境で、新たな発想を生み出すヒントを得られたように感じています。

一方で、海外に出たからこそ日本の良さにも気づくことができました。例えば、治安に関して日本はとても優れていますし、安くておいしい飲食店がそろっているところも大きな魅力です。

留学や農業体験など、現地で学ぶことの意義はどこにあると感じていますか。

ただ話を聞くのと実際に体験するのとでは、知識や考え方を理解する深さが違うと感じています。現地で会うさまざまな国・地域の人、その土地の環境に触れることでしか感じ取れない情報や視点が絶対にあります。

実際に自分の目で見て感じることが一番の学びになると思うので、今後もチャレンジできる機会があったら飛び込んでいきたいです。

生田キャンパス新校舎「センターフォレスト」にて

「都市に暮らす人々が自然を感じられる環境」をつくりたい

今後の目標、これから挑戦したいことを教えてください。

卒業後は大学院に進学し、「人と自然の関係性」についてさらに研究を深めていきたいです。

将来的には、さまざまな経験から得た知見を生かして、日本の都市を自然に溢れた魅力ある空間へと変えていく取り組みに携わりたいと考えています。都市に暮らす人々が自然との関わりを感じられる環境の整備に貢献することが、私の目標です。

最後に、高校生の皆さんにメッセージをお願いします!

農学には植物や環境、街づくり、国際協力など、多様な分野があり、学べる知識は幅広いです。そして、これからの社会において、農学はますます重要な役割を果たしていく学問になると感じています。最近では生田キャンパスに新しい校舎も完成し、学ぶ環境もさらに充実しました。恵まれた環境の中で自分なりの興味を見つけ、いろいろなことに挑戦してほしいと思います。

高校生活は忙しく、大変なことも多いかもしれませんが、自分らしく一歩一歩前に進んでください。応援しています。

Meijing――自分だけの「個」をみつけて「前へ」 進み続ける明大生を応援するプロジェクト

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