教育・研究・社会貢献の鍵は「連携」と「広報」(副学長(社会連携担当・広報担当)黒澤睦)
大学は象牙の塔ではなく、社会の公器として社会と連携し、社会に貢献する存在であることが求められている。もちろん、大学はこれまでも教育と研究というその本質的活動を通じて、人材育成や研究成果の還元など一定の社会貢献を行ってきた。しかし、ますます複雑化している社会の諸問題を、知の拠点である大学の有する人的資源・知的資産・ネットワーク等を生かして、より直接的に解決することが一層期待されている。
「明治大学社会連携機構」は、これらの期待に応えるべく、地域連携推進センターとリバティアカデミーを両輪に、特色ある事業を展開している。
「地域連携推進センター」は、全国の校友会や父母会の協力を得ながら、創立者出身地域(鳥取県、同県鳥取市、天童市、鯖江市)をはじめ、キャンパス所在地自治体、全国の協定締結自治体等と連携し、生涯学習や地域社会の活性化に資する事業を行っている。「リバティアカデミー」では、本学の教育・研究成果を社会に還元するべく、教養・文化やビジネスプログラムなど多岐にわたるジャンルで年間400近くもの質の高い講座を設置し、1万3000人を超える受講生が学びを深めている。
「明治大学社会連携機構」は、これらの事業以外にも、学内諸機関の社会連携・社会貢献活動のハブ的存在として、相互調整・連携構築、情報集約・情報発信等も行っている。
さて、以上のような事業を、皆さんはどれだけご存じだったろうか。そのような仕組みを知っていれば活用したかったと思った方はいないだろうか。「広報」は、明治大学の皆さんの持てる力を最大限に発揮し、また、最大限に相互活用するための鍵である。そこでは、広く社会へ情報を発信するとともに、学内の皆さんに情報を共有することも重要になる。その意味では、広報は、大学の社会との連携だけでなく、学内の相互連携のハブ的機能も果たす。
明治大学の「広報」に関する最近の動きとして、在学生向け情報サイト「MEIJI NOW」が、明治大学に関わる全ての人に向けた総合ニュースサイト「Meiji NOW」にリニューアルされた。同時に開設された姉妹サイト「Meiji NOW SPORTS」は体育会46部の大会スケジュール・チケット情報・結果速報などを一元化し、スポーツが持つ力と魅力を発信している。もう1つの姉妹サイト「Meiji NOW GLOBAL」は海外留学プログラム情報などを集約し、学生が自分の留学スタイルを探すことができる。
この他に、「明治大学広報」をはじめ、プレスリリース、ウェブサイト、SNSなどさまざまな形で広報活動が行われているが、その媒体や方法も急速に変化している。明治大学の皆さんや社会のニーズに合ったものにするため、ご意見やご要望をぜひお寄せいただきたい。(法学部教授)
明治大学広報第786号(2024年6月1日発行)掲載