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論壇
2024.07.01

キャンパスの内なる国際化に向けて(副学長(国際交流担当)高馬 京子)

本学は2009年の「グローバル30(国際化拠点整備事業)」、2014年の「SGU(スーパーグローバル大学創成支援事業)」の採択を契機として国際化を加速し、コロナ禍前の2019年度には、10年前の約7倍となる2300人を超える学生が海外留学を果たしました。2023年度末の留学派遣者数は、約2100人と、ほぼコロナ禍前までの水準に急速に戻っています。本学は、2024年3月末現在で59カ国・地域の373大学と協定を締結しており、うち47カ国・地域の272大学と学生交流のある協定を締結しています。また、海外拠点として明治大学アセアンセンターおよび北京事務所を設置しています。

外国人留学生受け入れの面では、2023年度受け入れ者数が2391人と、過去最大となりました。さらに優秀な留学生を受け入れるため、各学部が個別に実施していた海外地域指定校入試制度を全学へ拡充し、2025年度入試から順次募集を開始しています。

このような活動を踏まえ、現在、国際連携機構では、複数の視点を持ち、自ら考え、持続可能で多様性と包摂性に満たされた明るい未来を切り拓く力を備え、世界で活躍できる人材を育成することを目標に掲げることで、教育・研究の国際化の発展に向けて意欲的に取り組んでいます。

次なるステップとして、言語や文化が異なる世界各地で教育を受けた学生同士が共に語らい共に学ぶ場を創造することで、明治大学における教育の国際化、すなわち「キャンパスの内なる国際化」をさらに「前へ!」進めていきたいと考えています。キャンパス内において、外国人留学生と本学の学生が相互に交流する場を設けると同時に、文化的多様性を学ぶ場を提供する国際共修プログラムの充実を図っていく所存です。そのためにも引き続き、優秀かつ多様な外国人留学生に、明治大学へ学びに来てもらうための各種支援を行っていきます。

また、円安や物価高などにより経済的負担が近年増大している海外留学希望者への支援策をより実効性のあるものに改善することも検討しつつ、各学部・機関とも連携し、実践的な英語力をはじめとする語学力向上プログラムを展開していきます。加えて、英語で実施する授業科目の拡大と質向上を目指して全学の教員を対象とする国際FD研修プログラムの提供などにも力を入れていく所存です。

これら包括的な諸施策によりグローバルに活躍できる能力を持った人材を育成するため、グランドデザイン2030の実現を視野に入れつつも、数値目標に到達することだけにとらわれず、戦略的に、多様かつ包摂的な教育・研究の国際化、「キャンパスの内なる国際化」を各学部・機関と共に推進していきたいと考えておりますので、どうぞ今後ともご理解・ご協力のほどお願い申し上げます。(情報コミュニケーション学部教授)

明治大学広報第787号(2024年7月1日発行)掲載