
もともと興味を持っていたファッションビジネスをはじめ、幅広い分野が学べることに魅力を感じて明治大学の商学部に入学した大平真悠子さん。学業に励む一方で、ゼミナール協議会やインターンシップなどの活動にも力を入れて取り組んできました。自分に足りない力を分析し、その力を養っていくための努力を欠かさない大平さんに、商学部での学びや学生生活についてお聞きしました。
明治大学を選んだ理由や、商学部を選んだ理由を教えてください。
高校生の時点では自分がどのような職業に就きたいかをまだ決めきれていなかったので、幅広い分野を学べる商学部がある大学に進学したいと考えていました。その中で明治大学の商学部を選んだのは、もともと興味があったファッションビジネスを学べるからです。
商学部での学びについて教えてください。
明治大学の商学部では2年次から、商学専門演習と総合学際演習の二つのゼミを同時に履修すること(ダブル・コア)ができます。私はコーポレートファイナンスを学ぶゼミと、近現代中国史を学ぶゼミに所属し、どちらもゼミ長を務めています。
コーポレートファイナンスのゼミを選んだのは、どの企業でも重要な「財務」について学べば、就職活動を行う際にも就職後にも、その知識を生かすことができると考えたからです。授業では主に、実際の企業の財務情報を見ながらM&A(※1)や配当政策(※2)の実施可否などについてグループで検討・発表していました。現在は、ゼミ生4人のチームで「事業売却が譲渡企業に与える影響」をテーマに卒業論文作成に励んでいます。
もう一つの近現代中国史のゼミは、中国の発展の理由を歴史から知りたいと思い選びました。2年次は台湾の歴史や日中関連の本を読み、3年次からは「中国共産党トップの服装と政治姿勢の関係性」をテーマに、卒業論文作成を進めています。どちらのゼミも週に1回ずつあり、卒業論文を二つ書いているため忙しいですが、それぞれに違った面白さがあるので、楽しんでゼミを受けることができています。
その他に印象に残っている授業は、1年次に受講した「特別テーマ実践科目A・B」です。この授業では、一年間かけて実際にファッションブランドを立ち上げるための戦略を考え、最後にプレゼンテーションを行いました。世界的にファッション業界で活躍されている講師の方から、直々にアドバイスをいただくこともできました。入学前に学びたいと思っていたファッションビジネスについて実践的に取り組むことができましたし、他の大学ではなかなかできない貴重な経験ができたと思います。
※1 M&A(エムアンドエー):「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略。企業の合併・買収のことで、二つ以上の会社が一つになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)
※2 配当政策:利益のうちどれだけを、いかなる時期に、どのような形で株主に配当するかについて、企業が取る方針
ゼミナール協議会での活動について教えてください。
ゼミナール協議会は、商学部のゼミや学部生の生活支援を行う商学部公認の団体です。高校生向けに明大祭やオープンキャンパスで商学部の紹介をする他、在校生向けのイベントの企画運営なども行っています。
これまでの活動で特に印象に残っていることは、明大祭で行った、高校生に商学部の授業を体験してもらうイベントです。このイベントで私は「企業評価論」という授業を担当し、自分が学んだことを先生の代わりとなって、高校生にレクチャーをしました。難しい内容ではありますが、「少しでも面白さを伝えられたら」という思いで取り組みました。
このイベントを含めて、ゼミナール協議会で積極的にイベントの企画や運営を主導する役割を担ったことで、自分とは異なる価値観を持つ相手ともうまくコミュニケーションを取ることができる力が身に付いたと感じています。

インターンシップで経験したことや学んだことについて教えてください。
インターンシップは二つ参加しました。一つは大学で募集しているもので、神奈川県の市役所での一週間の職業体験です。私はもともと民間企業への就職を希望していたのですが、「公務員の方が日々どのような思いで働いているのかを知りたい」という気持ちがありました。また、民間企業に就職しても、地方自治体や国と仕事で関わる場面は必ずあるだろうと考え、「インターンシップで公務員の現場を感じたい!」と思ったので、参加を決めました。
市役所のインターンシップでは、市民記者がブログで発信している「地域資源情報(地域にある自然、歴史、食、文化、産業、市民活動などに関する情報)」をより効果的に運用するための施策を検討しました。これまで市民や地域が豊かになるためにはどうすれば良いのかを考える機会はなかったので、とても学びの多い時間になりました。
もう一つは、IT系コンサルティング企業での長期インターンシップです。今後も成長が見込める業界であり、さまざまなところで生かせるスキルを身に付けることができるIT企業での仕事を実際に体験してみようと、2022年2月から始め、現在も続けています。
ここでは、プロジェクトマネジメントの補佐を務めたり、システムを設計する際に必要な要件定義書の作成を練習したりしています。その他、事務や経理の仕事も一部担当していて、会社に深く関わる重要な仕事ができていることにやりがいを感じています。このインターンシップを通して、ロジカルに考える力や、PowerPoint・Excelなどのソフトウエアの知識、ビジネスコミュニケーションやマナーなどを身に付けることができました。
これまでの学生生活を通して学んだことや成長したと感じるところはありますか?
私は高校生まで、人前に立つことや人に指示を出すことが苦手でした。しかし、これでは社会人になった時に仕事に支障が出てしまうと思い、これらの自分が苦手な部分を大学生活の中で克服しようと努めてきました。特に意識していたのは、ゼミ長を務めたり、ゼミナール協議会に所属したりして、多くの人と関わることです。そのおかげで、人前に出ることへの苦手意識はだいぶなくなり、自信を付けることができました。
また、勉強や課外活動に一層力を入れて取り組めるようになったことも成長したと感じるところです。中学生くらいまでは勉強が苦手だったのですが、高校時代に熱心に勉強を教えてくれた恩師と出会ってから少しずつ弱点を克服することができました。
そして、大学進学後も勉強の習慣を維持することができた結果、1年次から4年次まで明治大学学業奨励給費奨学金(返還不要)をいただくことができました。さらに3、4年次には、成績優秀者に贈られる学部長奨励賞もいただくことができたので、ここまで頑張ってきて良かったと大きな達成感を得ることができました。
私は「自分を成長させ続けること」を自分との約束としています。そのため、自分に足りないことは何かを考え、養っていくことが大切だと考えています。このように考える理由は「今後後悔しないように生きること」が自分の人生の大きな目標だからです。
この目標は、自分が二十歳になり、成人として自立していかなければならないと思うようになった頃から、少しずつ明確なものになっていきました。とはいえ、苦手なことに取り組むのは思い切りや勇気がいることです。私の周囲には努力をしている人たちがたくさんいるので、くじけそうになった時には、こうした人たちの姿に励まされ、背中を押してもらっています。何事も最初からうまくいかないかもしれませんが、まずは思い切って一歩を踏み出すことが大切だと考えています。
卒業後の進路を教えてください。また、これまでに学んだことを将来どのように生かしたいと考えていますか?
卒業後はIT企業でエンジニアとして仕事をする予定です。もともとファッション関係の仕事に興味を持っていましたが、大学でさまざまなことを学んだり、インターンシップを経験したりするうちに、エンジニアの仕事にさらに引かれるようになりました。
何より、ITコンサルティング企業の長期インターンシップの経験を通して、エンジニアの仕事は自分に向いていると感じました。大学生活で培った、さまざまな人と話し合いながら物事を進めていく力を存分に発揮して仕事をすることが、とても楽しかったからです。
エンジニア職では、大学で学んだ知識を直接生かせる機会は少ないかもしれません。しかし、ゼミナール協議会などでプロジェクトの中心となって問題を解決した経験や、この経験を通して身に付けた価値観の異なる人ともうまくコミュニケーションを取る力を、これからの仕事でも生かしていきたいと思います。
受験生の皆さんにメッセージをお願いします!
進路や将来について悩むこともあると思いますが、今は自分で決めた目標や夢を信じて、それをかなえられるよう努力することが大切です。皆さんが自分の最も納得のいく道に進めることを、心から願っています!
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