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論壇
2026.07.01

人口減少時代に問われる本学の真価|副学長(総合政策担当)・浜本牧子

18歳人口の減少は避けることのできない社会構造の変化であり、大学の教育研究活動のみならず、その存在基盤にも関わる重要な問題である。推計では、わが国の18歳人口は、2021年の約114万人から2040年には約74万人へと激減することが示されている。これに伴い、大学進学率が上昇しても、大学進学者数は2021年比で約27%減少するという、極めて厳しい予測が示されている。

文部科学省の中央教育審議会は、2025年2月、「我が国の『知の総和』向上の未来像~高等教育システムの再構築~(答申)」を取りまとめた。本答申は、急速な少子化により18歳人口が大きく減少する時代にあって、わが国が持続可能な活力ある社会を築き、国際競争力を維持・向上させていくために、高等教育が果たすべき役割と、その目指すべき姿を示したものである。答申では、教育研究の「質」の高度化、高等教育全体の「規模」の適正化、そして高等教育への「アクセス」の確保という3つの観点から、高等教育システムの再構築が不可欠であるという考え方を示している。

18歳人口の減少は、もはや将来の課題ではなく、本学が正面から向き合うべき現実である。問われているのは、建学の精神に立ち返り、本学がいかなる社会的役割を果たすべきかという本質的な問いである。

この課題に対し、学長、大学院長、副学長および学長室専門員で構成される学長スタッフ会議において、教育と研究を基軸に、規模の拡大・維持・縮小の各選択肢について、特定の結論を前提とすることなく検討を重ね、将来にわたり機動的に議論を展開していくための出発点として、「18歳人口減少に伴う本学のあり方に関する検討報告」を取りまとめた。

報告では、定員規模の拡大・維持・縮小それぞれの利点とリスクを比較検討した上で、現時点では、現行の定員規模を基本としながら、教育研究の質的向上を図るため、資源配分の効率化を徹底することが有力な検討軸であるとしている。さらに、入学者選抜、教育課程、卒業生の社会での活躍までを一体的に捉えた「教育の好循環」の確立が肝要であり、その好循環を支える根幹として、研究活動のさらなる高度化が不可欠であるとしている。

2040年以降の長期的な変容をも見据え、本学は、人口動態や社会の要請に応じて、機動的に議論し、柔軟に見直すことのできる組織体制を整えていく必要がある。次代を担う人たちが、その時々の状況に応じて最善の選択を重ねていけるよう、柔軟な考え方の下、議論と見直しを可能にする仕組みと姿勢を引き継いでいかなければならない。(農学部教授)

明治大学広報第811号(2026年7月1日発行)掲載