駿風
2024.08.01
「駿風」2024年8月
「生理休暇」が1947年の労働基準法で定められたことをNHKの連続テレビ小説「虎に翼(第68回)」を見て知った。主人公は月経痛がひどいものの、「人員不足と、これだから女は、と言われたくないので、月経の痛みに耐えて働くしかありません」とナレーションされていた。
厚生労働省の「働く女性と生理休暇について」(2023)によれば、働く女性に占める生理休暇請求者の割合は0.9%である。今も女性は痛みに耐えて働いているのだろうか。しかし、働く女性だけではない。日本産婦人科医会は、月経困難症の学業への影響として、学校の欠席以外にも、集中力の低下やテストを受けられないことなどを指摘している。実際、私も学生から月経痛を理由とした授業欠席の連絡をもらうことがある。ただ、症状がひどく、定期試験を受験できなかったときに、学生は、異性もたくさんいる事務室に特別試験の受験願を申請できているのだろうか。
月経痛は個人差が極めて大きい。痛みをはじめ、不快な症状に苦しんでいる学生は、ぜひ専門医や学内診療所に相談してほしい。勇気がいると思うが、解決の糸口がきっと見つかる。
明治大学広報第788号(2024年8月1日発行)掲載