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駿風
2024.11.01

「駿風」2024年11月

四十にして惑わず、五十にして天命を知ると聞く。私は明日、五十となる。私が明治大学に職を得た当時は、学生たちに授業を届けることで精いっぱいであった。おそらくは戸惑う余裕すらなかった。ただ、その後、学部や全学の役職に就くにつれ、天命を知ることには近づいてきたように思える。

明治大学、この大学は実に魅力的で人を引きつける。「卒業する時には明治が大好きになっていた」という学生の声を聞くことが多く、私も同じかそれよりも強い魅力を感じている。

研究推進の立場から、先生方の多様な最先端の研究に触れるにつけ、明治大学のポテンシャルに圧倒される。教務関連の業務からは、多くの先生方の教育信条や熱意に触れることができる。そして、授業――当初は内容に納得がいかず直前まで休講にするかどうか迷ったりもした。それが今では授業を行い、学生の反応を得て、自身の理論を再構築することを楽しんでいる。

天命、まだその内容は正確には見えない。ただ、明治大学を「前へ」進めたい。そのことには、不惑となった気がしている。

明治大学広報第791号(2024年11月1日発行)掲載