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2025.08.01

全ての人に関係する「法律」の知識を生かし、多くの人を守り支えていきたい|大城さえさん

法学部資格Meijing

幼い頃から「法律」という社会のルールに興味を抱き、沖縄県から明治大学法学部へ進学した大城さえさん。「多くの人の生活を守る仕事に就きたい」という思いから、現在は裁判所職員を目指している大城さんに、法学部で得た知識やスキルについて伺いました。

明治大学での学生生活を紹介してくれた方大城さえさん(法学部4年)

大城さんのMeijingは、「守る」を意味する “Protect” ing

幼い頃から抱いている「法律」に対する興味と恐怖心

明治大学の法学部に進学した理由を教えてください。

幼い頃に両親から信号の渡り方を教えてもらった際、世の中に共通のルールがあることや知らずに違反してしまう可能性があることを知り、漠然と恐怖心を抱いたんです。ルールを把握して恐怖心を払拭するため、将来は法学部に進もうとずっと考えていました。

明治大学は法律学校として始まった歴史を持つ学校ですし、就職支援が手厚い点や興味・関心に合わせて自主的に履修科目を選択できる点に魅力を感じ、志望しました。

沖縄出身とお聞きしましたが、上京はいつ頃から考えていましたか。

母が東京出身ということもあり、夏休みなどの長期休暇に東京に遊びに来ることが多く、キラキラした街に憧れを抱いていました。海に囲まれた沖縄で育ったので、電車ですぐに他県に行けるところも魅力的で、上京したら今まで以上に広い世界が見られるという期待もあったんです。

父がかつて明治大学を目指していたという話を聞いたことがあり、明治大学を視野に入れていたことも上京を志した理由の一つです。大学進学のタイミングで東京に行こうと考えていました。

法学部の授業などで使用される模擬法廷教室にて

法律を学ぶ中で磨かれた「論理的思考力」と「文章構成力」

法学部での学びを通じて、どのような知識やスキルが得られましたか。

論理的思考力が身に付いたと感じています。法律は厳格なルールだと認識していましたが、学んでいく中で解釈によって結論が変わるものだと知りました。例えば、正当防衛と見なされる範囲や安楽死の是非などは、解釈によって異なります。講義や課題、研究などで説得力のある結論を追い求めてきた中で、論理的に考える力が養われました。

また、試験などの限られた時間で、自分の考えを簡潔に言語化する経験もたくさん積んだため、文章構成力も得ることができた実感があります。

講義以外の活動で印象に残っていることについて、教えてください。

1年次から法律相談部に所属し、一般の方からの法律相談を受ける活動に参加しています。相続や離婚など、センシティブなお話を伺うことが多いため、相談者の方に不快感を与えない対応や話し方、法律用語を分かりやすく噛み砕いて伝えることを心がけてきました。「話を聞いてもらうと心が軽くなる」といった言葉をいただくと、やりがいを感じますね。

法律相談は、講義で学んだことをアウトプットする場にもなっています。法律が実生活でどのように適用されるか考えることができたのは、とてもいい経験であり学びになりました。

「ゼミ生との議論」が知識や理解を深めてくれる

現在所属しているゼミでは、どのようなテーマで研究を進めていますか。

保険法ゼミに所属し、保険の仕組みや契約のルールを定めた法律である「保険法」を研究しています。保険法は比較的新しくできた法律なので、過去の判例を調べ、現行法に置き換えるとどのような結論になり得るかという視点でゼミ生と意見交換を行っています。

保険法は、将来発生するかもしれない損害に備えて設定していくところや保険会社と契約者の責任の線引きを明確にするところに難しさを感じるとともに、奥深さや突き詰めていく意義を感じています。

なぜ、保険法をテーマに選んだのですか。

上京して一人暮らしの家を契約した際に火災保険に加入し、保険は身近なものであると実感したことがきっかけです。いずれは生命保険や医療保険にも加入すると思いますが、学生のうちに学ぶ機会がないことに不安を覚えたので、保険法ゼミを選択しました。

保険法を研究することで、保険を構成する理論や仕組みを理解できるので、よく分からずに加入して損をしてしまうといったことを防げると感じています。

保険法の研究で、苦労した部分はありましたか。

保険法の講義はゼミと同じく3年次から受けられるようになるので、ゼミが開始する時点では保険法の知識が少なく、専門用語の多い条文を読み解くことにも過去の判例を探すことにも苦労しました。保険法は民法や商法との関連も強いため、複合的に捉えるのも難しかったです。

講義で保険法の知識を身に付けつつ、ゼミで判例についてゼミ生と議論したり先生から発想のヒントをいただいたりする中で視野が広がり、保険法の理解が深まっています。ゼミを通して、人と支え合う意味も実感しました。

法学を学ぶ楽しさや得られた学びについて話す大城さん

「近い将来の目標」がモチベーションを高めてくれる

大学生活では、どのような考え方や価値観を大切にして過ごされていますか。

中期的な目標を設定することです。4年間という長いようで短い大学生活を意味のあるものにするため、1年次は「定期試験でいい成績を取る」、2年次は「法律相談部の活動を頑張る」、3年次は「公務員試験の勉強に励む」といった目標を掲げてきました。近い将来の目標があると、モチベーション高く意欲的に努力できるようになります。

何事にも挑戦するという意識も大切にしてきました。学生の間にしか経験できないことがたくさんあり、後悔したくなかったからです。宅地建物取引士の資格試験や転職支援サイトの営業アシスタントのアルバイトに挑戦したり、友人と一緒に東北旅行に行ったり、興味を持ったことに飛び込んできました。今までにない経験をたくさん積み、価値観が広がったように感じています。

今後の目標、これから挑戦したいことを教えてください。

不安定な社会の中で多くの人の生活を支え、守りたいという思いを抱き、現在は公務員を目指しています。真摯に向き合ってきた法律の知識を生かすことができ、多くの人と関わる機会も持てるという点から、裁判所職員の仕事に魅力を感じています。

裁判所職員は、裁判所を訪れる当事者の方々や裁判官をサポートする仕事です。法学部では弁護士や検察になるという道を目指すこともできましたが、私は中立的な立場で支えていきたいと思い、裁判所職員を志すようになりました。

目標の仕事に就くことができたら、大学で学んだことを生かし、向上心を忘れずに広く社会の役に立てる人材になりたいと思っています。

最後に、高校生の皆さんにメッセージをお願いします!

大学生活は自分の人生に大きな影響を与えますが、ゴールではなく通過点の一つに過ぎません。最終的には、大学生活を通して何を学ぶか、何を得るかが大切だと思います。

今、将来の夢がある人もやりたいことが見つからずに不安を感じている人もいると思いますが、過去の経験や自分の興味・関心を見つめ直し、周囲の方々にも頼りながら、自分に合った選択肢を見つけていってほしいと思います。

Meijing――自分だけの「個」をみつけて「前へ」 進み続ける明大生を応援するプロジェクト

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