駿風
2025.06.01
「駿風」2025年6月
新年度の慌ただしさが落ち着き、緊張がほぐれ始める5月。知らず知らずのうちに疲れがにじみ、心がふと立ち止まる時期でもある。そんな時、ふらりと立ち寄れる居場所があることの大切さを感じる。
生田キャンパスの中心に誕生した「センターフォレスト」は、まさにそんな場所である。木のぬくもりが漂う図書館、静けさと人々の交流が共存するラーニングコモンズ、吹き抜けに差し込むやわらかな光。目的がなくても立ち寄れる、けれども何かが始まる気がする。友人と語らうもよし、一人で本に没頭するもよし。
窓辺に座って外の緑を眺めるだけでも、肩の力がふっと抜ける瞬間がある。ただ「いるだけ」で心がゆるむ場所は、大学生活において思った以上に貴重である。毎日を少し前向きに過ごすための、小さなきっかけにもなるだろう。
居心地の良い空間は、学びを支える土壌であり、時に心を癒やす静かな力にもなる。心が少し疲れている時こそ、生田キャンパスの学生はもちろん、他キャンパスに通う学生にも、ぜひ足を運んでみてほしい。きっと、大学生活における新たな気付きがあるはずだ。
明治大学広報第798号(2025年6月1日発行)掲載